2週間のヨーロッパから戻って来ると、日本もすっかり冬の空気に変わっていて街もすっかりクリスマスムードですね。
ようやく時差ぼけと旅の疲れも抜けてきた気がしますが、今日は向こうにいる時から帰国したら行くと決めていた展示、
『李禹煥「色のハレーション / 空間のハレーション」』へ。
谷中の由緒ある銭湯をリノベーションして作られたギャラリーSCAI THE BATHHOUSEは、
前から気になっていたのですが、実際足を運んだのは本展示が初めて。
Ufan Leeは、60年代後半より「もの派」の中心人物として活躍したアーティスト。
随所に残る銭湯の面影と、日本の建築にしては高い天井と屋根付近の開口部から差し込む光が心地の良い空間で、
本展に選ばれている色が印象的な作品は、展覧会名の通りまさにハレーションな体験を与えてくれます。
まるで湯気の漂う空間で、色というお風呂に浸かっているような気分・・・
奥の空間に、何か1つ彫刻作品が展示してあっても・・・という印象もありましたが、
最終日に、このお天気の日に鑑賞することができてよかったです。
展示を目指して日暮里まで行ったのですが、何やら賑わっているマーケットを発見。
思わぬものに出会う楽しみ、お散歩の醍醐味ですよね。
「豆の展示会」と題して、山形県川西町の地産品を紹介するイベントが「上野桜木あたり」で行われていました。
ここも初めて行きましたが、日本家屋三軒を繋いでコミュニティースペースとして生まれ変わった場所のようです。
豆の展示会だけに、いっぱいお豆を試食させてもらいましたが、
オリーブオイルと塩で浸けたものが(お酒に合いそうで笑)とても美味しかったです。
りんご酢に浸けたものは、さっぱりした白あんみたいでこれまた美味。
お豆、煮豆は亡くなったおばあちゃんの味、という思い出があるのでなんだかほっこり、ほろり・・・
豆の他にもこの町の農産物が販売されており、家福来米でお米を購入しました。
ここの農家さん、「スーツ農家」として地方での農業のイメージを変えようと活動されているそう。
「地方」がキーワードで、「地方移住」や「農業」がトレンドな最近ですが、
シティーピーポーが思う「地方」とローカルで感じている「地方」には、
やはりどこか意識のズレがあるなと、出店者とお話をしながら改めて感じました。
地方出身者というルーツと都会暮らしという経験から、「ローカル」の本質をちゃんと追究していきたいと思う最近です。
使う顔料も、植物の色も、そして空気の色も、国ごとにオリジナリティがあって違うものなんだろう。
帰国早々に日本色を感じた谷中散歩でした。
アートへの意識の高さに文化度の違いを圧倒されたヨーロッパでしたが、日本も上野らへんの文化度はやはり高い。
[info]
/李禹煥
「色のハレーション / 空間のハレーション」
日時:2015年11月5日- 12月5日
場所:SCAI THE BATHHOUSE
URL:http://www.scaithebathhouse.com/ja/
/山形県 川西町
「まめの展示会」
日時:2015年12月4日- 12月6日
場所:上野桜木あたり
URL:http://uenosakuragiatari.jp/index.html