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幸せを学ぼう! 経済編
意識をニュートラルに保ち、知識への探求を続けることで未来型思考に。
さらに意識に余白をつくるためには移動が効果的。物理的に動くことでノイズとなっている情報が振り落とされるからです。飛行機や新幹線に乗るとアイデアが出やすいのもそれが理由です。そして次に知識を増やしましょう。知識とは現在の情報ではなく、より普遍性があるもの、より概念的なこと、あるいはアートなど、言語からちょっと遠いもの、言葉にしにくいものもあります。こういった教養や知識が未来をつくり若さを保つのです。AIができるのは情報の処理であり、意識の処理ではありません。意識の処理ができる人間というものの付加価値がより高まる時代となっていきます。
幸せを学ぼう! 経済編
ハッピーになるためのキーワードを解説
幸せの形が多様化するなか、どうやったら最大限ハッピーを享受できるのか? 科学、経済、言語、女性学…各分野の豪華講師陣がハッピーになるためのキーワードを伝授。(「ヌメロ・トウキョウ」2017年3月号掲載)
Section 2 意識をどこに向けるかが幸福感を得るカギ さて、人間とは何でしょうか?人間は「意識と情報の結合体」です。情報には記憶、肉体、知識などがありますが、大多数の人は記憶に意識の大半を使って生きています。だから常に同じことをするわけです。記憶は過去を、肉体は現在を、そして知識は未来をつくります。記憶ばかりに意識を向けてしまうと人生の濃度が薄まってしまいます。一方、知識を持つ人は前に進めます。知識を積極的に入れていかないと未来をつくることができません。幸せになるための提案として、マインドを若く保つことが大切。まずは情報を減らして、意識に余白をつくることです。部屋も片付けたりできるだけシンプルにしたほうがいい。ものは情報なので、雑然とした部屋にいると意識が使われてしまい考えられなくなるのです。
Economics_02
Illustration:Walnut
Interview & Edit:Sayumi Gunji
Text & Edit:Etsuko Soeda
Profile
山口揚平(Yohei Yamaguchi)
事業会・思想家。早稲田大学政治経済学部卒業。東京大学大学院修士。1999年より大手コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わった後、独立・起業。コンサルティング会社をはじめ、宇宙開発事業やロボット開発企業、劇団、漢方茶、グローバル人材教育など複数の事業・会社を運営する傍ら、執筆・講演活動を行っている。専門は貨幣論・情報化社会論。(Photo:Wataru Fukaya)