新井浩文インタビュー「真面目でも不真面目でも、いい映画を作りたい」 | Numero TOKYO - Part 3
Interview / Post

新井浩文インタビュー
「真面目でも不真面目でも、いい映画を作りたい」

旬な俳優、女優、アーティストやクリエイターが登場し、「ONとOFF」をテーマに自身のクリエイションについて語る連載「Talks」。 vol.13は俳優、新井浩文にインタビュー。

飲みの場での近況報告は長くても1時間

──ここ数年、単館系映画からエンタメ大作、テレビドラマなど幅広いジャンルで活躍されていますが、意識的にそうされているんでしょうか?

「いまはすごく間口を広げてやっていて、でも、それが正しいかどうかは未だにわかっていない。それを自問自答して出したひとつの答えは、結局、自分がつまらないと思ってる作品でも、面白いと思ってくれている人はいて。逆もありきで、自分がスゲェ面白いと思ってる作品でもつまんないと思う人はいる。結局、やることに意義があるってことが今の自分の中にある。それをやり続けるというスタンスですね」

──周りからの期待に応えようという思いもありますか?

「それはないです。期待されてるから、という思いは皆無です。基本、くだらないというか、必要のない仕事をやっていると思っているので、それを楽しんでもらっているという感謝の気持ちが大きい。だから、媚を売ってるとかじゃなくて、たとえば映画館に来るお客さんに何をしたら楽しんでもらえるのか必然的に考えますね。ましてや作品の場合は、うちのものじゃないですから。映画は監督のものだから」

──プライベートから俳優の顔に、オフからオンに切り替える瞬間はありますか?

「起きて朝風呂に入って、現場に行くじゃないですか。うちはだいたい1人で車で行くんですけど、着いて 『おはようございまーす』って挨拶して、たとえばロケだったら着替えて、メイクして、コーヒーを飲みながら『やるぞ!』と思ったときに一番スイッチが入る。『仕事だ!』って感じ」

──逆に、オフに戻るきっかけは?

「メイクを落としたときですかね。撮影が終わって、メイク落としのシートでメイクを落として、メイクさんがくれた熱いおしぼりで顔を拭いたときに、『あー終わった~』ってなります。それで翌日休みだったら速攻呑みに行くみたいな、そういうサイクルですね」

──お休みの日は何をして過ごされているんですか?

「酒、ギャンブル、映画、ゲーム、漫画。最近は、もうそうと決まってます」

──お酒の席では映画の話で盛り上がるんでしょうか。

「友達と飲むときは、映画の話はほとんどしない。たとえば(松田)龍平とか瑛太とかと飲んだら、お互いの現場の近況報告は絶対するんですよ。でもだいたい1時間もないですね。あとはずっとくだらない話ばっかりして、そのまま朝の5時とか6時とかまで飲んでますね」

──女性に聞かせられない話とかも?

「はい、下ネタすごく好きなんで。飲んでる最中は、周りが大丈夫じゃなかろうが、構わず言ってしまいますね(笑)」

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Photo:Satomi Yamauchi 
Stylist:Haruki Koketsu
Hair & Make-up:Hanako(HAPP’S) 
Interview & Text:Tomoko Ogawa 
Edit:Yukiko Shinmura

Profile

新井浩文(Hirofumi )俳優。1979年1月18日生まれ、青森県出身。2001年、映画『GO』でスクリーンデビュー。02年6月公開『青い春』では、初主演を務め、高崎映画祭で最優秀新人男優賞を受賞。話題の映画やドラマで幅広く活躍する個性派俳優。酒好きが高じてBSフジ『美しき酒呑みたち』という冠番組でナビゲーターを務める。現在TBS日曜劇場『下町ロケット』に出演中。公開中の映画『バクマン。』に出演しているほか、16年には出演する映画『俳優 亀岡拓次』、『星ガ丘ワンダーランド』、『女が眠る時』、『葛城事件』などの公開を控える。

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