オルセー美術館のポスト印象派観覧素人ナビ。 | YOU
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オルセー美術館のポスト印象派観覧素人ナビ。

第一章
 
1886最後の印象派の章は、モネから始まる。がしかし、素人が俄然反応できるのは壁の展示の流れが変わるベナールのロジェジュルダン夫人。でてきた言葉は「描いたねぇー。。」だった。まさにそれは描きに描いた夫人で、黄色ののドレスがあまりにも衝撃的。顔の強い印象は、繊細な黒が目元を際立たせているから。メイベリンの広告になってもよさそうなカリスマメイクだ。ギャルは参考にしたほうがいい。顔に集中したのちに、指先だの足元などが結構いい加減に描いてある。「飽きたのかぁ。。」などと思うのが素人だが、実際はそんな技法で夫人のフェイスに目を向けようとする表現方法なんだろう。知らんが。ずっと眺めていると夫人に食われそうだ。
 
 
第二章
 
新印象派は、スーラから。点描技法にはまった習作が何点も。基本的には点描のアプローチに集中してるため、絵そのもののテンションは低い。描きに描いたものに比べると、圧倒的に弱いものになる。グラデーションの優しさにこだわっているので色勝負だと言えるだろう。点描技法ものは時間をグラデーションにして優しく表現するもので、人物には基本向いていないように思われる中、テオが挑戦した舵をとる男。荒波に一人立ち向かう男なのだが、点描技法のせいで迫力が失速している。魚取る気あんのか!みたいな。偶然か、その隣りに展示されたジョルジュのハイストの浜辺。これは凪な水面が点描によって美しく表現されている。やはり激しさの表現には点描が向いていないことがわかるというところだ。知らんが。。
 
 
第三章
 
セザンヌ主義、セザンヌ師匠登場。有名なたまねぎのある静物の三つ手前の、水浴の男達に注目。順番的には是非セックスアンザシティー2を見てからにして欲しい。彼女等が中東でバカンスするプールサイド。サマンサがあらゆるホルモン剤を空港で没収され、更年期の症状に悩む中、ムキムキの若者達がプールでその肉体を踊らす。その光景に、己の性的リズムを見失い反応できずに苦悩するサマンサを描いたシーン。まさにそれを彷彿させるのがこの絵だ!そして唯一のピカソ師匠の作品は、大きな静物。茶を基調にそのグラデーションで描かれている、遠近法のめちゃくちゃな机の上だが、色のマジックと構成により、とても上品にまとまっている。さすが師匠とうならざるをえない。
 
 
第四章
 
ロートレック三部作のみの四章。娼婦と踊り子と道化師の後ろ姿と横顔ばかり。それに子捨てがはいったら、わたしが映画でやった役ばかりだ。なんだか気分が悪くなった。
 
 
第五章
 
ゴッホゴーギャンの、ダブル師匠登場。自画像の本物はやはり言葉を失う。今までふざけててごめんなさい、だ。彼等の悲劇的な破局は有名だ。当時ならゴシップボーイでドラマ化されててもよかったろう。当時のパリの芸術家が集まればアッパーイーストの金持ちキッズも黙らせるほどにゴシップだらけだったに違いない。ダブル師匠とロートレック、にネイトが加われば百人力だ。
 
 
とんで第七章
 
ナビ派。ヘブライ語で予言者を意味するナビ。いきなりセリュジェのナビに扮したポールランソンはかなりコミカルだ。漫画に通ずるみたいなその表現方法に、壁の角で一笑いできるほど印象的。気持ちがあがる。そしてドニのミューズ達。圧巻。緑をベースに描かれた落ち着き払ったようなでかいキャンパスに癒される。赤がきいてる。
 
 
第八章
 
いきなりのシャバンヌの貧しき漁夫。完全に貧しいので少しブルーになります。ト書きを読むとさらにブルーに。妻が死んでしまい、二人の子供を抱えて立ち尽くす漁夫って書いてある。でてきた言葉は「がんばれ。。」お辞儀をして少し足早に歩きましょう。すぐにヴァロットンの夕食 ランプの光であがれます。手前の後ろ姿は対面する少女に対して後ろ向きのシルエットだけになっていますが、これもどこか漫画。額縁が完全に白なのも手伝って、とても印象的。少女のかわりに真ん中に怪物君の王子大野君を置いて、チェホンマンを左に置くのもとてもいいと思います。

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モデル・音楽活動を経て、現在は辛口なコメントや独特な雰囲気で人気のタレント。ドラマ・CM・映画出演、雑誌エッセイ連載等で活躍中。

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