T「ちょっと男前な感じが好きなんですね」
J「男前で、ちょっとセクシーな感じに惹かれます」
T「ジョセフィン・ベーカー(ジャズ歌手、女優としても活躍。『南海の女王』『タムタム姫』などに出演)のような、歌も踊りも演技もするような方の名前が挙がるかと思ったら、違うんですね」
J「意外と違うんです」
T「彼女たちの演技が好きなんですか?」
J「本人たちが醸し出す雰囲気ですね。セクシーな女性に憧れる。だから、名前は詳しくはないんですけど、昔のイタリアやフランスの映画に出てくるような、過剰に女らしい人たちってかっこいいですよね。ミシェル・ファイファーもキム・ベイシンガーもそういう雰囲気を持っていると思っていて。そして、品行方正な人には興味がない。ちょっと乱れてる感じの人が好きです」
T「今回(2013-2014年秋冬)のコレクションでいうと、ルイ・ヴィトンのショウが好きそうですね。高級なコールガールがイメージソース。アイテムとしてはチェスターフィールドコートなどマニッシュなアウターを出しているんですが、フロントを開けると中はキャミソールみたいなワンピース一枚だけ。まるで情事の後、男の人のコートを借りて街をぶらついているようなスタイル。ショウの演出も面白くて、ホテルの中をイメージした舞台に部屋のドアがいくつも設置されていて、モデルたちは各々のドアを開けて舞台に登場してくるの。ランウェイを一周して自分のドアに帰っていくんだけど、ドアの向こうには男の人がタバコを吸っている映像が流れてたり、ベッドが映っていたりして。これもシチュエーションが演出されていて、映画の中のワンシーンみたいでした」
J「高級娼婦のイメージには憧れが強いです。若い頃は娼婦のような格好をしていましたが、あれではなくて(笑)、高級娼婦。彼女たちのスタイルはかっこいい。決して下品じゃないというか。でもセクシーと下品は紙一重でもあるから難しいんですよね」