Culture / Post
全人類を魅了する、奥深き食の世界[中編]/菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.18
全人類を魅了する、奥深き食の世界[中編]
「ミシュランガイド東京2008」では史上最多の星を記録し、世界有数の美食の国の仲間入りを果たした日本。和洋問わず星付きレストランはもちろん、お手頃なランチメニューの充実、バリエーション豊かなファーストフードにコンビニのお惣菜コーナー、とにかくピンからキリまである食の選択肢も平均値の高さは世界トップレベル。食にゆかりの深いグルメな2人から見た現代の日本人の食事情とは…。
ラーメンは世界をつなぐ“インターネット”!?
──食とアートの結びつきについてはいかがでしょうか?
菊地成孔(以下K)「エル・ブリはモダンアートとも結びつきやすく、南麻布にある創作料理店『山田チカラ』のオーナーシェフはエル・ブリのフェラン・アドリアに師事していた人で、和食ですがアドリアの影響をモロに受けています。ソムリエでもあるモダンアート好きの女将と二人で経営していて、マダムが店のインテリアをすべて担当しています。店には茶室があって、食事が終わると茶室に通され、ばっちり着付けたマダムが抹茶を点ててくれるのですが、どういうわけか日本版ミシュランからは無視され続けていて、一度も星を取ったことがないんです。エル・ブリの翻訳としてはなかなかイケている店だと思うんですけどね」
伊藤俊治(以下I)「この店にはどんなお客さんが来るんですか?」
K「僕は何度も村上隆さんを見かけましたよ。近くにオフィスがあるんですよね。でも食べログ的には低いと思いますよ、多分。外国人向けですね」
【アーティストは料理に執着する!?】