usagi bon ごはん vol.135 渡り蟹のトマトスープ | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.135 渡り蟹のトマトスープ

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載「usagi bon ごはん」。第135回は、渡り蟹のトマトスープ。

渡り蟹のトマトスープ

夏野菜の素揚げやソーメンに合わせたりと、お好みの初夏のスープにして楽しんでください。

【材料】2人分

渡り蟹 1杯
精進出汁 180ml
トマトジュース 180ml
日本酒 180ml
水 適量

にんにく 1片
オリーブオイル 大さじ2
精製していない塩 少々
こしょう 少々

【作り方】
1. 渡り蟹の甲羅を剥がし、エラを取り、キッチンハサミで炒めやすい大きさに切っておく。足は出汁が出やすくなるように切り込みを入れておく。
2. にんにくはみじん切りにして、フライパンにオリーブオイルを入れて炒め、香りが出てきたら渡り蟹を入れて、さらに炒める。
3. 2に日本酒を入れアルコールをとばしたら、精進出汁を入れひと煮立ちさせてトマトジュースを加える。水を足して濃度を整えて、塩、こしょうで味をする。
4. 3からカニを取り出し、みそや身を殻から取り出し3に戻し器に盛る。

夜行性の徘徊癖は保身術

動物は基本的に夜行性が多い。それは、天敵から身を守る術なのだ。小さな動物や昆虫に至るまで、やはり日中は目立つ。目立つという事は自分より強い動物の攻撃に遭う危険性が増すと言う事。勿論それを知って、襲う強者側も、夜行性になる場合もある。ライオンや熊などの直ぐ強そうとわかる動物だけでなく、意外と小動物や魚類に至るまで、強敵は鳥類らしい。

鳥目と言うくらい夜は行動しない鳥達。その逆に、日中視力抜群の鳥は遠い空からでも獲物を見つける。うさぎやネズミなどはワシなど大きい鳥に狙われやすいし、小鳥でも昆虫は簡単に捕らるのだ。カモメや鴨などは、魚釣りの名人。そんなわけで小動物にとって一番怖いのは鳥類らしい。

ガザミに代表されるワタリガニも夜行性。甲羅のかたちが菱形。丁度初夏からシーズンが始まる。名前が渡ると言っても、徘徊歩行、それも夜にするくらいで遠くの海から渡り鳥のように進むわけではない。平たい後ろ足を使って泳ぐのも得意技。冬は海中深く潜っていて、初夏から浅瀬に上がってくるところを、我々人間が捕獲するというわけだ。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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