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Fashion Editor's Post

デザイナー達が声を上げ始めた!「Versace」の意思

エディトリアル・ディレクター 軍地彩弓が、2017-18秋冬ミラノコレクションをレポート!

今回のミラノコレクションを通して明らかに前回と違っていたのは、それぞれのデザイナーが伝えるメッセージの強さです(上の写真は「@versace_officialより」)。

トランプ大統領の排他的政策、女性蔑視発言、ヨーロッパに広がる右翼化する社会、イギリスのEU離脱。そう言った社会的な不安が、ここファッション界にも影響を及ぼしています。
反トランプへのメッセージを声高に叫ぶのではなく、ファッションとして世界へ向けて伝えること。ファッションは最も個人の意思を表現するツールです。

わかりやすくそのメッセージを伝えたのは、「ヴェルサーチ(Versace)」でした。ショー会場は入り口かドラマティックでした。ここは再開発地域にあるマリオ・ベリーニの建築。ザハ・ハディットや磯崎新の未来的建築に囲まれた場所に、大きく掲げられた「ヴェルサーチ」のゲート。

前回同様その場所に4面に巡らされたスクリーン。ざわついていた会場が暗転すると、ずんずんと響くリズムに乗せるように「EQUALITY、EQUALITY」と言葉を繰り返し、ショーがスタート。

行進するように前のめりに力強く歩くモデル達。スポーティーなルックの袖、マフラー、ニットキャップ、バッグ、あちこちに「EQUALITY」の文字。スクリーンには色のドットが広がり、その間に広がる黒い影。

ラストルックはここにも往年のスーパーモデル、アンバー・バレッタが登場。

フィナーレはモデル達の行進の後に、ドナテラ・ヴェルサーチが会場を一周。彼女の着ているワンピースの袖にも「EQUALITY」の文字が。あからさまに叫ぶのだけではなく、この力強さ。

「ヴェルサーチ」は80年代のドナテラの兄であるジャンニ・ヴェルサーチの時代から、あらゆる性別、国籍を超えたファッションのアイコン的存在でした。その「ヴェルサーチ」が伝える“平等”。言葉の重さが違います。この不寛容な時代への強いメッセージはファッションからも伝えられる。そこにあるのは「ファッションで世界を変える」という強い意思です。

ある意味トランプの出現によって、世界の分断や溝が顕在化し、そこに反旗を翻すようにファッション業界が声を上げ始めたのです。「プラダ」の女性讃歌も、あからさまではなくても、きちんと私たちの心にメッセージを送っているのだと。

かつてないほど、意思を持ち始めたファッションシーン。この業界の一員として、私もきちんとメッセージを伝えなくては、そう思えたミラノコレクションでした。

Versace
HP/www.versace.com
Instagram/@versace_official

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