ベトナム中部ダナン&ランコーで3つの世界遺産を制覇! | Numero TOKYO
Life / Feature

ベトナム中部ダナン&ランコーで
3つの世界遺産を制覇!

ベトナムで人気沸騰中の中部ダナンと、南部フーコック島。どちらにしようか悩みどころ。ここではダナンの魅力を深堀りっ! 注目すべきは、そのロケーション。ラグジュアリーなリゾートホテルにステイしながら、3つの世界遺産を制覇!

ホイアンDSC_8348
ホイアンDSC_8348
TRAVEL TIPS 3つの世界遺産を一度の旅で! ベトナム中部の玄関口、ダナン。南に東西貿易で栄えたホイアンや初期チャンパ王国の朽ちかけた遺構が残るミーソン遺跡、北に最後の王朝グエン朝の威光を感じる古都フエ。ベトナムの歴史を物語る、3つの世界遺産を周遊できる。知的好奇心を満たす旅を! ホイアンの旧市街 築200年以上の家並みが続く ノスタルジックな港町 ダナンから南東へ約30キロ、トゥボン川の河口に広がる港町。チャンパ王国の時代から、中国、インド、中東を結ぶ東西貿易の中継地点として栄え、16~17世紀には日本からも朱印船も渡来。世界遺産の旧市街には200~300年前に建造されたオールドハウスが連なり、ノスタルジックな風情が味わえる。
ホイアンDSC_8467
ホイアンDSC_8467
旧市街は車両の乗り入れが規制されているため、観光は徒歩で。オールドハウスの家並みはチャンフー通りと、グエンタイホック通り、川沿いのバクダン通り周辺。チャンフー通りの西のはずれにある来遠橋(日本橋)は、かつての日本人街と中国人街の間に架けられたもの。屋根は中国式、中は日本式の建築スタイルで、日本側にサル、中国側に犬の像が橋を守っている。タンキーの家やクアンタンの家、フーンフンの家、福建会館などの名所の見学には入場券がつづりになった総合チケットが必要。
ホイアンDSC_8307
ホイアンDSC_8307
ホイアン名物といえば、夜を彩るランタン。色とりどりのランタンが軒先や通りにかけられ、街を鮮やかに染め上げる。トゥボン川では灯篭流しの幻想的な風景も。 また、ホイアンでぜひ味わいたい三大B級グルメ、伊勢うどんがルーツとされる混ぜそばの「カオラウ」、米粉で作った水餃子のような「ホワイトローズ」、「揚げワンタン」。おすすめレストランは、Miss LY Café 22! Miss LY Café 22 住所/22 Nguyen Hue St., Hoi An City TEL/+84-235-386-1603

フエの建造物群

最後の王朝の栄華を今に伝える、
ベトナム最初の世界遺産

ダナンから北西へ約95キロ。1802年から1945年までグエン朝の都として栄えた古都フエ。フランスの後ろ盾を得てザー・ロン帝が建国し、終焉を迎えるまで実に13代に渡って国を治めた。フォン川を挟んだ旧市街にグエン朝王宮があり、南に下った郊外に歴代皇帝が眠る廟や寺院が点在している。

ハイライトは旧市街に東西 642メートル×南北568メートル、高さ5メートルの城壁を構えるグエン朝王宮。南側の中央の午門をくぐると、中国の紫禁城(故宮)をなぞらえた太和殿が。本殿の台座には金箔の椅子が置かれ、当時の威光がうかがえる。

時間に余裕があれば、郊外の帝廟や寺院を周るボートツアーに参加するのも一案。中国文化に系統し中国の様式を取り入れた2代ミンマン帝廟、蓮池や小川が流れる広大な4代トゥドゥック帝廟、フランスの影響を受けたカイディン帝廟などが、見応えあり。


Photo : Ai Terada

ミーソン遺跡

草原で風に吹かれる
チャンパ王国の遺構群

ダナンの南西約40キロ、深いジャングルの中、チャンパ王国(ヒンドゥ教シヴァ派)の聖域。“ベトナムのアンコールワット”の異名をとるミーソン遺跡。朽ちたレンガの遺構が70以上、草むらで風に吹かれている光景は、栄枯盛衰を思わせる。


Photo : Ai Terada


Photo : Ai Terada

ヒンドゥ教の女神像や精緻なレリーフなど、近寄ってみると細部まで手が込んでいる。ベトナム戦争で被爆したが、地道な修復作業が続けられている。

HOTEL 1
ホイアンの憧れリゾート「フォーシーズンズ リゾート ザ ナムハイ, ホイアン」

喧騒から逃れた海辺に佇む、風水を取り入れた美しいデザインヴィラ群。スパで心に平穏を与え、料理教室で好奇心も満たす。ベトナムの文化をエレガントに体験しよう。

ホイアンまで車で約20分!
静かな海辺のリゾート

Forbs誌の「世界で最も素晴らしいビーチ」のひとつに選ばれたハーミービーチと、ヤシの木が生い茂るトロピカルガーデンがビーチにそって約1キロも続く。静けさに包まれたリゾートは、到着した瞬間から驚きに満ちている。

DSC_8107
DSC_8107

目の前に三段のインフィニティプールが100メートルほど先の海まで続く、視界爽快な眺めが飛び込んでくる。これからの滞在に期待が一気に高まる瞬間だ。世界遺産へは車でホイアンまで約15分、ミーソン遺跡は約1時間15分。フエまでは約3時間。ホイアンへのアクセスのしやすさがポイント高い!

ベトナム料理に挑戦!
クッキングアカデミー

“アカデミー”と付くこのプログラムは、いわゆる料理教室とは一線を画す本格派。まずは敷地内の菜園へ行き、ハーブや野菜を摘むことからスタート。シェフから野菜の説明を受け、手にとって香りをためし、口に入れて味わう。新鮮なハーブの美味しいこと!

車で移動し、麺工房で50年間ライスペーパーを作りつづけているおばあさんに、直接手ほどきを受ける。自分で作ってみると、意外と仕上げが難しい。

ホテルに戻り、調理の開始。シェフのお手本にならいつつ、参加者はグループに分かれて、それぞれが調理に取り掛かる。サポートのシェフも付くが、肝心なところは自分でやらなくてはならない。料理が完成したら、お待ちかねの実食! 

レシピやエプロン、修了証などのお土産も付き。ハノイ料理や宮廷料理、シーフード、屋台料理、ヘルシー料理など、メニューは日替わり。

すべてヴィラ。
風水に基づいたユニークなデザイン

インフィニティプールを中央に、U字型に配置したヴィラ群が海に向かって、5つ並ぶ造り。100棟すべて独立型ヴィラで、1ベッドルームとプールヴィラを中心に、ファミリーヴィラの3タイプがある。

1ベッドルームヴィラは広さ80平方メートル。部屋の中央に一段高いスペースがあり、そこにバスタブと掘りごたつ風のデスクを置く、ユニークな間取りだ。

DSC_8327
DSC_8327

ヴィラ中央のひな壇の前にベッドとリビングスペース、背後にはバスルームと屋外シャワーが縦長に配置されている。この間取りも風水に従ったもの。滞在するだけで、ラッキーもお土産にもってかえれそう。

クリスタルボールの音色に癒されるスパ

「ザ ハート オブ ザ アース スパ」は、蓮池に浮かぶリラクゼーションスペースをもつ、独立型のトリートメントルームが8棟。各戸には432ヘルツに調律したクリスタルボールが用意され、穏やかな波長が心と共鳴するよう。メニューはベトナムの禅僧の教えを礎にしている。

毎夜、スパにおいて開催される「グッドナイト 地球におやすみのキス」のセレモニー(無料)は、ぜひトライ。クリスタルボールの音色に包まれながら、心願を書いたランタンを池に浮かべ、天に届けてもらう。一日を厳かな気分で終えることができそう。

Four Seasons Resort The Nam Hai, Hoi An
フォーシーズンズ リゾート ザ ナムハイ、ホイアン

住所/Block Ha My Dong B, Dien Duong Ward, Dien Ban Town, Quang Nam Province
URL/www.fourseasons.com/hoian/

HOTEL 2
大人のハイダウェイ「バンヤンツリー・ランコー」

ダナンから北へ約50キロ。ハーフムーン形のプライベートビーチに展開する2つのリゾート。重厚感のあるエレガンスを感じるバンヤンツリーと、ファミリーや若いカップルに人気のコンテンポラリーなデザインのアンサナ。海と山に囲まれた総合リゾートで、エクスクルーシブな休日を。

山と海が出会う、
静寂のリゾート「バイヤンツリー・ランコー」

背後を緑で覆われたチュオンソン山脈に守られ、目の前は水平線がまっすぐに伸びる南シナ海。3キロにわたり緩やかな弧を描くビーチは、外部からのアクセスが困難なため、ほぼプライベート状態。広大なリゾートの中の移動は、各ヴィラに用意された自転車が便利。敷地内を走る運河沿いを軽快にサイクリングすれば、ガーデンのあちこちにアートワークが飾られ、ホイアンの遠来橋(日本橋)を模した橋も。運河はシャトルボートが運行し、お隣のアンサナとの行き来も遊び心を効かせている。

ニック・ファルドが設計した18ホールのチャンピオンシップ・ゴルフコースや、ヒルサイドに立つバンヤンツリーの代名詞的レストラン「サフロン」などのダイニング、そしてスパなど、アンサナに滞在していてもバンヤンツリーのファシリティをサインひとつで利用できる。

フエまでは車で約1.5時間、シャトルバスも運行している。世界遺産めぐりの足掛かりにも好都合。

ベトナムの伝統が薫るヴィラ群

すべてプライベートプールをしつらえたヴィラが全54棟。穏やかなラグーンと緑の息吹を感じるラグーンヴィラ、目に眩しい南シナ海の眺めが緑の先に広がるビーチヴィラ、海抜25~84メートルの高台に立つ、海を見下ろすヒルサイドプールヴィラの3タイプ。124平方メートル以上のゆったりとした間取りだ。

各ヴィラは、土のタイルや傾斜した屋根、入り組んだ格子造りなど、フエの伝統的なガーデンハウスを彷彿させるデザイン。再生可能な地元産のバンブーやラタン、ラフィア椰子を使っている。ベッドの背後には、精緻な絵画が描かれ、ベトナムらしさが薫る。

インセンスや毎日届くフルーツ、ポーチ入りの男女別アメニティなど、テンションをアップさせるおもてなしが続く。

ぬくもり伝わる
ハンドタッチが心地いいスパ

プルーン、パンダナス、バタフライ・ピーなど、オーガニックなハーブやフルーツ、スパイスを、メニュー決定後にブレンドするので、新鮮なプロダクツの酵素が肌に届く。熟練のセラピストの手わざにうっとりと満たされ、仰向け姿勢になった途端に寝落ちしてしまいそう。


55384026-H1-BTVNLC_SN0513_Spa_Treatment_Room_Bathtub
55384026-H1-BTVNLC_SN0513_Spa_Treatment_Room_Bathtub

トリートメント後にはお肌イキイキ、心もすっきり。数々の受賞歴に納得する、上質なスパ体験だ。

Banyan Tree Lang Co
バンヤンツリー・ランコー

住所/Cu Du Village, Loc Vinh Commune, Phu Loc District, Thua Thien Hue Province
URL/www.banyantree.com/en/vietnam/lang-coo

DSC_7464
DSC_7464

HOTEL 3
隣接する「アンサナ・ランコー」は
ファミリーやミレニアル世代にオススメ

エントランスのランタンのオブジェが印象的。ベトナムの文化をコンテンポラリーなデザインに昇華したスタイリッシュなリゾートホテル。長さ300メートルものフリーフォームのプールが海近くにあり、華やいだリゾート気分が漂っている。

客室タイプの選択肢が、スイートやロフトなどのスタイルや、ベッドルーム数も1~2寝室など、豊富に揃う。

DSC_7407
DSC_7407

ダイニングは朝食ビュッフェの「マーケットプレイス」、やビーチサイドの「ムンバ」に加え、ユニークなのは「ライスボウル」と「ライスバー」。お米を使ったこだわりのメニューやドリンクを用意している。ベトナム風ガゼボや客室などにテーブルをセッティングしてもらう「デスティネーションダイニング」は旅のステキな思い出に。

Angsana Lang Co
アンサナ・ランコー

住所/Cu Du Village, Loc Vinh Commune, Phu Loc District, Thua Thien Hue Province
URL/www.angsana.com/en/vietnam/lang-co-central-vietnam/offers

ベトナム最後の秘境
最南端のリゾートアイランド

安心と信頼のナショナルフラッグ
ベトナム航空の旅

Photos & text : Chieko Koseki

Profile

古関千恵子(Chieko Koseki)ビーチ・ライター。リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスし。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること四半世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で日々ニュースを発信中。「世界のビーチガイド」 www.world-beach-guide.com

Magazine

DECEMBER 2024 N°182

2024.10.28 発売

Gift of Giving

ギフトの悦び

オンライン書店で購入する