Life / Feature
食のあり方を考え世界を変える啓蒙活動、バタフライ・プロジェクト
ワインからそれ以外へ。広がりゆくテロワールの思想から見えてくるもの。問いから始まり、私たちの生活のあり方を変えていく、最前線の動きを追った。日本各地で食にまつわる活動を行なっているバタフライ・プロジェクトを紹介。(「ヌメロ・トウキョウ」2017年12月号掲載)
“テロワール”をめぐる冒険 07
訪問先の岩手県久慈市「柿木畜産」にて。
例えばいま、あなたの飲んでいるワインが補糖(ほとう)をして造られているとしたら。原料の砂糖が、生産国の自然環境の問題へとつながっているかもしれない。本意に反して何かを傷つけてしまう、その原因は「知らない」ことにある。バタフライ・プロジェクトは、誰もが「きちんと知る」ことができるよう、ボーペイサージュの岡本英史を中心に立ち上がった啓蒙活動。
岡本英史(右)、レフェルヴェソンスの生江史伸シェフ(左)。「いわて短角牛」生産者の柿木敏由貴とともに。
飲食に関わる生産者が情報を開示すれば、食べ手や飲み手がより価値観にフィットしたものを選べるようになる。蝶の羽ばたきが地球の裏側で竜巻につながることもあり得る“バタフライ・エフェクト”のように、自分の選ぶ1杯のワインが、世界をいい方向へ動かすことだってできるはずだ。その考えに、飲食、音楽、デザインなどさまざまな世界から賛同の声が上がっている。
ボーペイサージュと共鳴するアーティストによるコンピレーションCDブックのシリーズより、『BEAU PAYSAGE Pinot Noir 2015』(レゾナンス・ミュージック)
テロワールとは?
「知る、選べる。それが世界を変えるかもしれない」
Butterfly Project
URL/www.resonancemusic.jp/butterfly-project
(※記事中の情報は「ヌメロ・トウキョウ」2017年12月号掲載時点/一部更新)
“テロワール”をめぐる冒険