没頭する喜びを噛みしめられるドラマ【#私の土曜日16:00】 | Numero TOKYO
Culture / Editor's Post

没頭する喜びを噛みしめられるドラマ【#私の土曜日16:00】

『ビッグ・リトル・ライズ<シーズン2>』より。U-NEXTにて見放題で独占配信中 ©️2022 Home Box Office, Inc
『ビッグ・リトル・ライズ<シーズン2>』より。U-NEXTにて見放題で独占配信中 ©️2022 Home Box Office, Inc

ドラマや映画に没頭することで、頭が一度空っぽになりリセットされませんか? 私はいつもそれで癒やされています。そして『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』を観るために、U-NEXTに加入した大勢のうちの一人が私です。でも、次のエピソードが配信される毎週水曜日が待ちきれなくて……、ほかの作品を漁っていた私の目に入ってきたのが『ビッグ・リトル・ライズ<シーズン2>』。すでにご覧になっている皆さん、すみません。確かに私も<シーズン2>を心待ちにはしていたはずなのに、日々の雑事に追われ、すっかり失念していました。なんということだ。

『ビッグ・リトル・ライズ<シーズン1>』より。U-NEXTにて見放題で独占配信中 ©️2022 Home Box Office, Inc
『ビッグ・リトル・ライズ<シーズン1>』より。U-NEXTにて見放題で独占配信中 ©️2022 Home Box Office, Inc
ということで最近、土曜日、子どもたちを習い事に送ったあとの時間のお楽しみが『ビッグ・リトル・ライズ<シーズン2>』なのです。さて、『ビッグ・リトル・ライズ』をここでご紹介したいのですが、大変です。いざ書いてみようと思ったら、何を書いてもネタバレになってしまいそう。そのくらいドラマに満ち満ちています。 2017年制作の<シーズン1>は、ニコール・キッドマンとリース・ウィザースプーンの、アカデミー賞主演女優賞に輝いたことのある二人の共演がまず話題になりました。この二人が“ママ友”という最強の戦友か!のシチュエーション。しかしながら、豪邸、ビジネスで成功する夫、かわいい子どもたち、すべてが完璧に見える彼らのセレブライフの裏には、さまざまな悩みが隠れていて、それが極上のサスペンスに仕上げられているのです。そのキャッチコピーが「幸せ以外は、ぜんぶある」。え、こわい! 
『ビッグ・リトル・ライズ<シーズン2>』より。U-NEXTにて見放題で独占配信中 ©️2022 Home Box Office, Inc
『ビッグ・リトル・ライズ<シーズン2>』より。U-NEXTにて見放題で独占配信中 ©️2022 Home Box Office, Inc
ママ友には、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』や『マリッジ・ストーリー』で素晴らしかったローラ・ダーン、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』で演じるキャットウーマンが楽しみなゾーイ・クラヴィッツら、魅力もクセもありすぎる顔ぶれがそろっています。そう、<シーズン1>ですでに魅力もクセもあり過ぎたにもかかわらず、<シーズン2>でまさかのパワーアップ。ニコール・キッドマン演じるセレステの義理の母として、メリル・ストリープが登場するのです。このメリル・ストリープ、存在感が圧倒的。一人の人間の持つ強さ弱さ、善と悪、それらが同時に滲み出ているといいますか……。にもかかわらず、周りのママたちもそれに引けを取らず、とにかくパワフル! 繊細なやりとりのはずなのに、まるで本気の殴り合いを見ているかのようです(伝われ)。キャッチコピーは「秘密はいつだって暴かれる」。こちらもドッキリ。

まだご覧になったことのない方は、だまされたと思ってぜひ<シーズン1>からご覧ください! いろーんなことを忘れて没頭できること間違いなしです。ちなみに残念ながら、続編の予定はないそう。ああもっと見たかった! そんなとき、私がとる方法は「(あれば)原作を読む」です。これで楽しみがもう少し続きます(喜)。

『ささやかで大きな嘘』リアーン・モリアーティ/著 和爾桃子/訳 (創元推理文庫)
『ささやかで大きな嘘』リアーン・モリアーティ/著 和爾桃子/訳 (創元推理文庫)

連載「私の土曜日16:00」をもっと読む

 

Profile

伊藤さや香Sayaka Ito フィーチャー・ディレクター。フランス文化への憧れがすぎて、慶應義塾大学文学部仏文学専攻を卒業、フランス系アパレル会社に勤務。ファッション誌などのライターを経て、フランス版『Numero』の日本語訳小冊子の編集に携わる。その後『Numero TOKYO』に創刊メンバーとして参加。主に、映画、本、アート、ライフスタイルの企画を担当。もとよりカラックス、ジャームッシュ、クンデラなどの作家たちを愛しつつ、新たな(もうちょっと明るい)お気に入りを専ら模索中。プライベートでは2児の母。

Magazine

JUNE 2024 N°177

2024.4.26 発売

One and Only

私のとっておき

オンライン書店で購入する