usagi bon ごはんrecipe.25 なすのフリット | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん
recipe.25 なすのフリット

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「L’Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。

なすのフリット

からりと揚げたなすの甘さと香ばしいナッツにクミンの風味が、ワインとも相性抜群! 【材料】 4人前 なす 2本 ミックスナッツ 50g(包丁の腹などで軽く砕いておく) 長ネギ 1/8本(白い部分8〜10cm) 赤パプリカ 1/6個 黄パプリカ 1/6個 白ゴマ 小さじ1 にんにく 1片 クミン塩(精製してない塩3:クミンパウダー1) 適量 揚げ油(サラダ油、天ぷら油など) 適量 ゴマ油 大さじ2

【作り方】
1. なすは皮をむき、タテに6等分にカットする。
2. ①に片栗粉(別分量)をまぶし、180度くらいに熱した油で揚げる。
3. なすの表面がカリッと固くなったら油から引き上げ、油をよく切り、クミン塩を振っておく。
4. 長ネギ、赤パプリカ、黄パプリカは1cm角程度にカットし、にんにくはみじん切りにする。
5. フライパンにゴマ油を入れ、みじん切りしたにんにく、ミックスナッツ、白ゴマを入れて香りが出てくるまで炒める。
6. ⑤に④の長ネギ、赤・黄パプリカを入れて、さらに炒め、精製してない塩(別分量)をふたつまみ程度振り、味を整える。
7. ⑥に③を加え、さっと混ぜ合わせてから火を止め、盛りつける。

いびりと茄子

子どもの頃見た、花登筐の『細腕繁盛記』というTVドラマ。新珠三千代演じる嫁「かよ」を冨士眞奈美演じる義理妹が強烈に嫁いびりしていた。外の社会は元より内の社会も、昔はいびられる側がつくづく忍耐強かったんだと思わずにいられない。これ以外も「根性ドラマ」がたくさんあった時代であった。
封建的制度は今では想像し難く、「秋茄子は嫁に食わすな」同様の秋サバ、秋カマスなど、嫁いびりの有様は、ことわざになるほど、当たり前のことだったのだ。ただ、これには諸説あり、「ヨメ」が夜目(ネズミ)説や、逆に身体を冷やす嫁の身体を気遣ったという説もあるが、真意は定かでないらしい。クレーム、コンプライアンス、時代は全く変わったものだ。

茄子は世界中で食べられるポピュラーな野菜。クセのない味で日本人にも、中国人にも、イタリア人にも、フランス人、今回はインド人?にも簡単に変身してしまう。シンプルに焼いてオカカと醤油でも、出汁で煮ても、また油との相性も良い。だから、チーズとも合う。オリーブオイルとも。トマトとも。優柔不断? でも旨いから許すとしよう!

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Art Work&Text:Shinsuke Kawahara
Photo&Food Direction:Shintaro Imahira
Edit:Masumi Sasaki

Profile

河原シンスケ(Shinsuke Kawahara) 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo:Keiichi Nitta)
今平慎太郎(Shintaro Imahira) 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。18年12月、札幌にレストラン「L’Univers S.」をオープン予定。(Photo:Ayako Masunaga)

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