挿絵にきゅん♡ ヴィンテージで味わう、大人のグリム童話
ヴィンテージショップは自分だけのお宝を発見できるので大好き。とりわけ古書店で見つける昔の児童書は、緻密な線画や温かみのある版画の挿絵が素敵で、見つけるとすぐに買ってしまいます。ここでは私のお気に入りの3冊をご紹介!
神保町で発見! グリム童話全集
こちらは2年前、会社の同期と神保町で書店巡りをしたときに北沢書店で見つけたグリム童話集『The Complete Illustrated Stories of The Brothers Grimm』。(北沢書店は『美女と野獣』のベルの本棚に迷い込んだ気分になれる、とても素敵な書店さんです!) 見てください、こんなに分厚いんです。わくわくしますね〜。19世紀前半にグリム兄弟によって編纂されたグリム童話を、20世紀後半にイギリスのチャンセラー社がまとめ直したもので、全852ページに約200話が収録されています。ヒビヤ セントラル マーケットで発掘! “忘れられた”物語
昨年開催されたヒビヤ セントラル マーケットの秋祭りには、4つのおしゃれな古書店、ファッション雑誌専門のマグニフ(magnif)、デザイン・アートブックのノストス(nostos)、アカデミック系の東塔堂(Totodo)とデッサン(dessin)が出店。お店に入るやいなや『Pictures and Stories from Forgotten Children’s Books』 に目を奪われました。アメリカのドーヴァー社より1970年に出版されたもので、18世紀後半から19世紀前半までの“忘れられた”物語が一つにまとめられた、コンピレーションアルバム的一冊です。こちらは著作権の関係で中をお見せするのは控えますが、無表情でシュールな線画や、ざっくり彫られた版画など、作品ごとに違うイラストがついていて見ごたえたっぷり。
フェリックス・ヴァロットンの挿絵がゆるシュール! ルナールの『にんじん』
下北沢の古書店(どこだったか忘れてしまいました…)の前のワゴンで見つけた『にんじん』。お母さんにいじめられながらも負けずに育ってゆく少年の日々を描いた、ルナールの自伝的小説です。お母さんにいじめられる…なんてとても暗いお話なのですが、ルナールの客観的な語り口、そしてなによりゆるくてシュールなフェリックス・ヴァロットンの挿絵が絶妙。昔の文庫本はこんなふうに箱に入ってたのか〜という発見も。これを購入した当時は知識がなかったのですが、『ヌメロ・トウキョウ』2020年5月号で紹介した、三菱一号館美術館の展覧会『開館10周年記念 画家が見たこども展』でヴァロットンの絵を発見し、「あ、あのにんじんの!」と旧い友人に再会したような気持ちになりました。ヴァロットンは19世紀末に活躍したナビ派の画家で、『可愛い天使たち』など子どもの無邪気な残酷さをシニカルに描いた作品が有名だそう。まさに『にんじん』にぴったり。『画家が見たこども展』は会期が延長されていて、6月21日(日)まで開催しているので、ぜひ覗いてみてください。
以上、私のかわいいヴィンテージの児童書紹介でした。もうすこしコロナが落ち着いたら、新たな宝探しにでかけたい!