米原康正主宰! 原宿発信のトークイベント「スナックよね。」開店 | Numero TOKYO - Part 3
Culture / Yonethropology

米原康正主宰! 原宿発信のトークイベント「スナックよね。」開店

米原康正によるトークイベント「スナックよね。」が東京ファッションテクノロジーラボにてスタートした。記念すべき第1回目は、スタイリストの中村のんをゲストに迎え、70年代の原宿やファッションの話題で盛り上がった。

My beautiful picture
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舘ひろし 「レオン」前。Hiroshi Tachi (actor)/1974/Goro Some

ドアマンにたこ焼きを差し入れした“叩き上げVIP”

中村「かつては、クラブやディスコにドアマンがいて、店に雰囲気が合わない人は入店お断りをされていましたよね。ドレスコードから外れていても、店に合えば入れてくれるとか。ある時点から、お金を払っているのに入店できないなんてありえない雰囲気になった」

米原「僕は自分を『叩き上げV.I.P.』と自称しているんだけど、田舎から出てきた僕はクラブのビラ配りからドアマンの人まで、たこ焼きをもって『仲良くしてください』って、お願いして回ってました(笑)。やっぱり田舎から出てきた気負いがあるから」

中村「私は世田谷出身だからそれが興味深いんだけど、地方では一帯を牛耳るのはヤンキーなんでしょ?」

米原「地方でおしゃれをすると、ヤンキーの先輩に絡まれるんですよ。だからこんな自分を受け入れてくれるのは、東京しかないと思っていました。さらに、それが原宿だった」

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「レオン」前。Harajuku boys and girls/1972/Goro Some

中村「原宿は少数派を受け入れてくれる多様性の街でしたからね。私も世田谷とはいえ、周りからちょっと浮いていたから、原宿にくると似たような人がいて居心地がよかった。その少数派が、後に多数派に影響を与えるようになっていったわけだけど」

米原「今は原宿も地方都市化が進んでいて、日本中どこにでもあるお店ばかりになりましたね」

中村「土地の値段が高騰したのも大きいですから。昔は安かったんです。80年代に『クリームソーダ』が新宿から移転してきたのも、原宿は家賃が安いことが理由だったのに」

米原「裏原宿が盛り上がったのもそういう理由。原宿はクリエイターがセンスで勝負できる場所だったんですけどね」

中村「代官山も、中目黒もそうだけど、街が面白くなって人が集まると、大手資本が介入してきて家賃が高騰し、最初にいた人たちが出ていく。若い人たちも、大きなファッションビルの方が好きなんだろうと思っていたけれど、『70s HARAJUKU』の写真展会場で声をかけたられたり、編集部宛のメールを読んだりすると『文化を手作りしていた時代が羨ましい』という声が多いんです。だから、若い世代にも自分たちから発信したい人は、まだたくさんいると思います」

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中村のん著『70’ HARAJUKU』
価格/¥1,200(小学館)
写真/横木安良夫、染吾郎、広川泰士、野上眞宏、井出情児、ハービー・山口、達川清、ガリバー、石川武志

ファッションやカルチャーが生まれた70年代の原宿。クリエイターやモデルが集まった喫茶店「レオン」や当時の原宿の街を写した、モノクロのスナップを集めた写真集。今では大御所となった芸能人やクリエイターの若き日も収められている。表紙の写真は、レオンにてスタイリストの高橋靖子(左)とモデルの山口小夜子(右)。

「スナックよね。」の
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Text:Miho Matsuda
Edit:Masumi Sasaki

Profile

米原康正(Yasumasa Yonehara) 編集者、クリエイティブディレクター、フォトグラファー、DJ。世界で唯一チェキをメイン機材とするアーティストとして、幅広く活躍。中華圏での人気が高く、中国版 Twitter である「新浪微博(weibo)」でも235万人のフォロワーを有し、シューティングと DJ をセットにしたイベントでアジアを賑わせている。世界のストリート・シーンで注目される、ジャパニーズ・カルチャーを作品だけでなく自身の言葉で語れる日本人アーティストの一人。
中村のん(Non Nakamura)スタイリスト。東京生まれ、1970年14歳で原宿デビュー。17歳で日本のスタイリスト第1号である高橋靖子と出会い、桑沢デザイン研究所在学中よりアシスタントを務め、22歳で独立。以降、広告を中心に、雑誌、ステージ衣装など多岐に渡り活躍。2001年からはエッセイストとしても活躍。2014年と2015年に行われた写真展&トークイベント『70’s原風景 原宿』も話題に。

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