usagi bon ごはん vol.72 さつまいもの豆乳スープ | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.72 さつまいもの豆乳スープ

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第72回は、さつまいもの豆乳スープ。

さつまいもの豆乳スープ

辛味と香りの調和のとれた日本独特の香辛料の七味。秋には香辛料で辛味を上手に使うと身体も温まりますよ! 【材料】 2人分 さつまいも 1本 約200g 精進出汁 400ml ※レシピはこちらを参照 豆乳(無調整) 120ml 精製していない塩 少々 七味 少々 【作り方】 1. さつまいもは皮を剥き、1cmのスライスにする。 2. 鍋に精進出汁を入れ、1を入れて、さつまいもが柔らかくなるまで茹でる。 3. 2をミキサーにかけ、滑らかになるまでまわす。 4. 鍋に3を戻し、弱火で焦がさないように沸かし、火を止めて豆乳を入れ塩少々で味を整える。 5. お皿に盛りつけて、上から七味をふる。

優しさの味

日本では、さつまいもは全く特別でなくどこでも見つけられる野菜。パリでは、さつまいものことをpatate douce『甘いいも』。甘いと言うdouceは味ばかりでなく、心地よい時やモノ、そしてそこにはバイオレンスと正反対の穏やかさやテンダーが含まれている。芋にそんな名前が付いているなんて良く考えてみると凄いことだ。人に対してもこの単語は使われ『優しい人』ってことにもなる。

白菜は今はポピュラーでどこでも買えるけど、昔は中華街に行かなければ見つけられず、代わりに安価なアンディーブ(ベルギーチコリ)を白菜代わりにドバーッと鍋に入れていた記憶があるが、日本では逆にたいそうに一個づつ売っていたりする代物。

こちらのさつまいもは身が日本程黄色くはなく、時々オレンジっぽいのも見つかるアフリカ産で、どちらかと言えば白っぽい中身に、皮の色も綺麗な紫なんてのも見たことはなく茶色っぽいものが多い。糖分も日本のそれより低いように思うが、それでもやっぱり味はdouce! 日本で作るこのスープより繊維質の多いもうちょっとサラッとしたスープが出来上がる。違いはあっても、やっぱりホッコリ優しい味になる事は嬉しい。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。10月29日(木)より12月13日(日)までベルギーのギャラリーELEVEN STEENSにて展覧会を開催予定。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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