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全人類を魅了する、奥深き食の世界[後編]/菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.19

菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.19
菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.19
菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.19
菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.19

夜のおまかせ¥15,000より抜粋、グラスワイン¥1,000〜
鮨 日本橋 鰤門
住所/東京都中央区日本橋室町2-2-1 COREDO室町4F
TEL/03-3243-0050
営業時間/平日11:00〜L.O.14:30、17:00〜L.O.22:00
(土・日・祝〜L.O.15:00、〜L.O.21:00)
──菊地さんは音楽家であり、文人でもありますが…?
K「僕は歌舞伎町に引っ越して以来、10年包丁を握っていませんから。40代の頃は料理屋の店主に教えてもらったりしてグルメ的なホームパーティーもやっていましたけど、もう老眼になっちゃって。ウロコを取るにしても、鯛の頭を割るにしても、目が見えないとダメですから」
I「ところで、菊地さんがいちばん好きな食べ物は何ですか?」
K「和食、懐石が結局いちばんですかね。星付きでなくても、おいしければなんでもいいですね」
I「僕は寿司の道だったら突き進みたいですね。東京に出てきた70年代から下北沢に住んでいたので、『小笹寿司』の師匠に鍛えられました。寿司はなるべく外したくないから」
──ドキュメンタリー映画も製作されましたが、『すきやばし次郎』はどうなんですか?
K「めちゃめちゃおいしいですよ。でもある意味名誉ハイプというか、“三つ星の銀座の寿司屋”なんて20年前ならSFに属する想像力であって、それが現実になったので。店が狭いし、フランス人にとっては千利休のような感じなんじゃないでしょうか。でも、すきやばし次郎と同じクオリティの寿司屋はいっぱいありますよ。次郎の五分の一の値段のところも。それからコレド室町の『鰤門』、ここはワインバーの系列なのでシャンパンとの合わせがいいんです。それから、寿司といえばやはり博多」
I「博多と唐津の間のゴールデンゾーンがすごいですね」
K「江戸前じゃなければ、博多ですよね。大阪の押し寿司なんかもありますが、珍味ですから」
I「じゃあ、次回の対談の舞台は博多ですかね(笑)」
伊藤俊治(いとう・としはる)
1953年秋田県生まれ。美術史家。東京芸術大学先端芸術表現科教授。東京大学大学院修士課程修了(西洋美術史)。美術史、写真史、美術評論、メディア論などを中軸にしつつ、建築デザインから身体表現まで、19世紀~20世紀文化全般にわたって評論活動を展開。展覧会のディレクション、美術館構想、都市計画なども行う。主な著書に、『裸体の森へ』『20世紀写真史』(筑摩書房)、『20世紀イメージ考古学』(朝日新聞社)、『バリ島芸術をつくった男』(平凡社)、『唐草抄』(牛若丸)などがある。
菊地成孔(きくち・なるよし)
1963年千葉県生まれ。音楽家、文筆家、音楽講師。85年音楽家としてデビュー以来、ジャズを基本に、ジャンル横断的な音楽活動、執筆活動を幅広く展開。批評家としての主な対象は、映画、音楽、料理、服飾、格闘技。代表的な音楽作品に『デギュスタシオン・ア・ジャズ』『南米のエリザベス・テイラー』『ニューヨーク・ヘルソニック・バレエ』『戦前と戦後』などがある。主な著書に、『スペインの宇宙食』『時事ネタ嫌い』『ユングのサウンドトラック』など。映画美学校・音楽美学講座、国立音楽大学非常勤講師として教鞭もとる。www.kikuchinaruyoshi.net/

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