usagi bon ごはん
recipe.1 ビーツのサラダ 紅生姜風味
アーティスト河原シンスケがプロデュースするサロンレストラン「usagi」の料理をわが家にも。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ「usagi bon ごはん」連載スタート。
ピンクの指先
臙脂(えんじ)色の語源は、古くは紀元前に遡る。かつて中国の燕(えん)の国の紅の色が最高と称され、その紅に山羊の脂を混ぜ、燕産の化粧紅がブランド化、後に「臙脂(えんじ)」と呼ばれるようになったことに由来しているようだ。黒みを帯びた艶っぽい赤。
そんな色の野菜が「ビーツ」。近頃は日本でも容易に見つけられるようになった。僕が初めて見たのはパリのマルシェ。すでに茹でられ赤紫色になったそれを、「これって一体どんな味?」「野菜?」「それともフルーツ?」と、言葉もおぼつかないまま買ってきて、袋から出した途端にビチャ!手が滑って無残にも白いTシャツに蛍光フューシャピンクのシミが…。「しまった…」。でも同時に、「なんて綺麗な色なんだ~!」っと思った記憶がある。
「パリって野菜汁まで流石に洒落てる!」なんて、うぶで可愛かった頃の話。
女性がビーツを料理すると、ピンクに染まった指先に、ちょっと可愛いセクシーさが宿る、とも思うのだが…。
usagi Tokyo
Instagram/@usagi_tokyo_salon
FACEBOOK/Usagi Tokyo
サロンレストラン「usagi」とは
Photos&Art Work&Text:Shinsuke Kawahara
Food Direction:Shintaro Imahira
Edit:Masumi Sasaki