usagi bon ごはん vol.99 長芋ソーメン | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.99 長芋ソーメン

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第99回は、長芋ソーメン。

長芋ソーメン

甘味はお好みで調整してください。海苔の他、薬味やワサビなどでも美味しく頂けます。 【材料】4人分 長芋 500g 精進出汁 500ml  *レシピはこちらを参照。 醤油 60ml アガベシロップ60ml 料理酒 20ml ホースラディシュ 少々 刻みのり 少々 【作り方】 1. 精進出汁を沸かして醤油、アガベシロップ、料理酒を入れて冷ましておく。 2. 長芋は皮を剥き、12cmくらいの長さに薄くスライスして、さらに千切りする。(薄くスライスできない場合はスライサーを使うと便利です) 3. 2を束ねてお皿に盛り、上から、1のつゆをかける。 4. ホースラディシュ添えて、上から刻みのりを乗せる。

暖かい中でのひんやり

季節感は大切。特に日本人はそれに敏感な人種のようだ。それは四季がハッキリある土壌が生んだ習慣なのかもしれない。ただ世界の気候変動は著しく大きな問題となって確実に季節感も以前と比べ薄れてきた。気温が上昇しているので、ファッションも以前と変わってきている。暑がりにはTシャツが年中の定番。上に脱ぎ着できる暖かいものさえあれば冬でも問題ない時代になってきた。それでも食べ物は季節物、初物がみんな好きだ。こんな時期は寒いから鍋。でも実際は食べる空間にも暖房がガンガン入ってて、『ふうふう』言いながら食べる感じが薄れている。

先日初めて行ったグランピングは寝る場所は快適に暖か、でも外は既に寒いほどのキーンと透明感のある空気に包まれていた。そんな自然の空間で、火を起こし、着込んでブランケットも掛けて、食べる暖かいバーベキューやスープは本当に身体に染み入り、食べ物から暖を貰えたことをつくづく実感したひと時だった。

長芋、山芋、自然薯の季節。一年中出回り食べられるけれど、今が旬。その旬に逆らってソーメン! でも生で美味しい物だからこそ現代の暖かい空間の中で、暖かい食べ物の合間に季節の味を是非堪能したい。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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