エディターの食いしん坊バンザイ 第2回「世界一おいしいバインミー」 | Numero TOKYO
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エディターの食いしん坊バンザイ 第2回「世界一おいしいバインミー」

食道楽な「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」のエディターが、とっておきのグルメ情報をお届けする新連載「エディターの食いしん坊バンザイ」。おすすめのレストランから絶品スイーツまで、おいしい話をたんまりと綴ります。

生鮮食品、スパイス、雑貨、衣類までなんでもありのハン市場。
生鮮食品、スパイス、雑貨、衣類までなんでもありのハン市場。
ホーチミンのパンをレポートしてくれたパン野ゆりさんに触(食?)発されて、今年のGWに訪れたベトナム・ダナンの味な話を。 ダナンは東京から直行便で5〜6時間。空港からの移動が楽、時差少ない、ご飯おいしい、物価安い……などなど子連れに優しい旅先として近頃人気のリゾートですが、実際に旅してみたところ、例外なく現地の人が子どもに優しく、期待以上にお気楽な天国でした。ただし日中は暑いので街歩きはできません(誰も歩いていない)。ただひたすら、ビーチを眼前に臨むプールから出たがらない子どもたち(前世は河童かな?)を待つことになります。
子が陸に上がるのを待ちわびながら読んだ『待つということ』は、小誌でもおなじみブックディレクター・山口博之さんに「育児本を読むと、最終的にはいつも自分の狭量をなんとかしたい気持ちでいっぱいになって辛い」と打ち明けたところおすすめされた一冊。
子が陸に上がるのを待ちわびながら読んだ『待つということ』は、小誌でもおなじみブックディレクター・山口博之さんに「育児本を読むと、最終的にはいつも自分の狭量をなんとかしたい気持ちでいっぱいになって辛い」と打ち明けたところおすすめされた一冊。
半日がかりでホテル内で子を疲れさせ、父子がようやく昼寝に落ちた隙に脱兎のごとく街へ出かけたのが15時半。事前にリサーチしたローカルの人気店「Bánh mì Quỳnh Anh」が15時半オープンだったはず! と、勢いタクシーを飛び降りると……


ありゃりゃ、やってない!

そうだ、ここは東南アジアだった……と心の声が溢れると、隣の店のおばちゃんが「ここのはおいしいから絶対食べたほうがいい。でも何時に開くかは誰にもわからないよ」と助言(?)してくれました。閉店したわけではないことがわかり安堵したところで、名残惜しむ暇もなく次の標的に移動です。タクシーを降りてしまったことを悔やみながら、汗だくで歩くこと15分強……

辿り着いたのはここ「Bánh Mì̀ Bà Lan」。店は女性たちが手際よく流れ作業で回していて、いかにもローカルの名店たる屋台構え。到着した時点で数人並んでいたのですが、あっという間に自分の番がやってきました。日本円にしてひとつ100円未満と、お、お安い!


じゃん! スナック的に食べられる、レバーペーストと唐辛子を塗っただけのサンドウィッチ。パンはオーダーすると温めてくれ、待ちきれず道端でかぶりついてしまったため背景がカオスです。ほんのり温かなバゲットにレバーペーストがバターさながらに溶け出すかのようで、シンプルながら絶品。

肝心のバインミーは旺盛な食欲に抗えず、写真を撮る前に食べてしまったのですが(気になる方はこちらを見て)、噂通りのおいしみ。かつてフランスが統治していただけあってバゲットやハムのクオリティが確かなのと、パクチーや生野菜がフレッシュというか元気いっぱいな感じです。ちなみにこの店の“なます”的な野菜は酸っぱくなかったです。大根にカラスミ挟んだだけでおいしいですよね、そういうシンプルな滋味、最強!!

バインミーは中部(ダナン、ホイアン)発祥なので、ダナンで最も美味しい(私調べ)=(イコール)世界一おいしい! ということになりますね、ざっくりと言うと。

ちなみに、ダナンから車で30〜40分と、気軽に足を伸ばせる世界遺産・ホイアン旧市街は車やバイクが入れないので小さな子連れにも安心でした。今回ホイアンではバインミーにありつけなかったので、次回はホイアンの名店も訪ねてみたいと思います。

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Profile

井上千穂Chiho Inoue フィーチャー・ディレクター。『Numero TOKYO』創刊時よりエディターとして主に特集を担当。2011年よりウェブマガジン「honeyee.com」「.fatale」の副編集長をつとめ、19年より出戻り現職。作り手の話を聞き、ものづくりの背景を知るとお財布の紐が緩みます。夜な夜な韓国ドラマに、休日は自然の中に逃避しがち。子連れ旅もお手のものな二児の母。

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