usagi bon ごはんrecipe.18ほうれん草としめじの柚子浸し | Numero TOKYO
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recipe.18ほうれん草としめじの柚子浸し

アーティスト河原シンスケがプロデュースするサロンレストラン「usagi」の料理をわが家にも。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。

ほうれん草としめじの柚子浸し
普通のお浸しも、ビタミンたっぷりの柑橘類や善玉コレステロールを増やしてくれるきのこ類と合わせると、さっぱりした風味で、血液サラサラの薬膳のごちそうに。

【材料】 4人分
ほうれん草 1束
しめじ 80g
炒りゴマ 少々
精進出汁 360ml ※精進出汁の作り方はこちら
精製していない塩 ふたつまみ
柚子の絞り汁 1個分

【作り方】
1.ほうれん草を熱湯でサッと茹でて、冷水で冷やし、水気をしっかりきってから、約5cmぐらいにカットする。
2.しめじの根元の石づきを切って洗い、1本ずつに分ける。
3.鍋に精進出汁と塩を入れ火にかけ沸騰したら、しめじを入れ、中火で約3分煮た後、火を止めてそのまま冷ます。
4.③が冷めたら、しめじを取り出し、煮汁に柚子の絞り汁を加え、ほうれん草を入れて約5分くらいおく。
5.器にほうれん草を盛り付け、上からしめじを乗せて、炒りゴマをかける。

ほうれん草のパワーを信じるうさぎ

僕が子どもの頃、アニメのヒーローの一人は確実にポパイだった。ほかの英雄と違い、格好良いのか悪いのか、若いのか? 歳とってるのか?もわからない不思議な存在のヒーロー。でも、ほうれん草でパワーを付けて悪い奴らをやっつけるのが、クールだった。加えて、「缶詰のほうれん草」を握り潰して食べる姿から、アメリカの豊かさとお洒落さを感じた、そんな時代だった。
その当時、ほうれん草の料理といえば、お浸し、胡麻和えが代表格。葉っぱの濃い緑色とフューシャピンクの茎の色とのコントラストが綺麗だったことは、鮮明に記憶に焼き付いている。そう言えば、最近あまり見ないような気もするが。
日本の繊細なそれと違い、パリのほうれん草は葉っぱがゴツく、葉脈が浮き上がっていて、茎なしバラバラで売られているのがほとんど。全体に泥付きというより、泥だらけ。パリで料理するのは、まず洗う作業に相当な時間を要するのだ。そんなわけで、ポパイの山盛りのほうれん草を缶詰にするのは、パリではある意味相当大変なことなのかもしれない。

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Photo&Art Work&Text:Shinsuke Kawahara
Food Direction:Shintaro Imahira
Edit:Masumi Sasaki

Profile

河原シンスケ(Shinsuke Kawahara) 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo:Keiichi Nitta)
今平慎太郎(Shintaro Imahira) 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。(Photo:Ayako Masunaga)

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