パン野ゆりのぶらりパン歩き 自作の薪窯で焼き上げる 代々木「パン屋塩見」
おいしいパンを求めて世界中どこまでも! パン愛にあふれたモデル山野ゆり改め“パン野ゆり”が、話題の新店から知る人ぞ知る逸品まで、津々浦々めくるめくパンの世界を独自の視点でお届け。
こんにちは!パン野ゆりです。今回は東京のど真ん中で薪でパンを焼く「パン屋塩見」に潜入してきました。 とにかくパン好きの間で評判だったパン屋塩見さん。皆が口を揃えて「美味しい!」と噂していたので私自身もずっと行きたかったお店なんです。嬉しみ。 代々木駅、新宿駅から共に歩いて10分。 住宅街の中に突如現れる「一瞬、え、ここは東京!?」な空気感を感じるパン屋さん。
そして何がスペシャルかって…パンを薪で焼くというのがパン屋塩見スタイル!
東京で窯でパンを焼くスタイルは塩見さん以外ないのでは…?実際にそんな貴重な窯を見せて頂きました。
なんとこちら塩見さんの手作り‼︎ レンガを積み上げてご自身で作成した焼き窯。
薪を入れて火がついたら余熱になるまで放置して…その余熱でパンを焼くんだそう(余熱だけで300°あるってよ‼︎)
店先や裏庭に積み上げられている薪にもこだわりがあり、東京の薪も使用しているそう。
パンを焼いた後に出た灰はお客様に提供しています。
草木に混ぜて肥料にしたり、山菜のアク抜きにも使えるそう! サステナブルなことが自然と湧き出ている…サステナブルが馴染んでいる…。素敵です。
そもそもなぜ窯でパンを焼くようになったか伺ってみました。
塩見さん「宗像堂(※)のパン作りに感銘を受けたんです。窯で焼くパンの楽しさ、美味しさを東京のど真ん中でチャレンジしてみたかった!そして実際に薪窯の可能性をひしひしと感じています。」
※宗像堂…パン好きには知らない人がいない沖縄の名店。塩見さんは宗像堂さんでパン修行をされました。
薪で焼くパンの美味しさに感銘を受け、いずれ自分のパン屋さんでは窯を作ろうと夢見ていたそう。
一般的なパン屋さんのオーブンで焼成するパンと違って、窯で焼くことによってみずみずしさが蒸発せずにパン生地の中にギュッと閉じ込められるそうです。
どんなパンになっているんだろう…!
パンの種類は2種類。カンパーニュと食パンのシンプルでリーンなパンがお目見え+「KATAI」ビスケットも。
さーて!早速食べるよ!カンパーニュ!
そこにあるだけでビシビシに圧倒的存在感を放つカンパーニュ。
全粒粉を使用しているのでどのくらい酸味を感じるのかなぁと思いきや、酸味が全然主張しない。スッと消えていく…なんて上品(酸っぱいのが苦手でも食べれるかと)!
クラストがしっかりと厚く、焦げたお醤油のような香りがムンムン! バリッとした歯応えは興奮モノ。このクラストだけでハード系が好きな方には絶対に食べてみて欲しいカンパーニュ。
むふふふふ。うんまあ。
幸です。
クラムのモチモチとみずみずしい食感は、口に入れるとまるで生き物のような躍動感。このコントラストが美味しさに。
さらにこのカンパーニュのオススメの食べ方を伺ったところ、ごま油にお塩という素敵アイディアをいただいたんですが…このごま油にお塩スタイルが抜群に気に入った私。
すっきりとした胡麻油とお塩がカンパーニュの香ばしさを包んで、さらに引き立ち際立つ。
美味しさに磨きがかかる感じ…!スーパーで同じ胡麻油を買って帰ったよ。
自家製のジャム+バターももちろん美味しい。
ちなみに普段はイートインでもその時期によって季節のジャムが楽しめるそうなので利用するのもオススメ。
そして、これ。時を止める食パン。
ころんと膨らんだまあるいフォルムが愛おしい。窯で焼く食パン…どんな食パンになっているんだろう?と思っていたのですが、遥かに想像をすっ飛ばしていった美味しさに驚愕…!
手に持つとズッシリとした重みに期待値がMAX。重たいパン=美味しいっていう自分調べな統計にニヤニヤしながら「いただきまーす!」と口に入れた瞬間
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「美味しい!!!!」
空前の高級食パンブームも手伝って食パンを食べる機会が多いのですが、塩見さんの食パンは異彩を放っています。例えばすごく柔らかいとか、すごく甘さを感じるとか…突出して尖った個性という訳ではなく、全てのバランスが抜きん出て高い。
カンパーニュ同様にクラムはものすごくモチモチしていてパンの耳までしっかり味わえる美味しさがあって、小麦の風味や旨みがギュッと閉じ込められている宝箱みたい。
余分な乳製品は使っていないのにミルキーな甘さを感じるのも不思議。
甘いんだよなぁ…小麦の甘さが旨いんだよなぁ…。
撮影クルー全員、美味しさに戸惑い数秒時が止まる。
「え、今時空ワープした?」「笑」
本当にそんな会話が起こりました(笑)。
KATAIビスケット。
名前の通り、かたい。
味はうまく説明出来ないのですが(なんだそれ)でもクセになる。甘くもなく、塩っけがあるわけでもなく、小麦の味わいをバリボリ咀嚼してるうちに、あれ?なんか、病みつき?クセになってく…みたいな。
固くてこんな顔になる(笑)。
動物性の素材を一切使用してないのでヴィーガンの方にも楽しめるビスケットです。
最後に塩見さんと記念撮影。
さらに塩見さんでは新しいサービスとしてこの薪窯を一般解放しており、お鍋をご持参のお客様から無料でお鍋をお預かり→薪窯で調理する。という画期的なシステムを導入!
お近くにお住まいの方は、お肉やお野菜を詰め込んだストウブを薪窯で調理していただくチャンスです(えー。私も引っ越したい)。
東京のど真ん中で極上のパン体験。
日常の食卓に添えられるパンが塩見さんのパンだったらどんなに毎日素敵だろうか…!
パン屋塩見
住所/東京都渋谷区代々木3丁目9−5
営業時間/12:00〜18:00(売り切れ次第閉店)
定休日/水・木
TEL/03-6276-6310
Instagram/@shiomi_pain
Twitter/@shiomi_pain
Photos: Kouki Hayashi Text: Yuri Pannno Edit: Yukiko Shinto