杉野希妃が主演監督! 『雪女』の舞台裏 | Numero TOKYO - Part 3
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杉野希妃が主演監督! 『雪女』の舞台裏

「コアントロー・クリエイティブ・クルー」として、「コアントロー」が支援する日本人女性クリエイターのひとり、杉野希妃。彼女が監督・主演を務めた映画『雪女』が2017年3月4日より全国公開される。尾道での撮影舞台裏をレポート!

撮影をしていた一年前の3月4日は、おりしも佐野史郎さんの誕生日。佐野さんの出番が終わったと同時に、電気が消され、杉野さんと共演者の松岡広大さんら、、スタッフのバースデーソングとともにケーキが登場する、というサプライズにも立ち会うことができた。 舞台となった衣装の着物をビシッと身にまとい台本を見つめる美しい姿にも、現地の小学校で監督として踊る子どもたちを大声で引率する凛々しい姿にも、「作品も自分も、常に進化していきたい」という杉野さんの強い意思が垣間見える。
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事故で思うように体が動かなかったときに、小泉八雲原作の「雪女」を読んで、不思議と癒されている自分がいることに気づいたという杉野さん。「怪談話ではあるんだけれど、最後に消えてしまう雪女の温かい眼差しを感じたんです。そこに自然の魂を感じられたときに、これって無限大に広がる物語なんだ!と思ったんです。そういう目線で演じたいし、作りたい」と話してくれた。彼女を育んだ広島の大自然の中で、新たな『雪女』が誕生する。 『雪女』 ある時代、ある山の奥深く、吹雪の夜。猟師の巳之吉は、山小屋で、雪女が仲間の茂作の命を奪う姿を目撃してしまう。雪女は「このことを口外したら、お前の命を奪う」と言い残して消え去る。翌年、茂作の一周忌法要の帰り道。巳之吉は、美しい女ユキと出会う。やがてふたりは結婚し、娘ウメが生まれる。14年後。美しく聡明な少女に成長したウメは、村の有力者の息子で、茂作の遠縁にあたる病弱な幹生の、良き話し相手だった。しかしある日、茂作の死んだ山小屋で幹生が亡くなってしまう。幹生の遺体には、茂作と同じような凍傷の跡が。巳之吉の脳裏に、14年前の出来事が甦る。自分が見たものは何だったのか、そしてユキは誰なのか…。2017年3月4日より、東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、、横浜シネマ・ジャック&ベティほか全国にて順次公開。 監督/杉野希妃 プロデューサー/小野光輔 プロデューサー/門田大地 共同プロデューサー/福島珠理 撮影監督/上野彰吾 脚本/重田光雄 美術/田中真紗美 音楽/ sow jow 出演/杉野希妃、青木崇高、 山口まゆ、佐野史郎、水野久美、 宮崎美子、山本剛史 HP/snowwomanfilm.com

Ms.COINTREAU

Photos:Mami Oki
Text:Tomoko Ogawa
Edit:Yukiko Shinmura

Profile

杉野希妃(Kiki Sugino)女優、映画監督、プロデューサー。慶應義塾大学在学中に留学先の韓国で女優デビュー。2006年『絶対の愛』(キム・ギドク監督)に出演後、帰国。10年『歓待』(深田晃司監督)、12年『おだやかな日常』(内田伸輝監督)など女優兼プロデューサーとしての活躍が脚光を浴びる。14年監督第二作『欲動』が釜山国際映画祭で新人監督賞を受賞。また、ロッテルダムをはじめ国内外の映画祭に審査員としても参加している。出演作『海の底からモナムール』(ロナン・ジル監督)、『ユキとの写真(仮)』(ラチェザー・アブラモフ監督)が公開待機中。 kikisugino.com

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