パン野ゆりのぶらりパン歩き ベトナムの街で出合った“モシャモシャ”なパン | Numero TOKYO
Life / Food

パン野ゆりのぶらりパン歩き ベトナムの街で出合った“モシャモシャ”なパン

美味しいパンを求めて世界中どこまでも! パン愛にあふれたモデル山野ゆり改め“パン野ゆり”が、話題の新店から知る人ぞ知る逸品まで、津々浦々めくるめくパンの世界を独自の視点でお届け。前回に引き続き、ベトナムの後編は、街角で見つけた味も見た目も独特なパンを紹介!

Bready Bánh Mì Tươi

バインミーが食べたいと言ったらガイドさんが教えてくれたパン屋さん。奥にイートインスペースがあり、ゆっくり座ってバインミーをいただけます。

左のページがバインミーで、値段は大体200円ちょっと。バインミー以外にもステーキやカレーなどもありました。

私がオーダーしたのはパテとハムと卵のバインミー。そしてここは自分で挟むスタイルなのですね。これは新鮮だ!

パンはコッペパンのようなソフトさ! 前回食べたバインミーとは全く違うタイプ、これは嬉しい。そうそう、この自家製パンがほんのりと甘くて素朴で美味しい! 日本人(私)が好む味。

具材をパンパンに詰めてギュウギュウになったバインミー…! なんかすごい(笑)! バインミー・オバケ。逆に食べられそうな迫力(笑)。

さて、このバインミー。口に運ぶ際にパンのフワフワさを手で潰しながら、具材をこぼさないようにガブリつくのですが…この豪快さがとても楽しい! 口の中いっぱいに頬張るバインミーをもぐもぐしながら「次はどこ行こっか!」と旅行の計画を立てながらペロリと完食。

美味しかったね〜と話しながら店を後にしようとすると、軒先で謎のパンを発見…!

なんかモシャモシャしている! 日本で見たことのないモシャモシャ!

見たことのないパンがまだまだ世界中にあるのだと実感しながら大興奮。

謎のモシャモシャの正体はなに?
モシャモシャが気になったのでもちろん買ってみました。モシャモシャの寄りはこんな感じ。うーん。チーズ?

手に取ってみるとなかなかの重量!そしてなんだか、ジャム?がサンドされているし、味の想像が全くつきません。

ワクワクしながら一口食べてみると…ナニコレ! 初めて食べる味!
まずはパンがフッカフッカ。綿アメよりちょっと弾力があるくらいです。
そしてモシャモシャはしょっぱい! でもチーズではなさそう…。サンドされたクリームは甘い!

アマジョッパイ文化がベトナムのパンにもあったのですね。オレンジの物体は乾燥していたのですが、にんじんのよう? 香りがちょっと独特で、お惣菜な香りもしました。食べたことない面白い味。

そして、このモシャモシャな正体は? 現地の人に尋ねてみると、chà bông(チャボン)と言うものだそう。豚肉を煮込んで繊維状に細かくしたものを乾燥しているのだとか!

これ、豚肉だったの!!と衝撃が走りました。昔からあるベトナムの食材で、中でもお年寄りの方々に特に好まれるらしいです。

このチャボン、それ以降やたらと気になってしまい、パン屋さんで注意深く見ていると‥おお!あるある!
他のパン屋さんでも何個も見つけました。

こちらきな粉パン?と思うビジュアル。

左側の袋状に入ったものもモシャモシャしている。

きな粉パンのような見た目からは想像できない、チャボン。甘い菓子パンだと思い食べたらビックリ!しょっぱいパン!笑(なんか癖になるかも)

バインミーも良いですが、ベトナムへ行ったらこの“チャボン”ぜひご賞味下さい!

日本では食べられない“ウマジョッパイ”パンがあなたを虜にするかもしれません。

Bready Bánh Mì Tươi

住所/39-41 Bà Huyện Thanh Quan, Phường 6, Quận 3, Hồ Chí Minh, Vietnam
TEL/+84 28 3930 6792

 

BACKNUMBERはこちら

Photos & Text: Yuri Panno

Profile

パン野ゆりYuri Panno パンコーディネーター/パンシェルジュ。日本全国、訪れたベーカリーは数えきれないほど。年に数回は海外へも足を運び、パンを独自の視点で分析。最近では、トークショーや「世田谷パン祭り」でワークショップを開催するなど、活躍の場を広げている。モデル山野ゆりとしては、雑誌や広告、CMなど幅広く活躍中。モデルという職業を活かし、太らないパンとの付き合い方も考案中。

Magazine

JANUARY / FEBRUARY 2025 N°183

2024.11.28 発売

Future Vision

25年未来予報

オンライン書店で購入する