カート・コバーンらの肖像が会すエリザベス ペイトン展へ
繊細で透明感のあるタッチで描かれた、カート・コバーン、シド・ヴィシャス、ピート・ドハーティといったミュージシャンたち。90年代半ば、自らの憧れの対象や身近な愛する人たちを描いた肖像画で、一躍有名となった女流アーティスト、エリザベス ペイトンの個展が、現在原美術館で開催されている。
90年代のストリートシーンでは、ガールズカルチャーが席巻し、キム・ゴードン、ソフィア・コッポラ、クロエ・セヴィニーといった女性クリエイターたちが注目を集めていた。一方で、アートシーンでもファッションやストリートカルチャーとクロスオーバーする女性アーティストたちが大活躍。リタ・アッカーマン、カレン・キリムニク、トレイシー・エミン、そして、エリザベス・ペイトンもそのひとりだ。ペイトンが描く、私たちにも馴染みのあるミュージシャンやアイコン、歴史上の人物をモチーフにした作品。展覧会で来日した彼女へのインタビューでは、「作品は、この世界で起きていることへの率直なリアクション。描く対象は、すごく好きだったり、尊敬しているという前提はあるけれど、彼らの生き様や人物としての魅力の重要性をこの世に残しておきたい、素直に描きたいという思いを大切にしているだけなんです」と語っている。よく知る人物たちを、彼女はどう見て、どう感じて、どう描写するのか。精緻なタッチと優しい色使いで表現された作品それぞれに込められた思いを想像しながら、彼女の世界に触れてほしい。 この入り口に大きく掲げられている写真は、展示作品の元になっている写真なのですが、これがどのように絵になったのか、比べて見るのもオススメです。今回のNumero.jpのインタビューでこの作品についても語ってくれたので、それを読むとさらにふむふむと感じられるはずです。 「エリザベス ペイトン:Still life 静/生」 会期/開催中〜2017年5月7日(日) 会場/原美術館 住所/東京都品川区北品川4-7-25 開館時間/11:00〜17:00(祝日を除く水曜〜20:00)※入館は閉館の30分前まで 休館日/月曜日(3月20日は開館)、3月21日 URL/http://www.haramuseum.or.jp/