二人だけの親密な時間を過ごせる、デートで行きたい珠玉のバー
友人や家族ではない、恋する相手と行きたいと思う場所がある。静かに佇む隠れ家レストランでおいしい食事を楽しんだ後は、時が止まったかのような空間のバーカウンターで二人だけのひとときを過ごす。そんな理想的なデートを叶えるお店を紹介します。(「ヌメロ・トウキョウ」2019年4月号掲載)
![午後3時オープン。自然光が差し込む日中と、間接照明の柔らかな光に包まれる夜、それぞれの魅力がある。カウンターに立つのは2019年1月から二代目の店長を任されている高梨さん。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/05/p130_1.jpg)
フルーツブランデーを専門に扱う最旬の一軒 BAR B&F.
レストランランキングと併せて国内外のフーディー、バーホッパーが注目する「Asia’s 50 Best Bars」で20位にランクインする『Bar Ben Fiddich』のオーナー・鹿山博康さんが、2017年にオープンした姉妹店がこちらだ。店名は『Ben&Fiddich』と“Brandy&Fruits”をかけたもの。![ミラベルといちごのカクテル¥1,600。ミラベルは仏・アルザス産の西洋すもも原料のブランデー。とちおとめを使ったカクテルは、ラベンダーの清涼感ある香りがアクセントに。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/05/p130_3.jpg)
鹿山さんが並々ならぬ情熱を注ぐフルーツブランデーを専門に扱うバーで、約240アイテムの半数以上は、自身でフランス、ドイツ、ハンガリーなどの蒸溜所に出向き買い付けた日本未入荷のもの。ウイスキーやジンのインディペンデントな蒸溜所が国内にも相次いで誕生し、クラフトスピリッツにかつてない注目が集まる今、そのシーンを牽引する一軒だ。
![オレンジ原料のブランデーはイタリア産。¥1,800。ロブマイヤーのフルーツブランデー専用のグラスで供される。フルーツブランデー、カクテルは¥1,300〜。チャージは会計(税込み価格)の10%。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/05/p130_2.jpg)
まだ専門的に扱う店は少なく、高いアルコール度数も相まってややハードルが高く感じるかもしれない。が、フルーツブランデーは香りを楽しむお酒。「香水がお好きな女性が、香りに興味を持ってご来店くださることもあるんですよ」と、店長の高梨寛実さん。フルーツブランデーをベースに、旬のフレッシュフルーツを使ったオリジナルカクテルも充実しているので、二人で選んだ1本を、ストレートとカクテルでオーダーする、なんて楽しみも。最旬のバーで過ごすひとときが、二人のテンションを高めてくれるはず。
BAR B&F.(バー ビー&エフ)
住所/東京都新宿区西新宿1-13-7 大和家ビル2F
TEL/03-5989-0231
営業時間/15:00〜25:00(L.O.24:30)
定休日/日
URL/www.facebook.com/barbandf/
![日本シードルマスター協会の特認シードルアンバサダーを務める藤井さん。国内の造り手の紹介も積極的に行う。もうひとつのメインが、バックバーにずらりと並ぶウイスキー。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/05/p131_1.jpg)
クオリティシードルで、軽快に始める午後の時間
BAR&SIDRERIA Eclipse first
イギリス、フランス、スペインの欧州各国をはじめ、世界中で親しまれているりんごの発泡酒・シードル。近年、国内でもにわかに注目度が高まっている。シードル好きが信頼を寄せるのが、藤井達郎さん。2015年に開いたバーで、常時約30種類のシードルを紹介。グラスでも8種を提供している。
![シードルはグラス¥850〜、ボトル¥4,000〜。テーブルチャージ¥500。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/05/p131_2.jpg)
フレッシュでドライなものから、蜜っぽい甘みや熟成感を感じるものまで、バラエティ豊かな味わいにシードルの概念が覆される。料理とともに味わう楽しみも知って欲しいと、故郷の群馬県産の食材を使ったバーフードを用意し、マッチングも提案。
![群馬産生ハム・はもん水上¥1,080。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/05/p131_4.jpg)
ワインに比べてアルコール度数が低いので飲みやすく、午後3時からの営業とくれば、アペリティフにもぴったり。マニアックだけれど間口は広く、シードルの味わいのように親しみやすい店の雰囲気が、二人の気分をリラックスさせてくれる。
![フレッシュイチゴとシードルのカクテル¥1,200。群馬産いちご・やよいひめを使用。冬季のホットシードル含め、季節に応じたシードルカクテルも提案している。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/05/p131_3.jpg)
BAR&SIDRERIA Eclipse first
(バー&シドレリア エクリプス ファースト)
住所/東京都千代田区神田鍛治町2-7-10 廣瀬ビル1F
TEL/03-3525-8653
営業時間/15:00〜24:00
定休日/日
URL/www.eclipse-kanda.com/
![オーナーバーテンダーの中森さんが一人、カウンターに立つ。コニャックとスコッチが二枚看板。旅で買い付けた希少なボトルがバックバーを埋め尽くす。シンメトリーに並べられたアンテークのグラスや絵画、装飾品もすべて旅先から持ち帰ったもの。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/05/p131_5.jpg)
「時を味わう酒、コニャック」をヨーロッパが香る空間で
BAR DORAS
身に着けるだけで背筋が伸びる、とびきりのドレスやアクセサリーのように、特別な日のためのバーを持つのは、大人に許された贅沢。風化煉瓦を配した重厚な設え、煌めくアンティークグラス、荘厳なオペラのBGM。すべてが酒の味わいを高める舞台装置として機能する『DORAS』は、そんな一軒にふさわしい。
![スペシャリテはコニャックベースのカクテル、サイドカー¥1,980。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/05/p131_6.jpg)
中森保貴さんは10余年間、酒の造り手を巡る欧州への旅を続けている。酒だけでなく、酒が育まれる背景や土地の文化ごと伝えるのが身上だ。メインで扱うのは、ぶどう栽培から瓶詰までを一貫して手掛ける生産者のコニャック。馴染みがなくとも、造り手を知る案内人の手で注がれる一杯の高貴な香りが記憶に刻まれる。10年、20年、時に半世紀の熟成を経てリリースされるコニャックは、時を味わう酒。二人のこの先の時間に思いを馳せる好機にも。
![軽快で飲み心地のよいコニャックシュウェップス¥1,540。日本ではあまり知られていないが、現地では食前酒としてポピュラーなのだとか。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2019/05/p131_7.jpg)
BAR DORAS(バー ドラス)
住所/東京都台東区花川戸2-2-6
TEL/03-3847-5661
営業時間/月〜土 19:00〜27:00 日・祝 18:00〜26:00
定休日/水・第3火
エントランスフィー¥500
URL/doras.exblog.jp/
愛が深まる♡レストランガイド
Photos: Tokyo Okabe Text: Kei Sasaki Edit: Saki Shibata