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戦前と戦後でエンターテインメントはこんなに違う[後編]/菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.12

K「昔はピアノとボーカルだったんですが、ブラスバンド、スイングガールズとかの影響で管が増えています。みんな僕よりうまい。とにかく、彼女たちは無駄なことをやっていないんですよね。すごプレイをすればするほど、すごい女性のグーパン(チ)が欲しい男子たちが寄ってきます。彼女たちは嫌がりますが、それでも番組にはがきが来て、読んでみると「グーパン(チ)ください」的なことが書いてある。ジャズ界にもついにそういうことが起き始めています」
 
I「『ドラゴン・タトゥーの女』のノオミ・ラパスが『プロメテウス』に出ていましたが、自分でエリアンを出産してただ一人生き残る、唖然とする怪物女を演じていましたが、ちょっと質の違う強い女性ですよね」
 
K「フェミニズムの最終段階は、戦争になったときに女性兵が男性兵と一緒に戦うかということが問題。『スターシップ・トゥルーパーズ』という、まさにそういうことを描いている映画もあります。共学みたいな軍隊。女性だけになるとアマゾネス的で、また違った考え方になってしまうから、共学。同じように戦って、同じ基地に帰ってきて、おつかれって言いながら一緒にシャワーを浴びる。そんな、想像であったものが起こりうるっていう。戦後からすでに長い時間がたっていて、言ってみれば、今って、もしかして戦前!?って感じでしょう。あくまで図式的に考えると。女戦士のいる共学軍隊、来るかもしれませんね」
 

 

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伊藤俊治(いとう・としはる)

1953年秋田県生まれ。美術史家。東京芸術大学先端芸術表現科教授。東京大学大学院修士課程修了(西洋美術史)。美術史、写真史、美術評論、メディア論などを中軸にしつつ、建築デザインから身体表現まで、19世紀~20世紀文化全般にわたって評論活動を展開。展覧会のディレクション、美術館構想、都市計画なども行う。主な著書に、『裸体の森へ』『20世紀写真史』(筑摩書房)、『20世紀イメージ考古学』(朝日新聞社)、『バリ島芸術をつくった男』(平凡社)、『唐草抄』(牛若丸)などがある。

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菊地成孔(きくち・なるよし)

1963年千葉県生まれ。音楽家、文筆家、音楽講師。85年音楽家としてデビュー以来、ジャズを基本に、ジャンル横断的な音楽活動、執筆活動を幅広く展開。批評家としての主な対象は、映画、音楽、料理、服飾、格闘技。代表的な音楽作品に『デギュスタシオン・ア・ジャズ』『南米のエリザベス・テイラー』『CURE JAZZ』、『ニューヨーク・ヘルソニック・バレエ』(ewe)などがある。著書に、『スペインの宇宙食』(小学館)、共著『アフロ・ディズニー』(文藝春秋)、『ユングのサウンドトラック』(イーストプレス)など。映画美学校・音楽美学講座、国立音楽大学非常勤講師として教鞭もとる。PELISSE www.kikuchinaruyoshi.net/

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