美意識がアップする、センスの詰まった東京のショップ空間へ | Numero TOKYO
Life / Feature

美意識がアップする、センスの詰まった東京のショップ空間へ

私たちは、さまざまなモノやコトとの“出合い”でつくられる。訪れるだけで私たちの美意識を高めてくれる、センスやこだわりの詰まったショップやレストランに出かけてみよう。感性を刺激してくれる、東京都内の注目スポットを紹介。(「ヌメロ・トウキョウ」2018年10月号掲載)

植物との関係を新しく再構築するプロジェクトチーム「園藝と再生」によるグリーンコーナー。手前のカフェスペースでは、薬膳やアーユルヴェーダの考えをベースに作られた食が楽しめる。 買う・見る/新木場

CASICA

斬新なスタイリング空間で暮らしの発想を知る

「生きた時間と空間を可視化する」をコンセプトに、2017年、新木場に誕生した複合型スペース、カシカ。築40年ほどの銘木倉庫を改装した広い建物内には、ショップをはじめ、カフェ、ギャラリー、アトリエ、スタジオ、映像会社のオフィスなどが入る。 既存の建物を生かした天井高13mあるギャラリー空間。 さまざまな要素が共存する空間同様に、ショップで扱う品も多彩。世界各地の民芸品やプロダクト、陶芸作家による器、修繕された古家具や古道具など幅広い。これらは、例えばアフリカの布の横に和箪笥が置かれるなど、時代の新旧や価格、地域などにとらわれず同じ空間に並べられている。


<左>モロッコ製のラグの隣には和箪笥。ショップ内では地域も年代も異なるアイテム同士が不思議な調和を生む。<右>古い棚を積み重ねたブックコーナー。

ショップの一角を占める植物コーナーでは、茶碗を鉢と見立てた観葉植物が売られ、施設内の工房でリペアされる古家具と同じく、新たなものの再生の仕方を提案する。何でも手に入り情報過多な現代。何を選び、どう使うのか、ショップスペースをぐるりと一周するだけでも、ライフスタイルを刺激する新しい発見に出合える。


銘木倉庫だった頃の姿を残す。

CASICA

住所/東京都江東区新木場1-4-6
TEL/03-6457-0826
営業時間/11:00~19:00
カフェ 11:00〜19:00(L.O.18:30)
ディナー予約 03-6457-0827
定休日/月(祝日の場合、翌日休み)
URL/casica.tokyo/


店内奥に設けられたワークショップルーム。表参道店はサロンを併設せず、ウカのプロダクトだけを扱う。

学ぶ・買う/表参道

uka store omotesando

頑張りすぎない自分磨きのコツを学ぶ

2018年7月にリニューアルオープンしたウカ ストア オモテサンドウ。トータルビューティを提案するオリジナルプロダクトが並ぶ店内の奥には、気軽に訪ねることができるワークショップルームが併設されている。


ワークショップのスケジュールが書かれた黒板。少人数制なので、スケジュールは早めにチェックを。

毎週日曜日をメインに、「ビューティフルサンデー」と称してワークショップを開催。講師は経験豊かなウカのサロンスタッフ。しかし学べるのは難しいメイクテクでもプロのヘアアレンジでもない。自分でできる爪の手入れ方法や、頭皮の悩みを解決するシャンプーの仕方、簡単につくる巻き髪レッスンなど、日々の生活で続けられる自分磨きのコツだ。雑誌ではよく特集される内容も、実際に体験すると気持ちの入り方がまったく違ってくる。


<左>プロダクトの使い心地をゆっくり楽しめるように、ショッピングスペースにはシンクを設置。
<右>中段に並ぶのはニュアンスの異なる6色の赤で展開する新作ネイル「ウカレッドスタディ ワン」。

また、刺繍やロースイーツの作り方など、心と体の内側からのキレイを学ぶスペシャルワークショップも行っている。忙しいとつい適当になってしまうセルフケア。ここを訪れると、もう少し自分を大切にしてあげようという意識が高まる。


開放的で清潔感が漂う店舗。

uka store omotesando

住所/東京都渋谷区神宮前4-21-10 URA表参道1F
TEL/03-5413-4445
営業時間/12:00~20:00(平日・土)、11:00 ~19:00(日・祝)
定休日/火
URL/www.uka.co.jp

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買う・見る/白金

OUR FAVOURITE SHOP

KIGIの世界観を味わいに静かな裏通りへ

人気アートディレクター渡邉良重と植原亮輔のデザイン事務所、キギが立ち上げたギャラリー併設型ショップは、まさかこんな場所にという裏通りに佇む。

キギと琵琶湖周辺の職人たちによるプロダクトブランド、キコフなどを取り扱い、イベントのチラシやポスター、ショッパー、包装紙などのグラフィック、また内装などもキギが手がけ、至るところで彼らのエッセンスを感じ取ることができる。

店名には、この店が「OUR=(訪れる人を含めた)私たち」のお気に入りの場所になってほしいという思いが込められた。いつ訪れても、楽しさだったり、発見だったり、記憶に残るものを拾って帰ってもらえる場所であるよう心がけているというとおり、展示替えも頻繁で、2019年1月9日(水)からデザイナー葛西薫と詩人佐々木寿信の企画展が開催される。

OUR FAVOURITE SHOP

住所/東京都港区白金5-12-21
TEL/03-6677-0575
営業時間/12:00~19:00
定休日/月・火(祝日を除く)
URL/ofs.tokyo/

買う/代官山

Officine Universelle Buly

伝統と美を探究するカップルの現代性が融合

フランス・パリで1803年に創業した総合美容薬局を、クリエイターのラムダン・トゥアミと美容業界で活躍するヴィクトワール・ドゥ・タイヤックのカップルが2014年にリブランディング。もともとの哲学を踏襲しつつ、新しい美容技術を活用した唯一無二のビューティブランドへと生まれ変わらせた。日本の第一号店は二人のお気に入りの場所、東京・代官山に。

店内は19世紀のパリ、つまり伝統をイメージした重厚な木製の薬局棚サイドと、東京と未来を表現したコンクリートのラボサイドに真ん中で分かれていて、その二つのデザインが日本の金継ぎの技術で融合されている。スタイリッシュな内装と同様にクオリティの高いナチュラルプロダクトとともにその空間を味わいたい。

Officine Universelle Buly

住所/東京都渋谷区恵比寿西1-25-9 B1F
TEL/0120-09-1803
営業時間/11:00~20:00
無休
URL/www.buly1803.com

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食べる・見る/代々木上原

AELU

食の空間を豊かに彩るギャラリー兼レストラン

日本の調理法「和える」と、作り手や作家の「逢える」の両方の意味を込めて名付けられたアエル。その意味どおり、ギャラリーとレストランの複合ショップという新しい空間を提案している。オーナーを務めるのはメゾンサンカントサンクや居酒屋 ランタンなどを展開する丸山智博さん。自分の好きなワインと料理と器を表現する場所を作りたいという思いからこのお店を始めたそう。ギャラリーには国内外の作家物やヴィンテージの食器が並び、購入することも可能。

奥へ進むと、レストランスペースが広がり、季節の食材を取り入れたフレンチベースの料理をこだわりの器で堪能できるのが魅力だ。季節のメニューと自然派ワインとのマリアージュを楽しんでほしい。

AELU

住所/東京都渋谷区西原3-12-14
TEL/03-5738-8068
営業時間/ギャラリー 11:00~19:00、レストラン 18:00~25:00
不定休
URL/www.aelu.jp/

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学ぶ・食べる/蔵前

SHUNNO KITCHEN

食を通じておいしさ、喜び、四季を伝える

長年にわたりアパレル業界でバイヤーやディレクターとして活動していた二部桜子さん。母親が挿花家として食や花の本を多数出版していたこともあり、いつか食の世界へという夢を持つように。その夢を東京・蔵前の物件に出合ったことで一年前に叶えた。現在は、旬の食材を使ったニューアメリカンスタイルの料理を得意とする食のコミュニケーターとして、ケータリングやワークショップを手がける。

モットーは「おいしさを第一優先に」。インスタグラムの普及により、見た目に美しい食べ物があふれている時代だが、そこは食に関わる人間としてこだわっている点だという。旬の食材を使った料理、植物に触れることを通して、自然の偉大さ、自然への感謝をいま一度感じられる場所だ。

SHUNNO KITCHEN

住所/東京都台東区蔵前3-2-1-201
※イベント、ワークショップ時のみ営業。詳しくはHPにて。
URL/shunnokitchen.com/
Instagram/@shunnokitchen

買う・学ぶ/日本橋

PAPIER TIGRE

パリから私たちの生活に新しいアイデアを届ける

パリに本店を持つパピエ ティグルは、紙を用いたプロダクトやステーショナリーのデザイン、制作、販売を行うブランド。古いものも新しいものも交差しながら成長を続けている東京・日本橋浜町に2017年、世界で2軒目となる店舗を構えた。

色、パターン、ベーシックな素材と新しい技術を絶妙なバランスで融合した独特で遊び心のあるデザインにはファンも多く、ステーショナリーなどのブランドでは珍しく、年2回コレクションを発表している。内装はデザイナーの柳原照弘が担当。「インテリアにも紙を作る工程と同じ工法で作られた素材を用い、物と空間に一体感をもたせている」という。ワークショップを開催したり、日本茶のティーサロンも併設するなど、その世界観をさまざまな方向から伝えている。

PAPIER TIGRE

住所/東京都中央区日本橋浜町3-10-4
TEL/03-6875-0431
営業時間/11:00〜19:00(10月〜3月)、11:00〜20:00(4月〜9月)
定休日/月・火(祝日を除く)
URL/papiertigre.jp/

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買う/代々木八幡

EW.Pharmacy

花の可能性を広げ新しい楽しみ方を知る

フラワークリエイターの篠崎恵美さんが手がけるドライフラワー専門店、イーダブリューファーマシー。去年6月に東京・代々木八幡に店をオープンさせた。花を捨てないプロジェクトとして始めたこのお店は、週末限定で営業している代々木上原のフラワーショップ、エデンワークス ベッドルームや撮影などで使われなかった花に手間をかけドライフラワーにし、販売している。

独自の製法で染色やペイントを行い、その植物に合った方法で加工を施している。調剤薬局をイメージして作られた店内が特徴的で、調合するようにパッケージに詰めてくれたり、花瓶代わりに薬品瓶が販売されていたりとユニークな空間も魅力の一つ。花屋の概念を変え、新しい花の楽しみ方を教えてくれる場所である。

EW.Pharmacy

住所/東京都渋谷区富ヶ谷1-14-11
TEL/03-6407-0701
営業時間/12:00~20:00
不定休
URL/edenworks.jp/ewpharmacy/

東京の個性派フラワー&プランツショップ案内

美意識を磨きに出かけたい、東京近郊の隠れ名スポット

Photos:Tokyo Okabe(uka store omotesando、CASICA)Text:Akane Maekawa(uka store omotesando、CASICA) Edit:Sayaka Ito, Saki Shibata

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