ザ・リッツ・カールトン東京 ひのきざか「一期一会」をリピ訪問。初夏コースを体験 | Numero TOKYO
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ザ・リッツ・カールトン東京 ひのきざか「一期一会」をリピ訪問。初夏コースを体験

ザ・リッツ・カールトン東京の「ひのきざか 鉄板焼」で季節ごとに開催しているダイニング・エクスペリエンス「一期一会」。5月13日(金)から6月5日(日)までの週末限定で初夏のコースを提供しています。

「一期一会」は、旬の食材を使った料理と日本茶とのペアリングを楽しめるというもの。2021年の8月にお邪魔したのですが、そのときのおいしい余韻が忘れられず、リピートしてきました。

ひのきざか 鉄板焼のカウンターで行われるこのイベント。目の前の鉄板で調理されていくライブ感も魅力です。腕を振るうのは、谷口祐卓料理長。谷口料理長とのお話がより一層料理をおいしいものにしてくれます。

新緑の季節をイメージした初夏のコース。一品目は海老、順才、帆立、もずくやオクラなどの吸酢です。庭園のような器のセッティングが美しい……! 

合わせるお茶は、もともと桜の香りがする成分が入った茶葉に、蒸して揉んだ桜の葉を加えたオリジナルのお茶だそう。ほんのり桜の葉が香って、春の名残もありながら新緑の季節に向かっていくような爽やかさ。

2品目は、前菜の盛り合わせ。縞鰺の焼浸し、鮑の甘煮、くぬぎ鱒の昆布〆、キャビアをのせた枝豆の翡翠豆腐など、海の幸を中心にした内容です。テッセンという季節のお花が飾られています。プリっとした食感の縞鰺、柔らかい鮑は目を閉じて味わいたくなるほど。

お茶は、鹿児島の新茶。さきみどりという品種の知覧茶だそうです。甘みと旨みをしっかり感じました。

この後調理いただく食材がずらり! くぬぎ鱒、縞鰺、和牛、花山椒、アスパラベーコン(!?)など。食材一つ一つを説明してくださり、期待が高まります。

次は魚料理です。目の前でじゅうじゅうと焼かれるくぬぎ鱒。富士山の麓で薬なしで育てられた鱒なのだそう。それを同じ静岡県の塩で作った塩麹に漬け、さらに白味噌の炙り味噌が添えられました。

脂がちょうどよくのったくぬぎ鱒は、塩麹のフレーバーが上品で本当においしい。さらにハマったのは、白味噌の炙りです。これをご飯にのせて食べたい!それを焼きおにぎりにしても美味しそう……。

京都の白味噌に卵黄を混ぜ和食の玉味噌のようにし、そこに溶かしたバターを入れて作ったのだそう。洋食には卵とバターを溶いたものを合わたオランデーズソースがありますが、その味噌、卵、バターの3つを合わせたらどうなるだろう、という発想から生まれたものだと谷口料理長。和洋の壁を越えた技はさすがです!

これに、中国茶の東方美人を使ったシャンピン烏龍茶をマリアージュ。ある貴族が「シャンパンのようにおいしい」と言ったことからこの名前がついたという説があるのだとか。香りがとっても華やか。

続いて、季節の温野菜です。日本各地から取り寄せたこだわり野菜が大集合。

しいたけ、紫にんじん、桃かぶ、えんどう豆など色鮮やかです。驚いたのはさつまいもの甘さ。茨城県産のさつまいもを5時間ほど蒸しているのだそう。野菜一つにしても手間暇がかかっています。塩玉葱の擂り流しと一緒にいただきます。

そこに冷たい抹茶! 丁寧に漉した抹茶を使い、シェイカーで振ることでクリーミーな泡が出ています。抹茶特有の苦味はなく、まろやかな味わい。

さて、メインディッシュです。この日は山形県のお肉でしたが、ヒレ肉のシャトーブリアンをしゃぶしゃぶで! 舞茸と一緒にすることでお肉が柔らかくなるというハックも教えてもらいました。

しゃぶしゃぶは、和歌山県の花山椒と一緒に(写真中央)。口の中ですっととろけるお肉と、花山椒のやさしい刺激……。
ハンバーガーは、縞鰺と自家製タルタルソースでフィッシュバーガーにしたもの。先ほどのアスパラベーコンは、山形県産の大きなアスパラを、茨城県の生産者さんに塩分を控えめに作っていただいたベーコンで巻いたそうです。最高においしいアスパラと最高においしいベーコンを合わせてみたら……? という谷口料理長の遊び心とチャレンジ精神が表れた一品! そして、間違いなくこれは人生最高のアスパラベーコンです。

ペアリングは、深煎りの焙じ茶を。香ばしく、お肉の良質な脂分をさっぱりと落としてくれます。

そろそろクライマックス。デザートの時間です。大きな鍋から煙と共に出てきたのは、何やら液体が入ったティーポット。

なんと、世界初!? 京都で作っていただいたという抹茶の綿あめに、ホワイトチョコレートのソースをかけていきます。
すると、綿あめが溶けて、そこから葛餅が登場! テーブルには雲海が立ち込め、幻想的なひとときです。

こちらは、谷口料理長特製のフレンチトースト。食パンではなくバケットを使っているのがミソ!

フレンチトーストの上には、みつばちの巣をそのまま切り出した巣蜜をのせて。

抹茶小豆最中、マンゴー羊羹、グレープフルーツゼリー、抹茶ブラマンジェなど、涼やかなデザートたち。そして卵液がたっぷり染みたふわふわのフレンチトーストも絶品です。

ダージリンティーの最高品種である「シルバーニードル」とジャスミン茶をブレンドしたホテルオリジナルのスパークリングティーと。すっきり爽やかで微炭酸が心地よいです。

〆は谷口料理長が手がけた生チョコレート。右から煎茶、玉露、焙じ茶とそれぞれの違いが楽しめます。まさか料理長が作るチョコレートを味わえるとは、これもレアな体験ということで! 栃木県から届いたフレッシュハーブのお茶と一緒に締めくくりました。

旬を迎えた最高級の素材に少しの遊び心を加えながら、そして谷口料理長冒険心とサービス精神が満載のコース。ここでアルコールをペアリングすると重くなってしまいそうですが、お茶なのでとても軽やか、しかも料理を引き立ててくれました。最近飲み過ぎの私のはちょうどよかったです。

未体験の方は、6月5日(日)までの短い期間なのでぜひ!

一期一会 初夏
日時/2022年5月13日(金)~6月5日(日)
14:00からの1部制(予約制)
※毎週金、土、日のみ開催
場所/ザ・リッツ・カールトン東京 45階「ひのきざか 鉄板焼」
料金/¥12,200(税・サービス料込)
TEL/03-6434-8711(レストラン予約受付窓口/10:00~20:00)
hinokizaka.ritzcarltontokyo.com/

Profile

新藤友紀子Yukiko Shinto ウェブ・エディター。女性ファッション誌のウェブ編集などを経て2018年『Numero TOKYO』に参加。ファッションをはじめ、カルチャーやライフスタイルなど興味の赴くまま取材。Numero.jpでは連載「パン野ゆりのぶらりパン歩き」「パントビスコの不都合研究所」やスイーツの記事などを中心に担当している。最近は韓国ドラマやK-POPに目覚め、失われた青春を取り戻すかのように沼り中。

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