これが大豆!?「The Burn」米澤シェフ考案「ゼロミート」メニューが誕生 | Numero TOKYO
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これが大豆!?「The Burn」米澤シェフ考案「ゼロミート」メニューが誕生

最近こちらの特集を読んだりこちらの取材をして、色々な食の志向に対してチョイスがあるのは良いことだなと思い始めました。例えば、牛乳の代わりにオーツミルク。生クリームではなく豆乳クリーム、など。食べるということは選ぶこと。さまざまなニーズに応える選択肢が用意されている社会って素敵ですよね! ……とやや大きな話になってしまいましたが、いま大塚食品さんが販売しているのが、お肉の代わりに大豆を使った「ゼロミート」なる商品。

2018年11月に大豆を使ったお肉不使用の「ゼロミート」ハンバーグを発売し、現在店頭に並ぶ市販用とレストランなどで使用される業務用をラインナップしています。 この度なんと、青山のサステナブル・グリルレストラン「The Burn」や広尾の「Salam」で知られる米澤文雄シェフが監修した、「ゼロミート」を使ったランチメニューが誕生しました。

米澤文雄シェフ
米澤文雄シェフ
NYの三ツ星「Jean-Georges」で日本人初のスーシェフを務めるという輝かしい経歴をお持ちの米澤シェフ。2019年にはヴィーガンレシピ本を出版されています。私もお料理だけでなくそのお人柄のファンでもあるのですが、なぜお肉料理のプロである米澤シェフがいま、大豆ミートを!? ということでお話を聞いてきました。

「ゼロミート」のグリル「ヴィーガンオニオンデミグラスソース、キヌアのサラダ添え」¥1,650(税込)
「ゼロミート」のグリル「ヴィーガンオニオンデミグラスソース、キヌアのサラダ添え」¥1,650(税込)

今回米澤シェフが考案されたメニューは、ゼロミートのグリルにたっぷりの玉ねぎが溶け込んだヴィーガンのデミグラスソースをかけ、ケールとキアヌ、ミントのサラダを添えたワンプレート。そもそも、「お肉を食べられる人が美味しく食べられるものを作りたい」という考えが元にあったそう。

「お肉を食べられる人たちが、自分の意思で大豆ミートを選択するということに大きな意味があると思います。よく言われているのが、家畜の飼育が環境に負荷を与えているという。そこで、お肉ではなく野菜に変える食生活をすることによって、地球温暖化問題の抑止やいわゆるSDGsにも繋がるわけです。自分の選択で地球環境の緩和に繋げることができるんですね。結局、一人一人の行動でしか変えられないんですよ。できれば強制ではなく意識の改革から始めることが理想ですよね」

もっとも、大豆を育てるのに使う水の量はお肉に比べて10分の1以下だそう(ちなみにゼロミートの包材もCO2を激減させるパッケージを使っているのだとか)。自分の選択で地球の未来が少しでも変わるなら、それが小さな一歩だとしても行動したいですよね。

そんな思いで開発された今回のランチメニューですが、大豆という先入観を裏切る大変な満足感でした! 旨味が凝縮したようなぎっしりと濃密な大豆ミートは、かなり噛みごたえがしっかりしています。そして米澤シェフが「玉ねぎがめちゃくちゃ入っています」とおっしゃる通り、玉ねぎと信じられない濃厚な色のデミグラスソースは、玉ねぎを焼いて水に溶け込ませて煮詰めたもの。これが味わい深く、ヴィーガンということを一瞬で忘れてしまうような美味しさです。しっかりと焼き目をつけてグリルされた香ばしさもたまらない。しかも、この大豆ミートの大豆たん白質は、お豆腐を一丁食べるのと一緒だそう。私はお肉大好きですが、今でもまた食べたいなと思います。

ご自身は実は「ものすごいエコな人間じゃないんです(笑)」と語る米澤シェフは、だからこそ少しずつ気づいて始められることがあると言います。私も好きなものしか食べたくないっ!という気持ちがかなり強い人間ですが、例えば食べ過ぎた一週間の週末に大豆ミートを食べてみる、というのでも良いかもしれません。ちなみに、11月以降はまた新たなメニューが提供予定とのことなので、ぜひお楽しみに!

提供期間/〜2020年10月31日(土)※11月以降は新たなコラボメニューを予定
提供時間/平日ランチタイムのみ

The Burn
住所/東京都港区北青山1-2-3 青山ビルヂング B1F
営業時間/ランチ11:30〜15:00(L.O.14:00)ディナー17:30〜23:00(L.O.22:00)
※変更になる場合もございます。店舗にお問い合わせください。

ゼロミート
https://zeromeat.jp/

Profile

新藤友紀子Yukiko Shinto ウェブ・エディター。女性ファッション誌のウェブ編集などを経て2018年『Numero TOKYO』に参加。ファッションをはじめ、カルチャーやライフスタイルなど興味の赴くまま取材。Numero.jpでは連載「パン野ゆりのぶらりパン歩き」「パントビスコの不都合研究所」やスイーツの記事などを中心に担当している。最近は韓国ドラマやK-POPに目覚め、失われた青春を取り戻すかのように沼り中。

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