usagi bon ごはんrecipe.20豚肉と梅干しのメープルシロップ煮 | Numero TOKYO
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recipe.20豚肉と梅干しのメープルシロップ煮

アーティスト河原シンスケがプロデュースするサロンレストラン「usagi」の料理をわが家にも。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。

豚肉と梅干しのメープルシロップ煮

メープルシロップのさらりとしたコクと優しい甘さが豚肉の味を引き立てる。 【材料】3人分 豚バラブロック肉 400g 精進出汁 1L 梅干し 3個 生姜 1片 長ネギの青いところ 2本 メープルシロップ 300ml 醤油 60ml ニラ 適量 マスタード 少々 【作り方】 1. 豚バラ肉を食べやすい大きさにカットし、圧力鍋に、肉にかぶるくらいの水を入れ、圧力鍋を高圧にセットし強火にかける。音が鳴ったら弱火で約30分ほど煮る(竹串がスッと通る柔らかさに) 2. ①の豚バラ肉を鍋に移し、精進出汁、梅干し、薄くスライスした生姜、長ネギの青いところを入れて火にかけ沸騰させる。 3. ②にメープルシロップを加え、最初強火で、煮立ってきたら中火にして、煮汁が半分くらいになるまで煮詰める。 4. ③に醤油を加え、強火にして煮汁が少なくなるまで、豚肉を返しながら約20〜30分煮詰める。豚肉が全部見えるくらいになって(残り汁が約100mlくらい)、とろみがでてきたら火から下ろす。 5. ニラをさっと茹で好みの長さに切る。 6. ④に⑤を盛り付け、マスタードを添える。

乾燥と保湿の美味しい秘密

普段から紙に墨絵や水彩画を描く時は、キャンバスにアクリル画材を使う時より筆使いが敏感になる。水分量と紙の吸い込み時間のタイミングを間違うと、良いぼかしやニュアンスを出せないし、第一、後戻りができない。

女性たちが躍起になっている美容でも、いつでもキーワードは保湿。どれだけ保湿して、肌の乾燥を防ぐかが一番の課題となっているようだ。

それに比べて食べ物では、水を飛ばして干して、旨味を引き出すことも多い。魚の干物や肉を燻製にしてハムにしたり、それは世界各地で長年作られてきた。ドライフルーツなども、甘味や酸味が凝縮され、生とはまたひと違う美味しいものに変幻し、僕たちを楽しませてくれる。日本の出汁の基本、昆布や鰹節もその代表格だ。梅干しもまた、そんな一つ。塩漬けにした梅は、保存食という役割以外にも味の深みが、いろいろなエッセンスとして料理の味を引き立てる、最強のシワシワ乾燥肌さんなのだ。

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Art Work&Text:Shinsuke Kawahara
Photo&Food Direction:Shintaro Imahira
Edit:Masumi Sasaki

Profile

河原シンスケ(Shinsuke Kawahara) 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo:Keiichi Nitta)
今平慎太郎(Shintaro Imahira) 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。(Photo:Ayako Masunaga)

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