usagi bon ごはん vol.75 蕪の精進揚げだし | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.75 蕪の精進揚げだし

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第75回は、蕪の精進揚げだし。

蕪の精進揚げだし

胡麻油で炒ったシラスや干しエビなどをトッピングしたり、蕪を大根に変えたりといろいろと応用ができます。

【材料】 4人分
小蕪 5個
炒りごま 少々
ホースラディシュまたは山葵 少々
精進出汁 400ml ※精進出汁のレシピはこちらを参照
日本酒 30ml
醤油 15ml
塩 少々
片栗粉 9g

【作り方】
1. 小蕪4個は1/2に割り、茎は細かく刻んで軽く塩(別分量)をしておく。
2. 1の小蕪を中火で素揚げにする。
3. 鍋に精進出汁、日本酒、醤油を入れ沸騰したら、片栗粉と片栗粉と同量の水で溶いて加えひと煮立ちさせる。
4. 3にすりおろした蕪1個を加える。
5. お皿に2を盛り、上から4をかけ炒りごま、すりおろしたホースラディシュを添える。

マイノリティーの解放

精進料理に興味が出たのもパリに来てからかも知れない。今では世界中でポピュラーになった、ベジタリアンやビーガンだけど20年前は今の何十分の一? くらいで本当一部の人達という規模で、廻りから『あの人達ベジタリアンらしいよ、え? ビーガン』なんていつの時代もマイノリティーは肩身が狭く、悪い事してる訳でないのに、斜め目線で見られたり、今では考えられない時代だったのはついこの前までの事。

usagiを始めた頃もまだまだそれほどポピュラーではなく、ベジタリアンのお客様が楽しく美味しく食べられるものと、一つのメニューをmenu SHOJINとしたのは中々先駆けだった。本来は生姜やネギなどニオイが強いものも避けられてきたが、精進料理屋ではないので、そこはアレンジで大好きな生姜は味のポイントで欠かせない。

野菜、今回の蕪もだけれど、素揚げにしてから煮下すのも単調になりがちな味に深みとバリエーションを与える古の僧侶の工夫なんだろう。結局料理はこうして、食べてくれる人の満足な笑顔のために作るんだろう。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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