Food / Feature

身近な野菜や薬味で楽しむ薬膳とは

食通のゲストセレクターを迎え、いま注目の“食の世界”をおすすめのレストランとともに紹介するフード連載。Vol.9は、薬膳×発酵食など独自のレシピ開発がライフワークの井澤由美子が、都内で薬膳料理を堪能できるお店をピックアップ。(「ヌメロ・トウキョウ」2019年6月号掲載

日常で取り入れたい身近な薬膳について

薬膳とは、身近にある食材で、無理なくおいしく作る日常の食卓。薬膳で言う“生薬=食材”の効能を最大限に生かした食べ合わせを考え、日々の体調・季節ごとの最適な体づくりの手助けをしてくれる知恵の食事です。

中国や台湾の先生方と生薬や昔ながらの調理法を話し合うことはあっても、率先して薬膳ごはんのお店に食べに行くことは少ないですが、薬膳の基本を踏まえ、日本古来の民間療法と現代栄養学を加味し、読者の皆さんが家庭で取り入れやすいレシピ考案のために時々お店に伺います。

地方の志の高い農家さんの食卓、沖縄郊外の郷土食をいただける食事処などは、奥深い薬膳料理を堪能できます。都内なら、手間のかかる作業と使用する食材が秀逸な「食文化サロン 白金劉安」、生薬でもあるスパイスを丁寧に繊細に組み合わせている「憩いの木」などに足を運びます。薬膳の知は、血と良い気をつくります。

井澤由美子監修の薬膳レシピ

薬膳酢用食材。クコ・ナツメは、見た目の可愛らしさに加え、効能が高く“薬膳のプリンセス”と呼ばれる。
薬膳酢用食材。クコ・ナツメは、見た目の可愛らしさに加え、効能が高く“薬膳のプリンセス”と呼ばれる。

香りの良い野菜や果物、“肝”に働きかける酸味を用いた食べ方で、春から初夏は「薬食同源」を心がけたい。世界最古の発酵調味料といわれる「酢」に生薬を加えた、オリジナルの“薬膳酢”を使ったレシピで体をメンテナンス。

薬膳酢

材料
昆布 好みの種類や形状で15〜20g
米酢(リンゴ酢) 2カップ強
クコの実 大さじ3
ナツメ 10個

作り方
清潔な瓶や密封容器に材料を入れ酢を注ぐ。1週間以上置いてから使うと甘味・旨味が出てマイルドに。

キャロットラペ

材料
にんじん 1本
薬膳酢 大さじ2
粗塩 適宜
オリーブオイル 大さじ1〜2

作り方
1. にんじんをタワシでこすり洗いし千切りに。
2. ボウルに1と塩を入れてもみ、薬膳酢とオリーブオイルを加えて混ぜ、好みでレモン、オレンジ果汁など加えても。

井澤由美子おすすめの楽善レストラン

揚げ野菜を乗せた「かくらカレー」(¥1,500)はこの時季弱りがちな脾(消化器系)を整える。茶葉は全て独自ブレンド(¥700)。
揚げ野菜を乗せた「かくらカレー」(¥1,500)はこの時季弱りがちな脾(消化器系)を整える。茶葉は全て独自ブレンド(¥700)。

香食楽(KA・KU・RA)

「香食楽」を営むのは現代栄養学と中国の薬膳学を学んだ井村真沙子さん。かつてインドカレーを研究していたものの、薬膳に出合い、日本の風土と日本人の体質に合うカレーにシフト。27種類の生薬と12種類以上の野菜や果物を使用したカレーは、優しくも味わい深い。全5種類ある体質セルフチェック付き「カクラ茶」もおすすめ。

お店の内壁は珪藻土にわらスサを混ぜたもの。空気を浄化して湿気も吸うという“呼吸する壁”。
お店の内壁は珪藻土にわらスサを混ぜたもの。空気を浄化して湿気も吸うという“呼吸する壁”。

住所/東京都目黒区上目黒2-42-13
営業時間/水〜金 18:00〜22:00、土・日・祝 12:00〜14:30、18:00〜21:00(すべてL.O.)
定休日/月・火
TEL/03-3710-0299

冷え性や風邪気味のときは「高麗人参のスープ」(¥900)を。レモンシロップをかけた「愛玉子」(¥500)は腎を整えてくれるほか、食物繊維が豊富でお腹もすっきり。
冷え性や風邪気味のときは「高麗人参のスープ」(¥900)を。レモンシロップをかけた「愛玉子」(¥500)は腎を整えてくれるほか、食物繊維が豊富でお腹もすっきり。

お招き屋・ディデアン

「お招き屋ディデアン」は“元気と癒やしの薬膳”がテーマ。元気な人をよりタフに、お疲れ気味の人を少しでも健やかに。「人から人へ、いいと伝え継がれてきた食が一番」。そんな店主の山本水絵さんの思いが込められたメニューが揃うなか、人気なのは全3種類の「薬膳の華 滋養蒸しスープ」。食後には「愛玉子」でほっこりと。

富岡八幡宮のすぐ近く。お詣りのあとに立ち寄っても。
富岡八幡宮のすぐ近く。お詣りのあとに立ち寄っても。

住所/東京都江東区富岡1-15-3
営業時間/月 8:00〜14:30、火〜金 8:00〜21:00、土・日・祝 9:00〜21:00(すべてL.O.)
定休日/不定休
TEL/03-3643-7883
URL/www.omanekiya.com

Photos:Yasuo Yamagucfh(楽善レシピ), Yasuo Yamagucfh(香食楽, お招き屋・ディデアン) Text:Nao Kadokami Edit & Text:Yuuka Shiomi

Profile

井澤由美子Yumiko Izawa 料理家・国際中医師・国際中医薬膳師。薬膳×発酵食など独自のレシピ開発がライフワーク。薬膳・発酵レストランプロデュースも手がけ、レモン塩、乳酸キャベツブームの火付け役。近著『干し生姜オイル』(宝島社)など。yumikoizawa138.jp

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