カルヴェンの若きデザイナー
アドリアン・カヨド&アレクシス・マーシャルに直撃
「カルヴェン(CARVEN)」アーティスティック・ディレクターを務める注目の若手デュオ、アドリアン・カヨドとアレクシス・マーシャルにインタビュー。
オフもやっぱりファッションのことばかり考えている(笑)
──2人のインスピレーションソースとは何でしょう?
AC「いくつもあるけれど60年代、70年代それぞれのエネルギーやバイブから影響を受けることは多い。デザイン的な面では建築が僕たちにとって非常に重要。建築から得た着想からカラーパレットや素材の組み合わせを決めることもある。それから未来に対する期待感も僕たちの想像力をかき立てる。これから先、どんなムーブメントやテクニックが待ち受けているのか、そんなことを考えながらアイデアを構築していくんだ」
AM「だからSF映画もよく観る。『AKIRA』もお気に入りの作品のひとつ。それから都市というのも重要なインスピレーション源なんだ。様々な建築物が立ち並ぶ場所だからね。東京にはほかの都市にはない、様々なスタイルの建築物がミックスされていて、このミックス感は僕たちにとってとても興味深い」
AC「70年代を象徴する建築デザインを見たくて、万博の名残を探して大阪を訪れたこともあるよ」
──旅先で見る都市の風景や建築物に影響を受けるのですね。プライベートではどんなことをしていますか?
AC「アートエキシビションに出かけたり、映画を観に行ったり。でも何をしていてもやっぱりファッションに結びつけてしまうんだよね。この前も映画を観たけれど、終わってからの会話のほとんどは『あの場面で出てきた服の色見た?』って感じでね(笑)」
AM「そう、たとえば今日食べた食べ物だって、誰かと話した会話だって、すべて僕たちのアイデアにつながっていく。僕たちにとってオンとオフを切り離すことなんてできないんだ!」
1985年パリ近郊生まれ。Atelier Chardon Savartで学んだ後、マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)のシューズデザイナーを経験し、2009年から5年に渡ってジバンシィ(GIVENCHY)でジュエリーやレザーグッズ、シューズなどアクセサリーデザインを監修。ジル サンダー(JIL SANDER)やトッズ(TOD’S)のコンサルタントとして活躍した後、「カルヴェン」アーティスティック・ディレクターに就任。
1985年パリ生まれ。16歳でフランスの由緒あるオートクチュールの学校に入学しクラフツマンシップの技術を習得。2007年ジバンシィ(GIVENCHY)でキャリアをスタート。リカルド・ティッシのチームでプレタポルテとオートクチュールのニットウェアのデザインを担当。2013年からアイスバーグのウィメンズウェアのクリエイティブ・ディレクターを経て、「カルヴェン」アーティスティック・ディレクターに就任。
Interview&Text:Etsuko Soeda
Edit:Yukiko Shinmura