いつの間にか神様は眠りについていた
長かった戦争が終わり、あの星には久しぶりの平和が訪れていたから
休もうと思い身を横たえたのではなく、気がついたら眠っていた
ただそれだけだった
平和なあの星へと産み落とす為に、神様から教えられた通りに女の子を作る見習い熊。
熊は神様から冬眠を禁じられ、睡魔から逃れる為にキツい煙草を吸いはじめていた
とりあえず適当に形を整えて、完成したらあの星へと産み落とす
何も考えず、三度の飯にありつくことだけを楽しみに作り続けていた
あの星へと産み落とされた女の子たちは、終わっていたはずの戦争に安心する暇もなく、心に激しい憎しみと闇を抱えた豚男たちの慰みものとなっていた
女の子の柔らかく細い脚は、豚男の臭い息と激しい欲望の力で、無惨にもポキリと折られてしまう
流す涙の一粒すらなく、女の子は痛みをこらえて横たわるしかなかった
そして面倒くさいことに巻き込まれるのが嫌いな傍観者たちは、空気のように何処かへと消えてゆく
誰一人として豚男の暴力を止める者はなく、単なるありふれた悲しい景色として全ては通り過ぎてゆく…
女の子は感情を失っていた
豚男にとって、それは非常に都合が良く、ありとあらゆる欲望の限りを尽くして女の子の肉体をむさぼり尽くした
女の子がボロボロになって壊れてしまうと、新しく産み落とされてくる若い女の子の美しい体を求める
変態的な行為はエスカレートして、そこには愛のひとかけらすら見当たらない
「あぁ…どうすれば…」
女の子は言葉にならない言葉を吐き出した
それは久しぶりのこと
君たちはいつだって、物陰から見ているだけで一度たりとも助けてはくれない
もう食欲すらない
悲しくて死んだように倒れてしまう…
女の子はみんな終わりの奇跡を感じていた
まるで景色は哀しみの万華鏡
銃を持たず撃ち合いもせず、心に広がる戦場にて繰り広げられた虚しく悲しい戦争
ハッ…
気がつく女の子
一粒二粒と涙が溢れ出した
神様…お願いだから電話に出て!
はやくはやく!
思い出を瞳に映すから
女の子たちは少しづつだけど会話をはじめた
女の子たちだけがする楽しくて面白い話を
そこにはたどたどしい笑顔と名前を呼びあう声が…
そしてはじまりの季節。