usagi bon ごはん vol.81 ホタルイカと山菜の土佐酢ジュレ | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.81 ホタルイカと山菜の土佐酢ジュレ

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第81回は、ホタルイカと山菜の土佐酢ジュレ。

ホタルイカと山菜の土佐酢ジュレ

土佐酢の代わりにフレンチドレッシングや酢味噌でも美味しい和え物になります。色々な春の山菜でアレンジしてみてください。

【材料】 2人分
そら豆 120g
ホタルイカ(ボイル) 50g
こごみ 40g
うど 4cm
精進出汁 150ml ※レシピはこちらを参照
酢 100ml
日本酒 50ml
薄口醤油 50ml
削り節 10g

【作り方】
1. 精進出汁、酢、日本酒、薄口醤油を鍋に入れひと煮立ちさせ、削り節をいれ火をとめ冷めるまでおき、ペーパータオルを敷いたザルで漉す。
2. そら豆は、鞘から取り出し、鍋にお湯を沸かし塩を入れ約1分半くらいゆでる。
3. うどは皮をむき、マッチ棒の様にカットし、塩少々入れた酢水(別分量)に漬ける。
4. こごみは、サッと茹でて3cmくらいの長さに切る。
5. ホタルイカは目と口を取り、胴と足の隙間から軟骨を取り除く。
6. 1に2、3、4、5をサッと混ぜ合わせ、器に盛り付ける。

勿体ぶるスノビズム

山菜は季節の贈り物。日本人は食だけでなく色んなものに季節を愛でることを楽しんできた。世界的にも日本人の桜の花見や、紅葉見物は有名だ。こんなに世の中が変わっても、脈々と続いていているそれらの習慣はとても素敵なことだと嬉しく思う。

初鰹、初松茸、兎に角「初」が好きなのも、季節をより早く感じて先取りしたいっていう事があるのかもしれない。フランスも農業国なので、初いちごや、初ホワイトアスパラ、秋には、野菜類だけでなく、狩猟解禁で、マルシェにはキジ、うさぎ、猪なども並んで売られ、それはフランス人をワクワクさせることになる。

ホタルイカと言えば、富山県を訪れた時が丁度旬の4月頃だった。今では冷凍保存も出来るようになったとはいえ、やはり3月から5月春こそが、本当に美味しく味わえる時期なのだ。ホタルイカ三昧で、食べさせて貰って大変美味しく有難いのだか、違うものも食べたいという欲求も隠せない。我儘心かもしれないが、「XX尽くし」ってのも如何なもんだろう。トリフ尽くしのフレンチよりも、ちょっとその香りと食感を勿体ぶって噛み締めて楽しめる方が、より「喜びもひとしお」というような気がしてならないのだが…。だから、貴重なホタルイカも山菜も大切に食べたい。それこそ、欲張りなスノビズムと笑われそうだが。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。2021年3月4日より4月11日まで、ベルギーのELEVEN STEENSギャラリーにて展覧会を開催。www.elevensteens.com (Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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