飯島望未、日本から旅立ちスイスへ
チューリッヒ・バレエ団での新たなる挑戦
夢を追い求める女性をサポートする「コアントロー・クリエイティブ・クルー」として、「コアントロー」が支援する日本人女性クリエイターのひとり、バレエダンサーの飯島望未が活動の場を日本からスイスへ。チューリッヒ・バレエ団での活動と生活を追った。
──衣装といえば、各国のバレエ界で流行している「グラデーションのチュチュ」ブームの火付け役は、飯島さんだとか!
そうなんですよ。練習用のチュチュをグラデーションに染めようなんて思う人が、私以外にいなかったというだけなのですが(笑)。最初は私の周りの子たちに広まって、いつの間にか世界で目にするようになりましたね。
──どんなきっかけで?
練習用のチュチュにお金や気持ちを入れる人ってたぶんほとんどいないから、みんな白、黒、ピンクなど単色なんですけど、それがつまらないって思って。小さい頃からお世話になっている衣装屋さんに「練習用のチュチュを染めてほしい」ってお願いしたのですが「今までやったことがないから、練習用のチュチュは作れません」って、そこでは断られました。それでも諦められず、今から3年前、ヒューストン時代に別の衣装屋さん「Nui kobo」さんにダメもとで聞いてみたら「チャレンジしましょうか」と言ってくれて。その方と、グラデーションが綺麗に見えるチュールの硬さを調整しながら、世界で一番美しい練習用のチュチュを完成させました。
──最初に完成した練習用チュチュは何色?
サーモンピンクと、ライトイエローの2つです。その次にゴールドラメのグラデーションを作りました。やっていくと薄い色は簡単だけど濃い色やラメは大変だって分かってきたりして。黒やロイヤルブルーは時間がかかるみたいですよ。この2年くらいで世界的にもすごく浸透してきていて、グラデーションの濃淡を逆に注文する人がいたり、いろんなアイデアが出てきていて私も楽しいです。見た目重視ですみません(笑)。でも、こういうものをモチベーションにするのも大切かなって。それに、練習中のバレリーナを撮るカメラマンが増えたきっかけにもなったと思うんです。チュチュやレオタードがカラフルでスタイリングされていたら絵にもなります。
ドイツで見つけたお気に入りの場所
Photos:Nozomi Iijima
Interview:Yukiko Shinmura