心を打つワインと出合う鎌倉の隠れ家、祖餐
テロワールとは何なのか。まず訪ねたのは、意志あるワインの造り手と伝え手。それぞれの視点から浮かび上がる、現在進行形のムーブメントがここに。鎌倉のナチュラルなワインと日本酒バー、祖餐へ。(「ヌメロ・トウキョウ」2017年12月号掲載)
“テロワール”をめぐる冒険 03
古い木造一軒家の2階で、鎌倉「祖餐」店主・石井英史(ひでふみ)はふわり、ナチュラルなワインを注ぐ。イタリアのワイナリーでも学んだ彼いわく「土地の個性も、人が見つけて育てなければ輝けない」。ボーペイサージュの岡本英史と出会った10年前、「人が幸せになることを考えている人」だと感じた。土地の力を掘り起こし、人の心を打つワイン。それ以外との違いは「必然性」だ。技術の裏側に、そうでなければならない理由があるか、ないか。少なくとも「祖餐」のワインには理由がある。
※名称/ヴィンテージ(産地/造り手/品種)で表記(「ヌメロ・トウキョウ」2017年12月号掲載時点)
左:ライロン 2007(イタリア・ロンバルディア/ポデーレ・イル・サント/ウーバ・ラーラ、バルベーラ)「自然の中の暮らしから生まれるワイン」
中:コリウール 2013(フランス・ルーション/ル・トン・ルトルヴェ/グルナッシュ)「濃厚になりがちな南仏の土壌でも、造り手の力で涼しげに」
右:ツガネ ラ・モンターニュ2010(日本・山梨/ボーペイサージュ/メルロー)「津金×岡本の力で叶った唯一無二の個性」(※取材当日はグラスでも提供)
テロワールとは?
「元来、土地にあるものが人によって生かされ、生まれたもの」
祖餐(そさん)
1階のクラフトビールとナチュラルワインの店「ピルグリム」の裏口から階段を上った2階。大きなテーブルを囲み、ナチュラルなワインと日本酒に合う四季折々の料理が味わえる。
住所/神奈川県鎌倉市御成町2-9
TEL/0467-37-8549
営業時間/17:30〜22:00L.O.(土日は12:00〜)
不定休
URL/www.facebook.com/sosan.pilgrim/
(※記事中の情報は「ヌメロ・トウキョウ」2017年12月号掲載時点/一部更新)
“テロワール”をめぐる冒険
Photos : Kousuke Matsuki Interview & Text : Naoko Ikawa Supervisor : Junko Suzuki Edit : Keita Fukasawa