“LANDSCAPE”
そのテーマに導かれるように、MBFWT official会場であるヒカリエを飛び出して、
秩父宮ラグビー場をそのshow spaceに選んだKBF。
ピロティの部分が、長さ200mにわたるrunwayへと変貌を遂げた一夜。
「ランドスケープ」って、他の外来語と同じように曖昧。
建築でも定義が曖昧で、その言葉を聞いてイメージするものは多分人によって全く違うもの。
眼下に広がる草原みたいな風景を思い描くのか、それとも都市の中オアシスみたいな風景を思い描くのか?
でも、多分共通するのはそこに「自然」、というよりも何かの「素」を感じていることだと思う。
植物・水・砂・風・太陽・・・そしてコンクリートも「素」材として・・・そして、人の「素」。
「素」そのもので構成される空間と、「素」の重なりとして存在する空間。
複雑な都市空間も「素」の重なりとして、並べて整えて考えてみると、シンプルに美しく解釈できるのかもしれない。
そう、「Layered」がコンセプトの1つのように感じた、KBF 2016ss collection。
鮮やかであっても、どこか馴染みやすい、何かの「素」を感じるカラースキームで、
やわらかくて、軽やかで、動きのある、素材・色・かたちの「Layered-重なり合い」。
それに、ちょっとドキっとするようなアクセントが追加されることで生まれる東京らしいlandscpae。
レオタードに羽織るトレンチ、鮮やかな緑のベルトが透ける麻のワンピース、スカートに重ねるエプロンスカート・・・
正直最初は、ラグビー場の中は使わないのか・・・と思ったけど、
モデルが観客席に上る階段から登場するというopening。
空間の使い方が少し勿体なかった気はしたものの、会場選びにまでこだわるブランドは日本では特に少ないので、
来シーズンどこを選ぶのかにも期待です。
onlineで高画質で同時にcollectionを見れるようになったとはいえ、その空気感は共有できない。
runwayは、時間と空気を生の体験として共有しながらcreationを伝えることのできる特別な場所。
だからこそ、offlineでしかできないことをもっと。
洋服のdetailだけではなく、空間まで含めたcollectionの構築の仕方が必要になっていくはず。
Check KBF from below image.