usagi bon ごはん vol.96 百合根モンブラン | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.96 百合根モンブラン

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第96回は、百合根モンブラン。

百合根モンブラン

甘露煮が大変なときは、干し柿や、ドライフルーツを白ワインに付けて甘酸っぱく仕上げるとよく合います。モンブランの上に柚子や金柑のコンフィなどのトッピングもアレンジして楽しんでください。

【材料】2人分
柿の甘露煮  1/2個 *いちじくの甘露煮を応用。
百合根 100g
豆乳 60g
和三盆 少々

【作り方】
1. 百合根は掃除をして、柔らかくなるまで茹でる。
2. 1を裏漉して豆乳を加えて滑らかになるまで混ぜ合わせ、冷ましておく。
3. 柿は皮を剥いて半分に切り、甘露煮にし冷ましておく。ここでは、日本酒ではなく白ワインにして、レモンを効かせます。
4. 器に3を乗せ2の百合根のピューレを絞り、上から和三盆を振りかける。

山は山でも、これこそが……

フランス語で(Mont)は「山」、(Blanc)は「白」で「白い山」。イタリア語でもモンテ・ビアンコ(Monte Bianco)と同じ意味で呼ばれ、西ヨーロッパ最高峰の標高4807.81mのアルプスの山は、別名La Dame Blanche「白い貴婦人」なんて言われる事もある。それだけ人気も高く長年にわたり、フランスとイタリア両国での山頂領土問題になってきた。1823年の地図では国境線は山頂の稜線にそって決められ、モンブラン山頂はイタリアとフランスの双方の領土となった。と思いきや、実は近年までもずっとこの論議は繰り返し行われてきた。スキー場で有名なフランス側のシャモニーとイタリア側クールマイヨールはアルプス越えのトンネルで結ばれている。

子どもの頃初めて食べた洋菓子屋さんのお菓子モンブランの栗といえば、黄色い焼き芋の黄色に近かった。中には生クリームとスポンジケーキ。ところが、その後初めてパリで食べたリヴォリ通りのアンジェリーナ本店のモンブランは衝撃だった。まずはその大きさ、そしてその栗クリームはココア色で土台はスポンジケーキでなくメレンゲだった。どっちも全く違う感じ。どっちも美味しいけれど、ハッキリ言って、全くモンブラン山と似ていない。それに引き換えこのお菓子は如何だろう! これこそモンブランの容姿に近い。手前味噌ではあるのだが……。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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