「商店街 HOTEL 講 大津百町」で町家体験! | Numero TOKYO
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「商店街 HOTEL 講 大津百町」で町家体験!

「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2018年11月号掲載のアーティストmaisさんの取材で初めて滋賀へ。滋賀と言っても京都から電車ですぐのエリアだったので、京都泊を予定していたのですが、あの里山十帖を手がける自遊人が、大津にオープンした「商店街 HOTEL 講 大津百町」を手がけていることを知り、行ってみることにしました。

大津はかつて東海道五十三次最大の宿場町。日本の都市あるあるですが、現在は商店街にも空き家が目立つように。琵琶湖をのぞむ美しい街の町家がもったいない!と、築100年以上の町家7軒をリノベーション。“現代の町家”としてモダンかつ実用性の高い空間へと蘇らせました。“街に泊まって、食べて、飲んで、買って”がコンセプト。まんまとそうしてしまう魅力に溢れてました。 宿泊施設7軒の内5軒は一棟貸切りタイプ、2軒は部屋割りタイプ。部屋割りタイプの棟の一つ「近江屋」にフロントとレストラン(現在は予約ベースで朝食のみ提供、来年春より夜も営業予定)があります。私が泊まったのは商店街の中にある一棟貸切の「丸屋」。商店街のど真ん中に泊まるだけでもわくわく。移住した気分。 一歩中に入るとモダンな空間が広がってました。フィン・ユールやハンス・ウェグナーなどの名作家具が配され、キッチンはフライパンからカトラリーまで完全完備。冷蔵庫やレンジはもちろん食器洗い機まであって、普通の家よりも道具が揃っているんじゃないかと思う程。

寝室は寝心地のよいベッドに仕事や勉強がはかどりそうなデスク、お風呂は檜風呂、手入れの行き届いたお庭付き! パジャマやアメニティなど細かなところまで気が効いてます。

快適性を追求し、今後100年使い続けられることを目指したとあって、防音、断熱などの工事を徹底。町家を単に改装したレベルとはリノベーションのクオリティが全く違います。ここで暮らしたら……妄想が止まりません。

ほかの棟ものぞかせてもらいました。どの棟も北欧家具と町家の趣きが融合し、落ち着くムード。清潔感あふれ、リラックスできます。5人まで泊まれる棟もあるので、ファミリーや友人同士でゆったり過ごすのにもってこい。商店街のお肉屋で近江牛を買ってすきやきにしたいな。

旅=朝食といっても過言ではない程、その土地の魅力を感じられる朝食が大好物。鮎や海老などの琵琶湖の幸に、滋賀の郷土料理の赤こんにゃくや湯葉などの小鉢。

そしてメインは、鰻茶漬け! 化学調味料を使用せず素材の美味しさを引き出したお皿の数々に大満足。来年春からはディナー提供もスタートするそう。期待しちゃいますね。大津には割烹や料亭、鰻屋、近江牛の名店など、魅力溢れる飲食店が数多くあり、ご希望に合わせてコンシェルジュの方がご案内してくれます。私も駅近くのキリっとした割烹で、近江牛と鱧を堪能。

また夕方にはフロント棟「近江屋」とその三軒隣の「茶屋」にある宿泊ゲスト専用ラウンジでアルコールを含むドリンクとおつまみやお菓子をフリーフロー提供するサービスもあります。

和菓子屋さんが数多くある大津。ご存知「叶 匠壽庵」本店はホテルのすぐそばに。

歴史ある和菓子屋さんから、わらび餅やカキ氷なども提供するモダンな和菓子屋さんまであります。ほかに鰻屋さん、地元の新鮮な野菜や果物をあつかう青果店、漬物屋さん、近江牛コロッケが人気のお肉屋さんなど、食べ歩き、お買い物を楽しめます。

丸二果実店は喫茶も併設。季節のフレッシュジュースにフルーツサンドが人気。

ホテルから10分ほどで琵琶湖のほとりへ。レンタルサイクルでまわってみようかなという妄想を打ち砕くほどのサイズ感。ピクニックしている人や釣りを楽しむ人が多くいらして、ゆったりしたムード。次回は船に乗ってみたいです。

勧められて行ってみた三井寺。重要文化財を有し、天台寺門宗総本山とあって見応えがありました。観音堂からの琵琶湖の眺望もよかったです。ホテルから行ける名所にはほかに紫式部が源氏物語の構想を練ったと伝えられる石山寺もあります。

京都にいらっしゃる際には大津まで足を伸ばしてみていただきたいです! 電車でたった10分ほどですし。日本の素敵さが沁みます。

商店街 HOTEL 講 大津百町
hotel-koo.com

Profile

水戸美千恵Michie Mito マーケティング・ディレクター/エディトリアル・ディレクター。大学時代にジャーナリストアシスタント、ライターとして書籍、雑誌に携わる。卒業後扶桑社へ入社し、女性ファッション誌を経て『NumeroTOKYO』創刊1年目より副編集長に就任。ファッションページ制作や取材のほか連載「YOUのテキトーく」「佐久間由美子が聞く 女性表現者たちの闘い」を担当。食、旅、アートも好きなもの。座右の銘は「いつも心にナンシーを」。Instagram: @mitomiche

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