エルメスの美しくもディープな逃避行。 | Ako Tanaka
Ako Tanaka

エルメスの美しくもディープな逃避行。

※この記事は、Numero TOKYO編集長・田中がハニカムにて連載していた記事を再掲載したものです

 

ご存知、Hermesさんは毎年、年間テーマというのを発表します。
今年の年間テーマは「美しき逃避行」でした。
そこで今年は、エルメスさんから各媒体の編集長や大切な方々に、
“京都へ逃避行”のドリームチケットが届きました。わくわく。
胸躍らせて参加。すごく夢のある逃避行に出かけました。

5月20日 7:47am 品川発の新幹線に、アエラを買って乗り込みました。
新幹線グリーン車両2両ほど、知った顔がずらり。みなさま他媒体の方々です。
寝ている人もいれば、校了前とあって赤ペン片手に校正されている編集長さんもいる車内に、
こんな愛らしい動物くんたちが、何やら運んでいます・・・
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受け取りました。大好きなオレンジのエルメスボックスを!
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開けるとそこには、朝食が! 愛らしい演出に感激しながら完食です。もちろん。
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さらには、京都についてから必要となるブックレットが手渡されました。

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多摩美術大学・芸術学科教授であられる鶴岡真弓先生ナビゲーションのもの。
京都につくまでにお目通しを・・と囁かれ。

どうやらこのブックレットが、美しい逃避行へと誘ってくれる大切な教科書らしい。
京都に降り積もった異国と日本のリエゾンを発見する7つの問いかけ。
ふむふむ・・・読んでみるが、なかなか難しい。
いや、かなり難しい。3回ほど読んで6割理解したか否か・・・(汗)。

こりゃ、本気で逃避行しないとついていけないのかしら?と少々冷や汗。アエラ読んでる暇はないぞ~。
隣に座った家庭画法の美人編集長、今井朗子編集長も、う~ん難しいわね・・・と
私の冷や汗を察知し、助け舟をくださった。ほっ!

頭がいいとか悪いとかではなく、私の頭はきっと、ただただ固すぎるのかもしれません。
エルメス様、さすがです。ちょっと緊張感が走ります。
どれだけ想像力がたくましいか、試されている感じです。

京都についたらハイアットリージェンシーに移動し、そこでオリエンテーションが行われました。
さらには、この日をお供する自転車をセレクション(今回は事前に自転車の旅だと聞かされておりまして)。
私は自転車テクニックにかなりの自信があるので、みなさんスニーカーの中、ヒールありのブーツで挑戦しました。

7つの問いかけを読み解くチームが発表されました。AからHまで? 8グループほど。
私が入隊?するCグループのメンバーを紹介します。
VOGUE Nipponの斉藤和弘社長、渡辺三津子編集長、
ELLE Japonの森明子編集長、
GINZAの山際恵美子編集長、
STORYの山本由樹編集長
中央公論新社の関 知良編集局長
Hermesの有賀昌男代表取締役
Hermesインタナーショナル・プレスのディレクター、Ina delcourt(イナ)さん
と私、Numero TOKYOの田中杏子の9人。敏腕編集長率いる凄い面々の集まりです。
(他のグループも敏腕編集長の集まりでしたが。)

まずは、京都国立博物館を双眼鏡でじっくり眺め、その後、豊国神社に行き、
長樂館で、お茶タイム。

休憩後、さらに自転車を走らせること40分ほど。神社に自転車を置き、
哲学の道をお散歩しながら森林浴。一路、南禅寺へ。
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写真は、Cグループの頭脳、斉藤和弘氏が、哲学の道を歩くの図。
おっと言い忘れてました。逃避行に参加する人には、オレンジのバッグが手渡されます。
中には、お水、バナナ、オレンジに帽子やタオルなど、サイクリング必須グッズが!
南禅寺に到着。そこで昼食かと思いきや・・・
坐禅を組むという、新しい試みのレクリエーションが用意されていました。
まさに脳内逃避行の体験です。
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坐禅は初体験でしたが、と~~っても気持ちよかったです。
ほんの20分ほどの出来事でしたが、心がしゃきっと蘇りました。
普段からできるといいのでしょうね~。

そして南禅寺にて昼食。

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昼食は和久傳のお弁当。
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同行中の様子を、カメラがおっかけています。
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こちらのムービー映像が、夜の会食時の場を盛り上げてくれました。
すごい粋な計らいどすな~~。

別グループの名物編集長、エンジンの鈴木正文編集長にばったり会い、カシャ。
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かなり気合いが入ったサイクリングスタイルです。さすがです!!

この後、哲学の道をサイクリングで移動。
前を走るは、斉藤和弘氏とイナさん。
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後ろを走るは、有賀代表取締役社長さん。
すごい面子に見守られ、私もペダルをぎこぎこ。
そうそうブログにアップせねば、カシャ。
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一路、銀閣寺へ。

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銀閣寺にて、足利義政公が逃避行のために造営した愛すべき山荘東山殿や東求堂、同仁斎を仰ぎ、
禅の教えに身を置き、義政公の精神世界を垣間見、
東山殿、別名銀閣寺をバックに友人でありMarie Claire編集長の東浦真弓と記念撮影に挑む。ふふふ。
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老体を考慮していただいたのか、午後からはロンドンバスで移動。
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どこに行くのかと思いきや、京都造形芸術大学へ。
そちらの映写室で、Hermesさんが強力なバックアップをする映画、man on wireを観る。
これがまた、ほんとう~~~~に面白い映画でして。
今はなきNYのワールドトレードセンター2棟の屋上にワイヤーを張り、
そこを綱渡りする、本当にあった夢物語のようなドキュメンタリーフィルム。
真面目にお薦めの映画なのです。誘ってくれます、別世界に。

そしてあの地上411m、110階の上空を命綱なしに渡った大道芸人、
Filippe Petitさんがいきなり登場。
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会場は大いに湧きます。そりゃそうよ。
私もスタンディングオベーション!!! すご~~い、すごすぎる。
会えるなんて、感動です。

そんな素晴らしいサプライズを頂き、そろそろヘトヘト状態に。
ホテルへ戻ってシャワーを浴びて、最後のお楽しみ、夜のディナーへ。
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もちろん、催しもたっぷり。
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食器はもちろんHermes製。
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お食事はこんな感じ。美味しかったです。
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晴れ男の威名をとる、Hermesのコミュニケーション・ジェネラルマネージャーの
藤本幸三氏よりご挨拶。

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そして、美しき逃避行のクライマックス。
京都を舞台に発見する、7つの問いかけへのアンサーが、
出題者、鶴岡先生より楽しいレクチャーとともになされました。

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ご説明を要約すると・・・・
日本の古都、京都は日本の伝統美を堪能できる街として知られていますが、
実にたくさんの国々の文化がひしめき合って存在している、ということ。
探求していくと日本伝統美だと思っていたものが、パリ・ルネッサンスの、
キルト文化の、またギリシャ神話のあらゆるものと繋がっている、ということ。
異文化が散りばめられた京都の深みは、コスモポリスであり、
コスモポリス京都には、異国と和を慈しむ思想が根付いている、ということ。
などをご説明いただきました。
みなさまも、京都に行かれた際には、街に散らばるル・モンドを見つけてください。

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楽しい会話でひきつける、鶴岡真弓先生。ファンになりました!!

さらには、鶴岡先生から、最も楽しい名回答を出した方が表彰され、
そのグループにも特別賞が与えられるという栄誉賞が。

手に入れたのは・・・
和楽のスーパー美人編集長、花塚久美子編集長でした。やっぱ、すごいです。
鶴岡先生の特別賞を授かった、ワイヤーの男、偉人フィリップさんは壇上で、有賀氏に手品を披露。
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宴もたけなわなところで、二次会へ。
Hermes Japonの皆さま、素晴らしい逃避行をありがとうございました。

追記。

酔っぱらってベッドにどすんと寝転がった私の視覚に入ってきたのは、
お部屋の天井を浮遊する、ゴールデンホース。きゃわいい~~~♪
聞くとパリから別注で取り寄せされたとか。Hermesといえば馬具、馬ですからね!
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当然、お持ち帰りしました。娘のために! 今は、娘が馬乗りになってあそんでいます。

Profile

ako tanaka
TOKYO
editor in chief

編集長。ミラノで雑誌や広告などに携わった後、帰国後はフリーランスのスタイリストとして活動。スタイリストやファッションエディターとして活躍後、2005年11月『Numéro TOKYO』編集長に就任。著書『AKO’S FASHION BOOK』(KKベストセラーズ社)も好評発売中。
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