パン野ゆりのぶらりパン歩き 人気ベーカリー「コム・ン トウキョウ」のグルテンフリー専門店が誕生!
おいしいパンを求めて世界中どこまでも! パン愛にあふれたモデル山野ゆり改め“パン野ゆり”が、話題の新店から知る人ぞ知る逸品まで、津々浦々パンの世界を独自の視点でお届け。2020年九品仏に誕生した「コム・ン トウキョウ」がグルテンフリー専門店をオープン! なぜ今グルテンフリーなのか? そのこだわりをお聞きしました。
こんにちは!個人的第二次パン飲みブーム来たる。パン野です。
今回はパンの世界大会「モンディアル・デュ・パン」で優勝した大澤秀一シェフのお店「コム・ン トウキョウ」(以下コム・ン)から新たにグルテンフリー専門店がオープンしたということで急いで九品仏へ!
コム・ンとは?
群馬県高崎市、喫茶店の駐車場の片隅から始まったパン屋さん「コム・ン」。小さなお店でしたが、わざわざ遠方からお客様が来店するほどの人気店!
さらにフランスで2年に一度開催される国際製パンコンクールの「モンディアル・デュ・パン」で2019年に総合優勝を果たしたシェフが……そう!コム・ンの大澤秀一シェフなのです。
チャンピオンの勲章を引っ提げ、2020年8月には待望のコム・ンが東京の九品仏にオープン。こちらも瞬く間に噂が広がり行列を作る人気店に。
私もプライベートで足を運んでいるのですが、どれもこれも目移りしてしまうほど美味しそうなパンたちがズラリ。パン映え、もとい、コム・ンは棚映え! 行儀よく陳列されているパン達にうっとり♡(もちろん、世界大会のチャンピオンの味なので品質は保証されております。)
そんなコム・ンにグルテンフリーの専門店が出来たというのでダッシュ!
コム・ンの斜向かいに店舗を構えるコム・ン グルテンフリー。こじんまりとした店舗の中に高さが不揃いにギュギュッとひしめき合うパンたち。
どれもこれもグルテンフリーだなんて嘘みたい!
そもそもなぜグルテンフリーの専門店を……? 疑問に思った私は大澤シェフにお話を伺ってみました。
お店のキッカケは?
コム・ンのスタッフさんが小麦アレルギーを発症してしまい「これはなんとかしなければ‥‼︎」というスタッフさんへの涙滲む愛情から始まった今回のお店。それまでは一切グルテンフリーに興味がなかったそうですが、自分と仕事を共にする仲間が小麦アレルギーになったのを間近に見て立ち上がった大澤シェフ。
気になる小麦の種類は米粉と片栗粉、白玉粉をブレンドして使用。「モチモチになり過ぎないよう、わざとパサつかせるようにパンを作る」というグルテンフリー専門店ならではのポリシーを掲げ、日々パン作りに勤しんでいるそう。
本店のコム・ンはモッチリ&しっとりで日本人が好きなウェットな質感に対し、こちらの店舗ではわざと乾いた感じ、より「パン」の質感に近づける様にしているのだとか。
「そもそもパン作りにおいては、グルテンを繋げて、それを“緩める”か“締める”かしか考えていなかったのに、そもそもグルテンが無いパンって!全部めちゃくちゃ手間がかかります(笑)」と大澤シェフ。
やろうやろうと言って始めたそうですが、知識がなさ過ぎて相当苦労したのだとか。同じパン作りでもパン生地がドロドロなグルテンフリーのパンは手間暇がかかりとっても大変そうですよね。
気になるリベイクの方法はパンと同じ?
グルテンフリーのパンは次の日は硬くなりがちですが、レンジで温め直せばバッチリ生き返ります!とのこと。グルテンが入っていないので、レンジでフワフワに生き返るそう。
個人的に……今までパンをレンジに入れることはタブーだと思っていたので新鮮な回答!(ちなみに、保存方法は普通のパンと同じく冷凍が一番♡)
数あるパンの中でも「リゾット」はソテーした玉ねぎを入れたパン生地を下に敷き、その上に玄米で作ったリゾットをプラス、その上から生クリームを纏っているパンなのですが、電子レンジ(500〜600w)で1分半〜2分半温めると上の生クリームがドロドロと流れ出して激UMA。
大澤シェフ渾身のオススメでもあります!
パンはスプーンで切れるほど柔軟だし、何より、お米とパンを一緒に食べることが初めて!
グルテンフリーのパンならではの楽しみ方です。
全部で20種類のパンのラインナップの他にも10,000通り(‼︎)あるサンドイッチがあるのですが、数種類のパン生地の中からベースの生地を選び、中に挟むフィリングやソースを選んで自分好みのオリジナルサンドイッチが作れちゃいます。
(10,000通りもあってどうしよう……)おどおど
パニくる私はすかさず大澤シェフにオススメを伺ってみました。
「卵サンドが苦労したので食べてほしいです。厚焼き卵とスクランブルエッグの2種類あるのですが、厚焼き卵の方を端から端まで卵を入れたくて(笑)。どこから食べても卵に当たる、角のないタマゴサンドを作りました。パンと同じサイズ感にするためにパンを焼く型に入れ、コンベクションで卵焼きを焼いています。」
パンにスーパーフィットする卵サンドが完成⁈
早速こちらも食べてみましょう。
その場で作ってもらう出来立てのサンドイッチはまだ暖かく、それだけで気分が上がります。
お約束通りどこから食べても、隅から隅まで、卵。卵。卵。卵に添ったパン生地はフカフカで歯切れの良さが秀逸。まるで卵と一体化していて、違和感なく食べやすい!
卵のソースでチョイスしたのはマヨネーズと中華風の天津ソース。アジア圏で食べるあのアマジョッパい味!エキゾチックで夏にピッタリなサンドイッチでした♡
確かに……コム・ン本店とは全く別のパンの個性を感じる!
卵サンドの他にもコーンパン、ミルクフランス、本店でも大人気の桜と日本酒etc.。
コム・ン グルテンフリーでは他のパン屋さんにあるもの「昔食べたことのある、どこにでもあるパン」をあえてラインナップ。
パンが食べたくても食べられない方達は普通のパンが食べたいんじゃないかな?と、大澤シェフ。
本店のコム・ンでは他で食べられない面白いパンを。グルテンフリーの方ではみんなが食べたことのある普通のパンを。
そんな風にお店のカラーを変えているのだそうです。
「コム・ンの方では『種類が多くてうれしい!』とか『このパン美味しい!』という声をいただくのですが、グルテンフリーのパン屋さんをオープンして初めて『ありがたい』という言葉をいただきました。僕が10数年パン屋さんをやっていてこんな風に感謝されるのは初めてのことなのでとってもうれしいですね」と大澤シェフ。
アレルギーの方はもちろん、ヘルシー志向な皆さんにも待望のグルテンフリーパン。
コム・ン本店と食べ比べも楽しいのでぜひ行ってみて!
Comme’N GLUTEN FREE
住所/東京都世田谷区奥沢7-19-12
営業時間/7:00〜18:00
定休日/火・水
URL/commen-gf.jp/
Instagram/@comme_n_gf
パン野ゆりのぶらりパン歩き
Photos: Kouki Hayashi Text: Yuri Panno Edit: Yukiko Shinto