隠れ家サロンレストラン「usagi」とは? | Numero TOKYO - Part 2
Life / Food

隠れ家サロンレストラン「usagi」とは?

アーティストの河原シンスケがプロデュースするサロンレストラン「usagi」。パリのファッション関係者やクリエイターたちに愛されたお店が、2017年ついに東京にオープン。「usagi」の誕生秘話、東京にオープンした理由、シンスケの料理観、今平シェフとの出会いについてたずねた。

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料理はコミュニケーション。パリで育った食の感性 そもそも、食に対する興味はどんなきっかけで生まれたのだろうか。 「僕は親と同居していた高校生までは、リンゴひとつ剥いたことがなかった。だから、大学から一人暮らしを始めて、まずリンゴに向き合うことがスタートでした(笑)。いざ始めてみると、料理も作品作りと一緒。少ないお金でいかにおいしいものができるか、実験感覚で楽しかった。大学3年のときに渡仏して、マルシェでは見たこともない美しい野菜に出合って。パッケージも素敵で、包み方も面白い。ヴィジュアル面の興味から、マルシェに足を運び、自炊するようになったことがきっかけのひとつ。さらにパリの文化として、誰かの自宅に呼ばれたら、次は自分が招待しなくちゃいけないから、人をもてなす料理を作り始めました。食器も必要になって蚤の市で集め始めたら、世界に1つしかないヴィンテージを探す楽しみが生まれた。料理と食器のコンビネーションで人を楽しませることができると知ったのもその延長です」
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河原シンスケにとって料理はコミュニケーション。人と人とをつなぐのが食なのだ。 「現代の東京は、コミュニケーションや楽しみのために食べることができる幸せな状況にあります。ただ空腹を満たすために食べるのではなく、時間と空間を誰かと分かち合ったり、素材の物語を感じたりすると、より毎日が豊かになるはず。お皿ひとつをお気に入りのものに変えて、座り心地のいい椅子、触り心地のいいテーブルを用意して、心地よく整えた空間で食べると同じものを食べても味が違う。usagiでは辻精磁社の食器や、山田平安堂のお椀、ヒノキ工芸のイスやテーブルなど日本の職人技とコラボレートしたオリジナルのものと、僕が集めたヴィンテージをミックスして使っています。空間と食、コミュニケーションの中で豊かな時間を過ごしてくれたら」
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そんな河原シンスケと今平シェフが生み出す食の新連載「usagi bon ごはん」がNumero.jp限定で近日スタート。こちらもぜひお楽しみに。
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usagi Tokyo 住所/東京都渋谷区恵比寿西1-24-7 TEL/080-4904-7438(要予約) 営業時間/18:00〜22:30(L.O.)〜24:00(ドリンクのみ) 定休日/土曜、日曜、祝日

Photos:Ayako Masunaga
Interview & Text:Miho Matsuda
Edit:Masumi Sasaki

Profile

河原シンスケ(Shinsuke Kawahara) 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo:Keiichi Nitta)

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