二人だけの親密な時間を過ごせる、デートで行きたい珠玉のバー
友人や家族ではない、恋する相手と行きたいと思う場所がある。静かに佇む隠れ家レストランでおいしい食事を楽しんだ後は、時が止まったかのような空間のバーカウンターで二人だけのひとときを過ごす。そんな理想的なデートを叶えるお店を紹介します。(「ヌメロ・トウキョウ」2019年4月号掲載)
フルーツブランデーを専門に扱う最旬の一軒
BAR B&F.
レストランランキングと併せて国内外のフーディー、バーホッパーが注目する「Asia’s 50 Best Bars」で20位にランクインする『Bar Ben Fiddich』のオーナー・鹿山博康さんが、2017年にオープンした姉妹店がこちらだ。店名は『Ben&Fiddich』と“Brandy&Fruits”をかけたもの。
鹿山さんが並々ならぬ情熱を注ぐフルーツブランデーを専門に扱うバーで、約240アイテムの半数以上は、自身でフランス、ドイツ、ハンガリーなどの蒸溜所に出向き買い付けた日本未入荷のもの。ウイスキーやジンのインディペンデントな蒸溜所が国内にも相次いで誕生し、クラフトスピリッツにかつてない注目が集まる今、そのシーンを牽引する一軒だ。
まだ専門的に扱う店は少なく、高いアルコール度数も相まってややハードルが高く感じるかもしれない。が、フルーツブランデーは香りを楽しむお酒。「香水がお好きな女性が、香りに興味を持ってご来店くださることもあるんですよ」と、店長の高梨寛実さん。フルーツブランデーをベースに、旬のフレッシュフルーツを使ったオリジナルカクテルも充実しているので、二人で選んだ1本を、ストレートとカクテルでオーダーする、なんて楽しみも。最旬のバーで過ごすひとときが、二人のテンションを高めてくれるはず。
BAR B&F.(バー ビー&エフ)
住所/東京都新宿区西新宿1-13-7 大和家ビル2F
TEL/03-5989-0231
営業時間/15:00〜25:00(L.O.24:30)
定休日/日
URL/www.facebook.com/barbandf/
クオリティシードルで、軽快に始める午後の時間
BAR&SIDRERIA Eclipse first
イギリス、フランス、スペインの欧州各国をはじめ、世界中で親しまれているりんごの発泡酒・シードル。近年、国内でもにわかに注目度が高まっている。シードル好きが信頼を寄せるのが、藤井達郎さん。2015年に開いたバーで、常時約30種類のシードルを紹介。グラスでも8種を提供している。
フレッシュでドライなものから、蜜っぽい甘みや熟成感を感じるものまで、バラエティ豊かな味わいにシードルの概念が覆される。料理とともに味わう楽しみも知って欲しいと、故郷の群馬県産の食材を使ったバーフードを用意し、マッチングも提案。
ワインに比べてアルコール度数が低いので飲みやすく、午後3時からの営業とくれば、アペリティフにもぴったり。マニアックだけれど間口は広く、シードルの味わいのように親しみやすい店の雰囲気が、二人の気分をリラックスさせてくれる。
BAR&SIDRERIA Eclipse first
(バー&シドレリア エクリプス ファースト)
住所/東京都千代田区神田鍛治町2-7-10 廣瀬ビル1F
TEL/03-3525-8653
営業時間/15:00〜24:00
定休日/日
URL/www.eclipse-kanda.com/
「時を味わう酒、コニャック」をヨーロッパが香る空間で
BAR DORAS
身に着けるだけで背筋が伸びる、とびきりのドレスやアクセサリーのように、特別な日のためのバーを持つのは、大人に許された贅沢。風化煉瓦を配した重厚な設え、煌めくアンティークグラス、荘厳なオペラのBGM。すべてが酒の味わいを高める舞台装置として機能する『DORAS』は、そんな一軒にふさわしい。
中森保貴さんは10余年間、酒の造り手を巡る欧州への旅を続けている。酒だけでなく、酒が育まれる背景や土地の文化ごと伝えるのが身上だ。メインで扱うのは、ぶどう栽培から瓶詰までを一貫して手掛ける生産者のコニャック。馴染みがなくとも、造り手を知る案内人の手で注がれる一杯の高貴な香りが記憶に刻まれる。10年、20年、時に半世紀の熟成を経てリリースされるコニャックは、時を味わう酒。二人のこの先の時間に思いを馳せる好機にも。
BAR DORAS(バー ドラス)
住所/東京都台東区花川戸2-2-6
TEL/03-3847-5661
営業時間/月〜土 19:00〜27:00 日・祝 18:00〜26:00
定休日/水・第3火
エントランスフィー¥500
URL/doras.exblog.jp/
愛が深まる♡レストランガイド
Photos: Tokyo Okabe Text: Kei Sasaki Edit: Saki Shibata