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Culture Art

KYOTOGRAPHIEオススメ鑑賞コース

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「TOILETPAPER」 Maurizio Cattelan & Pierpaolo Ferrari Presented by Fuji Film

ただいま京都を舞台に5月14日まで開催している「KYOTOGRAPHIE 京都国際映画祭2017」に行ってまいりました。なかでも個人的におすすめの展示を独断と偏見でご紹介します。

「KYOTOGRAPHIE 京都国際映画祭2017」の醍醐味は、アート写真そのものはもちろんのこと、会場となっている京都ならではの町家や伝統的な建物とセットで鑑賞できること。というわけで、建物もいい、作品もいいの一石二鳥の展示を独断と偏見でピックアップしてみました。

マウリッツォ・カテランとファッションフォトグラファー、ピエールパオラ・フェラーリ

2階のポップで変態!?な色彩コーナー

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3階のラブホテル風ラウンジコーナー

京都の街並みに異色のインパクトを放つ

私の大好きな現代美術家でもあるマウリッツォ・カテランとファッションフォトグラファー、ピエールパオラ・フェラーリによるアートマガジン『トイレットペーパー』の世界を体験できるインスタレーション。シュールでグロテスクギリギリ、ウィットの効いたブラックユーモア溢れる挑発的なヴィジュアルで3階建てのビル内をラッピング。2階はポップなカフェのようなリビングルーム⁉︎ 3階は赤とピンクのラブホテルのようなキッチュなラウンジスペース。1階は人気のグッズコーナーがかなりの品揃えで展開されています。

TOILETPAPER
Maurizio Cattelan & Pierpaolo Ferrari
Presented by Fuji Film
会場/ASPHODEL

All Mapplethorpe images © Robert Mapplethorpe Foundation. Used by permission.

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All Mapplethorpe images © Robert Mapplethorpe Foundation. Used by permission.

伝統建築とメイプルソープのZEN的美

東京・銀座のシャネルネクサスホールにて開催されていた、建築家ピーター・マリノのプライベートコレクションによる、ロバート・メイプルソープ写真展「MEMENTO MORI」。会場となったのは、誉田屋源兵衛 竹院の間。呉服問屋が立ち並ぶ室町で江戸期から続く帯匠である誉田屋源兵衛の、明治から大正にかけて建てられたという貴重な建築の佇まいと、メイプルソープの静かでありながら、力強いモノクロームの写真との独特の調和はここでしか味わえません。

ピーター マリーノのインタビューはこちら


「MEMENTO MORI」
ロバート メイプルソープ写真展 
ピーター マリーノコレクション
presented by Chanel Nexus Hall
会場/誉田屋源兵衛 竹院の間

情熱的で衝撃的な愛の根源

さらに、竹院の間の奥にある、黒蔵を会場に発表するのは、日本初個展のスペイン人写真家イザベル・ムニョス。ゴリラやチンパンジーの家族愛を捉えた作品「Family Alubmn」から、自らの身体を傷つけながら神に近づこうとする信仰者たちの肖像「Love and Ecstasy」の2シリーズ。かたや、人類の祖先とも言える存在の根源的な原始的な愛と、神の領域に到達しようする人類の自虐的な一種のイニシエーションのような愛という対比がある意味衝撃的だった。

イザベル・ムニョス
「Family Album/Love and Ecstasy」
会場/誉田屋源兵衛 黒蔵


老夫婦の愛おしい日々

オランダ人写真家ハンネ・ファン・デル・ワウデ。被写体として登場するのは、だいぶ個性的な老夫婦ベンとエミーと、その兄弟たちとの日常の風景。兄弟たちが片寄せ合い入浴するシーンや2段ベットで眠る夫婦。6年の歳月をかけて、彼らの生活に入り込んで撮影していいったコラボレーションのようなドキュメンタリー作品。また、会場のしまだいギャラリーは、創業400年、明治16年に建築され国の登録文化財にも指定されている町家の雰囲気と、この作品のインスタレーションが不思議に好相性。

ハンネ・ファン・デル・ワウデ
「Emmy’s World」
会場/しまだいギャラリー

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巨匠たちを捉えた肖像写真傑作選

世界遺産にも登録されている二条城の二の丸御殿台所という貴重な建造物の内部では、肖像写真の巨匠、アーノルド・ニューマンの没後初の回顧展。ジョン・F・ケネディ、パブロ・ピカソ、トルーマン・カポーティ…彼の捉えてきたさまざまなポートレートに学ぶところ多し。こんなに余白がああっていいのか?というほどの、大胆な空間の使い方。表情やポーズだけでなく、背景、切り取り方全てが計算されているような。事前にそのひとのことを調べあげると、アトリエやスタジオなど空間に足を踏み入れた瞬間に絵が見えるのだとか、さすが“周辺環境ポートレートの父”と称されるだけあります。また、入り口には、特別展示として、アンディ・ウォ-ホルによる「BMW アート・カー」も。

アーノルド・ニューマン
マスタークラスーポートレートの巨匠
presented by BMW
会場/二条城 二の丸御殿台所・東南隅櫓

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日本を舞台に150年越しのコラボレーション

ギャラリー素形で展示しているイタリア人女性写真家ジャダ・リパ「The Yokohama Project 1867-2016」presented by Ruinartも必見。1867年開国直後に、日本を訪れた西洋人として、報道写真家のパイオニア、フェリーチェ・ベアトが見た日本の記録と、現代人であるジャダ・リパが見て感じた日本を呼応させる形で展示。メインとなる数々のポートレート作品に映し出された人物たちのユニークさも特筆。人選の妙が目を引きます。ちなみに、Numero.jpではインタビュー記事を掲載しているので、読んでからの鑑賞もおすすめです。見ただけではわからない展示の仕掛けに納得です。鑑賞後にはギャラリーの入っている、「然花抄院 ZEN KASHOIN」の茶寮Zen Cafeで築300年の町家を生かした空間に浸りながらブレイクを。

ジャダ・リパのインタビューはこちら


Giada Ripa
「The Yokohama Project 1867–2016」
presented by Ruinart

会場/ギャラリー素形

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アラーキーの愛の表現、現在形!? 

そして、建仁寺塔頭「両足院」では、日本を代表する写真家、荒木経惟の新作「机上の愛」。愛、生と死と向き合うような、机上で撮影したという極彩色の静物写真。茶室や庭園を眺め散策しつつ、部屋の中の卓状のフレームに陳列された作品を座りながら鑑賞。京都の風情とセットで堪能したい。

荒木経惟「机上の愛」
supported by shu uemura
会場/両足院(建仁寺内)

KYOTOGRAPHIEではないけれど、京都アートの旅のシメに、京都国立博物館にて開催中の、「開館120周年記念特別展覧会 海北友松(かいほうゆうしょう)」まで足を伸ばしてほしい。一堂に会した壮大な回顧展です。圧巻の迫力。

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最後に、どこで何を食べようかと、迷ったら、このKYOTOGRAPHIEにあわせて、世界最古のシャンパーニュ「ルイナール」が京都を中心に関西の約100店舗にてプロモーションイベントを実施中なので、普段グラスで提供されることのないルイナールを楽しめる絶好の機会。特におすすめの10軒はルイナールの特設サイトでチェック! 私は今年3月からランチ営業を始めたばかりの「ぎをん華苑」にて九条ネギと肉のおうどんをいただきました。知る人ぞ知る最新情報(笑)。ルイナールのオススメなので間違いなく信頼できます。

Ruinartオススメのレストラン&バーはこちら

『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2017』
会期/2017年4月15日(土)〜5月14日(日)
URL/www.kyotographie.jp
※会場や展示などの詳細は公式サイトへ。

Profile

佐々木真純(Masumi Sasaki)ファッション・フィーチャー・ディレクター。大学在学中から編集プロダクションにて雑誌などに携わる。雑誌『流行通信』編集部に在籍した後、創刊メンバーとして『Numero TOKYO』に参加。ファッション、アート、音楽、映画、サブカルなど幅広いコンテンツを手がける欲張り何でも屋。写真家・操上和美が撮影する「男の利き手」や「東信のフラワーアート」の担当編集。ここ数年の趣味は山登りで、得意芸の“カラオケ”は編集部名物。自宅エクササイズ器具に目がない(なんならコレクター)。

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