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いまさら。。。。映画『YVES SAINT LAURENT』!!!

 

 

いまさらですが。。。。。観て参りました映画、『YVES SAINT LAURENT』。。。。。

 

 

以前、パリコレに行った時に、間もなく公開という事でメトロの構内がこのポスター一色でしたね。。。今回、イブ・サンローラン財団初公認という事でどんな内容になるか楽しみに参加して来ましたよぉ〜。。。。

 

 

 

 

ちなみにこの日は俺様流イヴ・サンローランスタイルで参上しました。ジャケットはフィレンツィェのリナ・シャンテで買ったどこのブランドか解らないやつ、シャツとパンツはYVES SAINT LAURENT RIVE GAUCHE、バッグは3.1PhillipLim、シューズはn.d.c、黒ぶちメガネはYVES SAINT LAURENT RIVE GAUCHEを買収する事になったTHOM FORDです。

 

 

 

物語は若くしてChristian Diorに大抜擢されたイヴからスタートします。ムッシュの死後、22歳でChristian Diorのデザイナーを任され、緊張の中初コレクションを迎えます。やがて兵役に行きますが精神不安定という事で病院送りになり、Diorに解雇され失意の中、恋人でもあるビジネスパートナーのピエール・ベルジュに『生きたい、生きてデザインを続けたい』という想いを伝えます。

 

 

映画では、メゾン、YVES SAINT LAURENTがスタートし、モンドリアンコレクションやロシアのコレクション、不道徳を唱ったスモーキングまで恐らく財団の許可が降りた当時の作品を使って撮影されています。つまり本物。もしくは財団の指導が入った完コピ。。。。ここは素晴らしかったですね。。。。

 

 

クリエイションを続ける中、浮き彫りになるのがイブ自身の荒れた生活。。。。お酒やドラッグ、セックスに溺れる日々が辛辣に描かれ、その中で素晴らしい作品を発表して行きます。浮き沈みの激しいファッション界で、常に王座に君臨したフランスで一番の天才の横顔を、ピエール・ベルジュが語るというスタイルで終始物語は進んで行きます。。。

 

 

 

 

 

さて、ここから私の個人的感想で書かせて頂きますね。。。。ええ、自腹ですから。。。実際、衆知していた内容でしたので、改めて2時間足らずで説明してもらったという感じですかね。。。実にフランス映画だなぁ〜というのが一番の感想でしょうかねぇぇ。。。親切じゃないし、どんどん進んで行くし、性表現は露骨だし。。。。。主演のピエール・ニネは驚く程イブ自身に似てて、よくやったなぁ〜と感心しましたし、実際にコレクションが行われたインターコンチネンタルホテルのボールルームや実際のパリの街の中で撮影されているので、そういう部分はリアル極まりないですね。。。

 

 

ファッションに関わる人間は是非観るべきですね。只、一般のファッションに興味のない人からすると少しどうかな?と思いました。一人のエキセントリックなデザイナーとその人の荒んだ人生というのが映画の中心になって描かれていますし、普通の人からするとあまりにも遠過ぎてピンと来ないのではないでしょうか???主演のピエール・ニネをアイドルにしようとるす配給会社の思惑か、映画本編の前に余計なインタビューとかくっつけていて、そこが映画の価値を一気に下げていましたね。

 

 

彼の作り出した名作に関してはそこまで触れていなくて、フィーチャーされているのはモンドリアンくらい。。。おてんばルルの落書きやオペラ座の衣装のデザイン等一瞬しか登場しませんし、もちろん説明もありません。あくまでもこの壮絶な日々を横で観ていたベルジュ自身の目線で描かれていて、イヴ・サンローランというタイトルではなくビエール・ベルジュでも良かったんじゃないかなと感じてしまいました。

 

 

人間は往々にして二つに分類されます。魅力的で華やか、才能があって人を振り回す発信者側の人間と、それを影で支える真面目で堅実な受信者側の人間。。。。その種の人間が織りなす物語として客観的に観れば面白いのかも知れませんが、華やかなHaute Coutureの世界も同性愛もドラッグも実に限られた一部の世界のお話。。。。必要以上に『こんな葛藤があったんですねぇ!!!』なんてコメントしている主婦や、ピエール・ニトのグルーピーのギャルとかを映画館で観ていて、なんだか不思議な気分になりましたね。。。

 

 

 

私がオンタイムで経験したイブ・サンローランのクリエイションのシーンはほんの少ししか登場しませんでしたし、知識として知っていた事を映像で見せてもらったのは面白かったです。あと、財団公認なだけに美しい美術品で埋め尽くされた彼らのアパルトマンやアトリエの雰囲気は見事に再現されていましたね。。。

 

 

 

どうでしょ???私、なんだか不思議な気分になりました。。。。観て良かったのか観なきゃ良かったのか判断し兼ねますね。。。。もちろん、私にとってイヴ・サンローランは神様ですし大好きですけど、エンターテイメントとして成立させる為にショッキングなシーンが多過ぎて少し稚拙な気がしましたね。もう少しクリエイティブな内容だったら良かったのかもしれませんが、ピエール・ベルジュ自体はイブ・サンローランの作り出した作品ではなく、彼の横顔だけを見ていたのかもしれませんね。。。

 

 

 

どっちにしろ、イヴ・サンローランの生涯を実に良く描いた素晴らしい作品だと思います。そしてこの映画を通じてイブ・サンローラン本人に興味を持ってくれる人が増えると嬉しい限りです。ファッションを目指す若い人達にはそんな健全にデザインしても、素晴らしいクリエイションなんか生まれる訳がないと言ってるようでしたね。。。

 

 

とにかくアーティストです。そして素晴らしい時代を駆け抜けた天才のお話です。余計な共感や理解しようという気持を捨て、描かれた事実をフラットに捉える事が出来る自身がある方のみに、オススメしますよぉ〜。。。。

 

 

 

 

でも、ベルジュ氏、イブが亡くなって間もない頃、私、パリのレストランで可愛い子ちゃん連れて、楽しそうにディナーしてるとこ、見ちゃったんですけど。。。。

 

 

 

 

 

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stylist designer artdirector

雑誌・TV・映画・舞台等、スタイリングからディレクションまで幅広く活躍中。著書『ダイコ★のブランドパスポート』が発売中

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