2013.3/4 – 2013.3/16 「死と未来 – la mort et le futur」@ヴァニラ画廊 | Saeborg
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2013.3/4 – 2013.3/16 「死と未来 – la mort et le futur」@ヴァニラ画廊

いつもお世話になっている、ジャーナリストであり写真家であるケロッピー前田氏(https://twitter.com/keroppymaeda)がキュレーションを行った展示が現在、銀座のヴァニラ画廊で開催されています。

今週土曜日までの展示なのでお早めに~

 

 

上写真:釣崎清隆 

 

死と未来 – la mort et le futur

開催日:2013.3/4 – 2013.3/16

「死」というリアリティと、「未来」というポシビリティ。最も“危ない”作家たちが、現代・日本に鋭利な刀でパックリと風穴を開ける!!

死体写真家・釣崎清隆がえぐり出すタナトス美、アリシア・キングによるベーグルヘッドの映像作品Shifters、エリック・ボシックの殺人刀Katana、カール・ドイルのfuture domina、宮川ひかるのturquoise death、アイカワタケシの左腕骨折ドローイング、ピスケンの肉筆詩、そして、ケロッピー前田のトレパネーションの新作が、来たるべき未来を予見する。

(キュレーション:ケロッピー前田)

“The reality of death shows truth and the possibility of the future predicts a new vision for humans and our world. Here is a list of the selected artists that present a new future at Vanilla Gallery, Tokyo”. Keroppy Maeda, Curator & Artist

 

参加作家

釣崎清隆(死体写真家/映像作家) Kiyotaka Tsurisaki

イカワタケシ(イラストレーター) Takeshi Aikawa

宮川ひかる(美術家) Hikaru Miyakawa

アリシア・キング(バイオアート/美術家) Alicia King

エリック・ボシック(写真家/俳優) Eric Bossick

カール・ドイル(写真家) Karl Doyle

ピスケン[曽根賢](編集者/作家) Pissken (Ken Sone)

ケロッピー前田(写真家/身体改造ジャーナリスト) Keroppy Maeda

作家プロフィール詳細はこちら。http://keroppymaeda.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-89fe.html

 

  • 住所:〒 104-0061 東京都 中央区 銀座6-10-10 第二蒲田ビル4F
  • 開館時間:12:00~19:00 土・祝日 12:00~17:00
  • 観覧料:有料 ¥500
  • 休館日:日曜日
  • お問い合わせ先: TEL: 03-5568-1233 / FAX: 03-5568-1233 / MAIL: info@vanilla-gallery.com

ヴァニラ画廊HP:http://www.vanilla-gallery.com/

 

上写真:エリック・ボシック

 

私、ケロッピー前田がキュレーターとして、厳選した国内外のアーティストを集め、新たなる時代のヴィジョンを提案しようというのが、3月4日から銀座ヴァニラ画廊で開催される『死と未来』展だ。

そこでは、芸術表現の最もエッジな領域に踏み込み、いまやコンプライアンスに縛られたメディア空間では達せ得ないものを提示していきたい。

まず第一に、『死と未来』展が目論むのは、出版メディアに先行し、ギャラリーという展示空間から時代を挑発していくことである。釣崎清隆の死体写真、アイカワタケシの左腕骨折ドローイング、初代編集長・ピスケンの肉筆詩、私、ケロッピーの頭蓋骨に穴を開けるトレパネーションの新作が披露される。

そして第二に、副題をフランス語で「ラ・モール・エ・ル・フュチュール(死と未来の意)」としたのは、フランスの思想家ギー・ドゥボールのアナーキズムにあやかっている。

ここで提示される未来は、管理されたディストピアに風穴を開けるものであり、アリシア・キングによる「ベーグルヘッド」の映像作品、写真家エリック・ボシックの殺人刀、カール・ドイルによる未来のドミナフォト、美術家・宮川ひかるのターコイズ・デス、それらは、自閉した日本に一撃を喰らわせる破壊力を持つものばかりだ。

あえて震災を想起させる3月開催に拘ったのも、現代・日本に新たな覚醒を願ってのこと。画廊にて、その真価を確かめて欲しい。

(IMA ONLINEにアップされた文章を引用 http://imaonline.jp/ud/exhibition/512c80db1e2ffa5f12000001

 

 

上画像はアリシア・キングのHPより引用。ちなみにこの作品は今回の展示には入ってません。

アリシア・キングHP→http://aliciaking.net/artwork/2821282_Animorphs.html

 

この展示の目玉でもあるアリシア・キングのインタビュー記事が面白かったので転載させてもらいました。

 

バイオ・アートの女神アリシア・キング

 

オーストラリアの女性アーティスト、アリシア・キングは、17歳のとき、頬の骨の異常を修正する大手術を受けた経験から、物質的な身体と“自分自身”との違和感を感じ始め、バイオテクノロジーを自らの身体で試みる人体実験的なアート作品の制作を始めた。

「自分から取り出されたものを独立して育ててみたかった。それは私の一部なのか、ただの物なのか? 確かめたかったの」

そう語るのは女性アーティストのアレシア・キング。彼女は自分の細胞組織を取って、培養するアート作品を2004年から制作している。彼女自身が説明している通り、人体組織がひとたび取り出されてしまったら、「それは誰なのか?」あるいは「誰のものなのか?」。そのような問題は、高度なバイオテクノロジーが医療現場で応用されるようになった近年、特に問題にされてきている。 「オーストラリアの研究所シンバイオティカの協力を得て、最初の作品は、HeLa細胞とマウスのハイブリッドを作ろうとしたの」

HeLa(ヒーラ)細胞とは、1951年に子宮頸癌で亡くなったヘンリエッタ・ラックスから採取され、人類最初の細胞培養株となったもの。数々の医療実験に利用されると同時に、個人の細胞の利用について倫理的問題も議論されてきた。そして、07年からアリシアは自分の細胞組織の培養も始めている。

「太股から3センチ×1センチ程度の組織を取って、育てた。最終的には4センチ×5センチ程度に。牙で噛み切った『バンパイア』の形にしたの。身体の拡張を意識していたけど、あとで他人の細胞の培養を始めてからの方がなぜか興奮したわ」

自分自身の細胞培養はパフォーマンスとしても行い、出来上がったものは滅菌して殺し、彫刻作品の一部に使っている。培養した細胞は法律的な問題で生きたまま研究所から持ち出せないのだ。しかし、アイルランドにあるサイエンス・ギャラリーでは、細胞培養を公開することが可能となった。

「人体組織銀行の4000ものサンプルから現在も生きている南アフリカの女性の細胞を選んで培養したの。他人の細胞を培養していると親近感が沸いて、自分の身体に取り入れてみたくなるから不思議ね」

そう語るアリシア、細胞培養の果てに見る未来のヒューマニズの登場に期待したい。

 

ケロッピー前田氏によるブログより引用。続きはこちら→http://keroppymaeda.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-8585.html

Profile

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サエボーグ(saeborg)はラテックス製の着ぐるみ(スーツ)を自作し、自ら装着するパフォーマンスを展開するアーティストです。これまでの全作品は、東京のフェティッシュパーティー「Department-H」で初演された後、国内外の国際展や美術館で発表されている。2014年に岡本太郎現代芸術賞にて岡本敏子賞を受賞。主な展覧会に『六本⽊アートナイト2016』(A/Dgallery、東京、2016)、『TAG: Proposals on Queer Play and the Ways Forward』(ICA/ペンシルバニア大学、アメリカ、2018) 、『第6回アテネ・ビエンナーレ』(Banakeios Library、ギリシャ、2018)、『DARK MOFO』(Avalon Theatre/MONA 、オーストラリア、2019)、 『あいちトリエンナーレ』(愛知芸術劇場、名古屋、2019)、 『Slaughterhouse17』(Match Gallery/MGML、 スロベニア、2019 )など。

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