01KIKO & YUKA in Los Angeles水原希子 & 佑果 姉妹
ロサンゼルスを舞台に挑戦する意味
人と違っていいんだよって、自分の言葉が響く人たちに強く言い続けていきたい
日本を飛び出し、拠点を一時的にロサンゼルスへと移した水原希子と、
女優として新たな道へと進む姉の元を訪れた妹、佑果。
ティファニーの新作コレクション『ティファニー ハードウェア』を纏った
かけがえのない姉妹。彼女たちが内に秘める”強さ”の理由に迫る。
国内外の雑誌のカバーを飾り、デザイナーたちからもミューズとしてラブコールが絶えない水原希子。モデルとしての活躍はもちろん秋には主演映画の公開も控え、役者としても着実にステップアップしている。現在、彼女が拠点にしているのはロサンゼルス。女優として新たなステージに挑む心境とは?
「誰も自分のことを知らない土地で理解してもらうために、今は自分の過去やルーツを改めて見返しています。アメリカ人の父と韓国人の母がいて、神戸で育ったこと。それが私のすべてだけど、日本ではハーフだってことや独自の考えを理解してもらうまでに時間がかかったから、他人と一緒じゃないことに対して強いコンプレックスがありました。でも今は、バックグラウンドを説明さえできれば、ちゃんと受け入れてもらえると信じています」
現在は語学、そして演技の勉強に没頭。壁にぶつかったとき、「見返したい」という気持ちが強いモチベーションになる。
「東京で仕事をしていて悔しくて仕方がなかったこととか、当時はとても辛かったけど、その後のアクションの原動力にしています。私が一番影響を受けたのが、2000年代の東京のパンク精神なんです。青春時代に憧れていた『ギャル』たちの文化が、強い自分をつくるためのヒントになっています。やっと素直に楽しめるようになってきたんですよね。10代の頃はそれがなかったから苦しかったけど、今は大人代表として、若い子たちに『人と違っていいんだよ、苦しまなくていいんだよ』って強く言い続けたいんです」
誰もやったことのないことにチャレンジし続けているのは、自分のことのみならず「自分自身の鏡」だという妹・佑果の存在、ひいては東京やアジアで頑張る若い世代の人たちに、新しい道筋をつくりたいという願いから。
「モデルとしても女優としても、人々の脳裏に焼きつくインパクトの強い作品を残したいんです。ファッションや映画って、物事を違う角度から見るきっかけになると信じています」
「今の自分になるきっかけをつくってくれたのは姉だった」。妹の佑果も、姉についてそう話す。
「姉はいつも自分がフィットする場所を探して試行錯誤をしています。その姿はとても刺激的。ぶつかることもあるけどそれが姉妹だし、影響力はやっぱり大きいです。私が神戸から東京へ出るきっかけをつくってくれた人でもあります。姉が先に向かった東京で、私はDJを頑張りたいっていう目標を見つけました。それぞれ夢は違うけど、いつも一緒に走っている。そんな存在です」(佑果)
水原希子にとって役者として物事に取り組むことは、一番の苦しみであり、一番の楽しみでもある。
「私はそこまで器用じゃないから、演じきることの難しさを痛感しています。全く別人になることは難しい。だから、自分が本当に惚れ込んで、心から『この人の人生を演じてみたい』と思える役に出会えるように、日々勉強です。あとは、機会があったらSF作品の宇宙人役に興味があります(笑)」
過去の作品を見て感じることにも劇的な変化が。そして、日本映画界の未来に思うことも。
「映画を見るとき、カメラワークや演出のことなんて昔は考えずに見ていたけど、今は全てに注目していて、気づいたことはメモしています。小学生の頃に観た中島哲也監督の『下妻物語』や『嫌われ松子の一生』をもう一度観て、90年代後半から2000年初頭は女性がメインキャストの作品が多かったんだって再確認したり。最近の邦画はパワフルな女性メインの作品が減ってしまったような気がします。かっこいい男の子が主役の作品がダメなわけではないけれど、女性の皆さん、俳優さんたちを甘やかしていませんか?と(笑)。自分が若いときに衝撃を受けた中島哲也監督の作品みたいに、見る人にも衝撃が走るようなパワフルな作品を残したいなって。そのために、とにかく前進するのみです」
Memories with TIFFANY
水原希子とティファニーの思い出
「東京に出てきて最初に付き合った男の子から、クリスマスにティファニーブルーの箱に入ったプレゼントをいただきました。中身は、ティファニー オープンハートのネックレス。すごくうれしかったです。ティファニーブルーを見ると、今でもあのときの気持ちを思い出します」
水原希子(みずはら・きこ)
女優、モデル。1990年10月15日、米国生まれ。2003年より『Seventeen』(集英社)専属モデルとしてキャリアをスタート。ファッション誌をはじめ、ファッションブランドの広告キャンペーンやCM出演など幅広く活躍。2010年映画『ノルウェイの森』で女優デビュー。以降、数々の作品に参加をしている。
水原佑果 (みずはら・ゆか)
モデル、DJ。1994年10月10日、米国生まれ。 モデルとして国内外のファッション誌をはじめテレビCMやブランドの広告キャンペーンに出演。DJとしても、各種イベントでのプレイや、アーティストのテイ・トウワやMETAFIVEの作品にゲストボーカルとして参加するなど音楽活動にも積極的に取り組んでいる。
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Movie Director:Ryoji Kamiyama
Cameraman:Kenichi Muramatsu
Hair:Gio Campora
Makeup:Natasha Severino
Producer:Jill Roy
Designer:Diamond Heads
Fashion Director:Ako Tanaka
Fashion Editor:Aika Kiyohara
Photo Director:Maki Saito
Web Editor:Yukiko Shinmura