ニッポン | Ako Tanaka
Ako Tanaka

ニッポン

※この記事は、Numero TOKYO編集長・田中がハニカムにて連載していた記事を再掲載したものです

 

ニッポンに魅せられたデザイナー、ガリアーノさん。
そんな彼が手がける最高峰メゾン、ディオールのオートクチュール・コレクション。
今年7月に発表されたコレクションの内20点が、東京にやって参りました。

それらがすべて、すごいんです~~~♪

素晴らしい作品(洋服というより作品です、ここまでくれば!)のひとつひとつには
Mika-sanとか、Koji-sanなどの日本語らしい(?)名前がつけてあり、
随所には着物の素材や浮世絵、折り紙などなどの日本特有のディテールが散りばめられています。

日本の伝統文化を、オートクチュールという欧米のものに昇華させてしまうとは!
ガリアーノさんも、すごい心意気です。しかしこれは必見の価値あり!
もちろん、クチュールを買うとか着るとか、そういうのは私たちの生活には無縁なこと。
だからこそ、見て欲しい! なんせ見るだけでも楽しいコレクションですからっ。

メゾン設立60周年記念展覧会 10月26日~12月26日まで
休館日なし おまけに無料 Dior表参道店4Fにて

dior.jpg

しかし、ここまですごいオートクチュールを、一体いつ誰がどこで着るのだろう?
世界には(きっと石油王とかの姫君たちだな)、私だけの一点を好まれる上々上顧客の方々がいらっしゃるのです。
そして、オートクチュールコレクションは、そんな上顧客の方々のために作られているのです。

がしか~~し、それだけではないのじゃよ。

一報では、クチュールを支える職人さんたちを守るためにも作られているそうです。
確かに、クチュールコレクションがなくなれば、多くの職人さんが職を失い、
そうなると、代々受け継いでいくべき技術も絶えてしまう。
そんな彼らを守るためというもう一報の役割もあるそうで、それを知って感動しちゃいました。
ガリアーノのデザインは、かなり大変で仕事も多そうだし寝る時間がなさそうなコレクションです。
でもそれがあるから職人さんたちは、生きて行けるんだね~~。脱帽!

みなさま。
オートクチュールコレクションとは、無益な社会貢献なのですよ!

Profile

ako tanaka
TOKYO
editor in chief

編集長。ミラノで雑誌や広告などに携わった後、帰国後はフリーランスのスタイリストとして活動。スタイリストやファッションエディターとして活躍後、2005年11月『Numéro TOKYO』編集長に就任。著書『AKO’S FASHION BOOK』(KKベストセラーズ社)も好評発売中。
ako tanaka│blog│numero.jp Numero TOKYO エディターズブログ

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