片山正通の秘蔵モノ・コレクション公開
書籍からアート作品まで、インテリアデザイナー 片山正通のコレクションを拝見しにオフィス訪問! 収集のきっかけからアートへの思い、ショッピングの心構えまで話を聞いた。(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2017年5月号掲載)
<正面上>木製の磔刑キリスト像(16-17世紀オランダ) <右側壁面の文字>古看板の文字を組み合わせてタイポグラフィを作るパリのデザインショップkidimoに依頼した「SEARCH & DESTROY」 <両壁面>ライアン・ガンダー『The sound made by the collision of ideas (imagine that)』(2010年)。
──わかりやすさに流れる現代の若者たちへ“見る前に跳ぶ”姿勢(アティチュード)を示す機会でもありますね。
「サカナクションの山口一郎君とも『わからないからダメ』という考え方はもったいないとよく話します。僕もポップでキャッチーなものは大好きだけど、その裏にある毒を見つけた時の喜びは格別。一郎君も今回の展覧会の共犯者として、音の権利のあり方について考える作品を作ってくれています」
出展作品より、『山口一郎 旧個人蔵のリッケンバッカー』 Photos : Kei Okano
──展覧会のステートメント(下枠内)にも「既成概念に蹴りを入れる」など、ラディカルな決意を感じます。
「パンクロックに多大な影響を受けた身として、“パンク軸”ともいうべき反抗的な視点があるんです。目の前のことが本当に正しいのか、声を上げて行動して、世の中の常識や既成概念を疑う。そういう視点を変えてくれるモノやコトが好きです。鋭く問題を浮き彫りにするアーティストたちの大胆な作品に、ジェラシーすら感じます。そういう僕の視点から集められたモノが集められた展覧会になると思います」
Life is hard… Let’s go shopping.
「節操がない」とはこの事である。
出逢った物や事に翻弄され、たじろぎ、影響され、そして嫉妬する。
その劣等感に辛うじて勝利する為、僕は散財を続けてきたのだ。
PUNK ROCKを聴いてしまった少年時代、僕の価値基準はたった一つになった。
「既成概念に蹴りを入れる物が好き」そんな暴力的な理由で集まってきた物、モノ、もの。
カテゴリーについての意味なんて知ったこっちゃない。
マハトマ・ガンディーは言う
「明日死ぬつもりで生きなさい。永遠に生きるつもりで学びなさい。」
そう、蹴りを入れた後が大変なんだよ・・・
片山正通的百科全書は現在もこんがらがったまんまなのだ。
“Life is hard… Let’s go shopping.”
片山正通
ライアン・ガンダーの作品『The danger in visualising your own end』(2010年)。
『片山正通的百科全書 Life is hard…Let’s go shopping.』
会期/2017年4月8日(土)〜6月25日(日)
会場/東京オペラシティ アートギャラリー
住所/東京都新宿区西新宿3-20-2
TEL/03-5777-8600(ハローダイヤル)
URL/www.operacity.jp/ag/exh196/
Photos : Yoshimitsu Umekawa
Interview & Text : Keita Fukasawa